デザインレビューの進め方が劇的に変わる! 3D CAD導入による変化とは

2019年 6月14日

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デザインレビューは、製品の品質や機能性を向上させていくために非常に重要な作業です。しかし、会議などで配布された図面や資料だけではイメージがしづらかったり、活発な意見交換にならなかったりと、効率的な話し合いができないことに疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、デザインレビューの進め方に疑問を持っている方に向けて、デザインレビューを行う意味や重要性をあらためてお伝えし、3D CADを導入することでデザインレビューの進め方がどのように変化するのか、などについてご説明します。

デザインレビューの意味

デザインレビューは製品の品質や業務効率を上げるとともに、各段階での開発状況を各部門で共有するためにも有効な手段です。

業務効率のアップ

デザインレビューで生産方法や加工時の問題点について指摘し合います。これを過ぎ、開発後期の段階で「社内で製品を加工する技術がない」と分かると、外注費用などコスト面での計画変更が発生してしまいます。

そうならないためにもデザインレビューを行い、生産方法や加工方法についても事前に問題点がないか確認するのです。

品質の向上

製品の品質を高めていくためにもデザインレビューは重要です。

  • ユーザーのニーズに応えられる製品か
  • 機能に問題はないのか
  • デザイン性は高いか など

問題点を事前に発見する

設計ミスはもちろん、イメージの共有にずれがないかなど、問題点を発見するにもデザインレビューは有効に働きます。

  • 設計の不具合
  • 機能の不具合
  • 製造加工は可能かどうか

このような問題点を、生産工程に入る前に洗い出すことができます。

3D CAD導入によるデザインレビューの変化とは

デザインレビューで製品イメージの共有を図面で説明すると、イメージや情報の共有にずれや漏れが発生し、効率よく進められなかったということもあるのではないでしょうか。

そこでお薦めしたいのが、3D CADを利用したデザインレビューです。3D CADを導入するとデザインレビューの話し合いにどのような変化が起こるのでしょうか。

モデリングにより成果物の共有がしやすくなる

3Dモデルデータを利用すれば、開発する製品を画面上で立体的に見ることができます。そのため、平面図や断面図で見るよりも、製品イメージの共有がしやすく意見が出やすくなるでしょう。

図面の説明が不要

図面の説明が不要になるので、話し合いがスムーズに進むようなります。3Dモデルにより開発製品を立体的に360度見ることができ、パーツごとに分解も可能です。図面では分かりづらい製品内部のイメージも細かくチェックできます。

簡単にできる設計変更

3Dモデルを効率よく設計変更できるのが「パラメトリック機能」です。この機能を利用することで、話し合いで出た意見をその場で反映させることも可能です。

会議に出席した人全員が内容を共有しているので、あらためて説明する手間も省けるでしょう。

デザインレビューの進め方とは?

デザインレビューの進め方は、どのような流れになっているのでしょうか。各段階に分けて簡単に解説していきます。

デザインレビュー1:企画

企画段階のデザインレビューでは、次のようなポイントを決めてどのような製品にするのかを具体的に決定します。3D CADでコンセプトモデルなどを用いれば、説明もスムーズに進むでしょう。

  • 顧客のニーズの把握
  • 販売経路
  • セールスポイント

デザインレビュー2:基本設計、構想設計

この段階では製品の仕様書を設計担当者が作成し、その設計書がきちんと企画の段階で出た意見と一致して作られているのか、また実現可能な設計仕様書になっているのかを判断します。

  • コスト
  • 安全性・信頼性
  • 生産性

デザインレビュー3:詳細設計

詳細設計のデザインレビューは、設計した内容に対してさまざまな観点から意見を出し合い、実際に現場で作成できるのかを話し合います。

  • 部品の設計確認&アセンブリ
  • モーション機能で確認しながら機構部の確認ができる
  • 3D CADとCAEで強度計算もできるので耐久性も検証できる

3D CADを利用すれば、立体的に製品を見ることができ、また干渉機能などを利用して組み立て時の問題点も細かく会議の場で発見できるでしょう。

デザインレビュー4:生産準備

生産準備に取り掛かるために生産コストや製品を作るのに要する時間など、さまざまな部分で問題がないかを確認する段階です。

  • 自社生産か外注生産になるのか
  • 生産現場の確認
  • 試作確認
  • 組み立て効率の確認
  • 試作品の結果を見て、企画段階で話し合って出た内容と相違がないか評価する

3D CADで確認しながら試作品を作ることができ、モーションシミュレーション機能により製品の動きを確認することができます。

まとめ:効率的なデザインレビューには3D CADがお薦め

デザインレビューは、各段階で開発製品のニーズや共通認識がバラバラにならないように修正したり、製品の品質や業務効率を上げたりするためには欠かせないものです。

企画段階から、立体的な3Dモデルを使用して説明する機会は多くあります。この記事をご参考に、3D CADを導入して、効率的なデザインレビューで業務プロセスの効率化を進めてみてはいかがでしょうか。

3D CADを導入した事例についてはこちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご参照ください。

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