ベストプラクティス運用 ~3Dデータを活用した組立工程検討と作業指示の作成~

2020年 4月22日

製造業

3D CADユーザー様より頂いたお困りごとを大塚商会が改善のお手伝いをさせていただいた一例をご紹介します。同様のご相談を多く頂きますので、支援例のご参考にしてください。

お困りごと

  • 作業指示書の作成・修正に膨大な工数がかかっている(生産技術部)
  • スケジュールがタイトでなんとか納期に間に合わせている(生産技術部)
  • 作業指示書が分かりにくく、作業ミスが多発している(製造部)

出図された組立図などを基に、生産技術部にて工程検討し、検討結果を基に作業指示書を作成。指示書には、組立図の切り貼りや試作品をばらして写真撮影した画像を使用しており、かなりの作成工数がかかっている。

また、現場からは図面の切り貼りでは分かりにくいとの指摘もある。設計変更発生時には指示書を手作業で修正しているが、スケジュールがタイトで詳細箇所まで修正しきれない場合もある。

問題点によるリスク

製品リードタイムの長期化

十分な工程検討時間がなく生産性が低下する。より生産性の高い案を検討できない。

製品品質の低下

分かりにくい指示書による作業ミスの発生

大塚商会が解決のお手伝いをさせていただきました

お客様環境や運用状況のヒアリングを重ね、次のような内容で問題解決・3Dデータの有効活用を実施しました。

実施内容

  • 3Dデータを活用した工程検討の実施
  • 工程検討結果から作業指示書を自動作成
  • 紙に加えアニメーションで参照できる作業手順書を作成
  • 業務ルールを見直し早い段階で3Dデータを生産技術部に提供

直接効果

  • 農機具メーカー様の事例では、工程検討から指示書作成の工数が15日間から6日間に短縮(約60%削減)

間接効果

  • フロントローディングによるリードタイム短縮
  • 製造に関わる不具合の早期発見による手戻り工数削減
  • 理解度向上による作業ミスの低減

本件は参考例となりますが、お客様の環境・状況に合わせた運用改善のポイントは多数存在すると思います。一度お客様の運用環境を見直してみることも生産性の向上につながるかもしれません。