【工数削減にお薦め】3D CADを活用すれば効率よく組立手順書を書ける

2019年11月20日

製造業

DIYの流行、組立家具の増加など、一般消費者が製品の購入後に組み立てを行うケースが増えています。また、工場内での製品を作るうえで組み立て作業は不可避です。

組み立て作業を進めるうえで必要な組立手順書の作り方として、2D図面やアナログのイラストでの説明方法を選んだ場合、思わぬ労力がかかってしまいます。実は3D CADの修正機能やモデリング機能を活用すれば、画像の抽出が簡単になり、効率よく組立手順書を作成することができます。

今回は、組立手順書の作成を担当している方に向け、3D CADを活用した組立手順書の作り方をご紹介します。

一般的な組立手順書の作成方法

まず、組立手順書の作成方法と注意点をご紹介します。

作成方法

自社で作成

組立手順書を自社で作成する企業は多くあります。特に製造現場で使用する組立用の図面など、多種多様な製品の組立手順書を作成する必要があります。そのため、社内の設計者がCAD図から画像を抽出しながら組立手順書の作成をしていきます。

自社商品のことなので、より詳しくこだわりを持って手順書を作成できるのが大きなメリットです。

外注化

組立手順書や取扱説明書などの作成を専門としている企業もまた多く存在しています。組立手順書の作成にまで手が回らない場合は、外注することもお薦めです。

費用はかかりますが、正確な組立手順書を短期間で納品してくれるので、その期間で本来の設計業務に取り組めるメリットがあります。

注意点

組立手順書を作成する際には、手順書を見る作業員や顧客のことを第一に考えて作成する必要があります。そのため、幾つかの注意点を押さえつつ作成していきましょう。

専門知識のない顧客に伝わる資料が必要になる

専門用語や2D図面を交えただけの組立手順書にならないよう注意が必要です。組立手順書を読む顧客の多くが、図面の読み方や部品の名称、ボルトサイズなどに対して知識のない方です。そのため、2D図面の挿入や専門用語で説明をしても顧客にはなかなか伝わりません。

初めて商品を手に取ったユーザーでも分かるように組立手順書を作成していきましょう。

ページをめくる順番に合わせて作成する必要がある

組立手順は、ユーザーや作業員がページをめくる順番に合わせながら記載していく必要があります。組み立てフローを明確にし、女性や子供でも組み立てやすいように順番を工夫していきましょう。

組立手順書を作成する際の問題点

組立手順書を作成する際に発生する問題点とは、どのようなものでしょうか。

製品の修正があった場合に差し替えに時間がかかる

耐久性や干渉、動作不具合などにより製品形状や設計変更の修正があった場合に、3D CADを使用していないと差し替えに時間がかかってしまいます。

組立手順書を最終工程に行うようにしても、何かのトラブルで差し替え対応が起きた場合には、図面修正から抽出までがやり直しになるという問題点が考えられます。

作業工数がかかる

多品種の作業手順書の作成は、作業工数が非常にかかるという問題点があります。作業者やユーザーが分かりやすいように、写真やイラストを拡大したり、組み立てる際の注意喚起の順番を考えたりすることを1製品ごとに行えば、その製品ごとに作業工数がかかってきます。そのため、設計者への大きな負担となっているという問題があります。

3D CADの導入で組立手順書の作成が楽になる

3D CADを導入すると、組み立てフローの作成や立体モデルの抽出が非常に簡単になります。ここでは、組立手順書の作成がスムーズになる理由をご説明します。

組み立てフローの作成ができる

3D CADを使用すれば、部品の位置や形状、ユニット構成などを基に組み立てフローを自動で作成できるようになります。これにより組み立ての構成や注意点を考慮し、作業員やユーザーによって使いやすい組立手順書の作成が可能になります。

アセンブリの構成を分解表示することで、組立作業の手順書を簡単に作成することができます。商品情報や部品情報、属性なども把握できるので、細かい調整も容易に行えるようになります。

立体モデルを360度どの視点からも挿入できる

製品の立体モデルを360度どの視点からも簡単に挿入できるので、分かりやすい組立手順書の作成が可能です。2D CADなどでは、一方向から見た画像を挿入するのが基本でした。しかし、3D CADを使用すれば斜め上からや斜め下、断面画像なども簡単に抽出し挿入できるので、理解しやすいものが出来上がります。

自動連携機能によりモデル修正にも瞬時に対応

3D CADには自動連携機能があり、設計変更を行った部分の修正箇所に合わせて関連モデルデータを自動で変更してくれます。そのため、設計変更により組立手順書の作り直しがあっても、すぐに画像の抽出を行えます。

全ての図面を書き直す必要がなく、作業フローの作成も自動でやり直しをしてくれるので、作業効率も上がります。

アセンブリ単位で細かく画像を抽出可能

アセンブリ単位で画像を抽出できるので、細かい部分も分かりやすく組立手順書に盛り込めます。部品の形状や各パーツの分解図などを立体的に挿入できるので、細かい組立作業も分かりやすく行えるようになります。

組立手順を効率よく作成するなら3DCADの導入がお薦め

モノづくりに関わる人にとって、組立手順書は顧客やユーザーに製品をよりよく使用してもらうために欠かせないものです。
必要な業務だからこそ、3D CADを導入すると3Dモデルの挿入や組立手順書の修正などを行いやすくなり、効率よく仕事ができるでしょう。

今回の記事を参考に、3D CADを導入して作業工数を抑えながら組立手順書の作成を行ってみてはいかがでしょうか。