3D CADの運用がうまくいかない理由は? 原因と解決を徹底解説!

2020年 5月11日

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近年、多くの会社で3D CADソフトの導入が進んでいます。そこで、問題となるのが3D CADの運用方法です。データ管理や操作性が2D CADと違うことで、上手にソフトを運用できない場合が多数あります。

3D CADを上手に運用していくポイントは、データ管理の方法や設計手順を明確にすることです。今回は3D CADソフトを導入されている企業の担当者へ向け、上手に運用できていない原因やお勧めの運用方法を解説していきます。

3D CADの運用には明確なルール設定が必要

3D CADの運用を行うには明確なルール設定が必要です。設計やデータ変更時のルールを明確に定めておかないと次のような問題が起きる可能性があります。

  • 修正時の手戻り工数の増加
  • 修正部分が不明になる
  • 設計・仕様変更に柔軟な対応ができない
  • 最新版データの保管場所が分からなくなる
  • 流用データが見つけられず、設計者が重複作業を最初から行う可能性がある

運用ルールが明確でない場合、設計者ごとで認識がずれてしまい修正時の手戻り工数が増える可能性があります。

また、設計変更があった場合の共有方法やルールを定めておく必要があるでしょう。不明瞭なルールだと修正部分が分からなかったり、最新版データが見つからなかったりして、確認作業に時間がかかってしまいます。

このような問題を事前に防ぐためにも、明確な3D CADの運用ルールを設定することをお勧めします。

3D CADを運用していく時に問題になりがちなポイント

3D CADを運用していくにあたり、よくある問題についてご紹介していきます。

3D CADデータの管理方法が十分にできていない

3D CADデータの管理方法が十分でないことが問題となり、運用に失敗しているパターンは多くあります。

設計業務において修正作業は付き物。クライアントからの追加依頼や設計不具合などでたびたびモデルの修正対応が発生します。その際、データの管理方法が明確でないと変更箇所の共有がうまくできず、他の担当者が一から修正対応をしてしまうことが起きるでしょう。

また、他部門へ3Dデータを渡す時にデータの拡張子なども設定していなければ、無駄な工数が発生する可能性もあります。

このようにデータ管理方法が不十分だと3D CADの運用がうまくできない可能性が高いです。

ベテラン設計者は3D CADを使わない人もいる

3D CADの運用で意外と問題になってしまうケースが、2D CADを長年使用してきたベテラン設計者です。

ベテラン設計者は、3D CADを使わなくても十分な設計ができるスキルとノウハウを持っています。そのために新しく3D CADの操作を覚える手間や工数が増えることを避け、2D CADで全ての業務を終わらせてしまう場合があります。ベテラン設計者の中には、3D CADは不要と考えている人も多いのです。

その結果、3D CADの運用が全ての社員に行き渡らない可能性があるため、会社全体で3D CADの運用ができないことにつながります。

3D CADの運用に必要なルール設定とは

3D CADの運用ルールでは、データ管理や設計・モデリング時のルール設定が必要です。次に3D CADの運用に必要なルールをご紹介していきましょう。

ツールやプラグインを活用してデータ管理を正確にする

3D CADソフトのデータ管理は、各3D CADソフトの付属ツールならびに別売の専用ツールやプラグインを活用することをお勧めします。

例えば、一つの親ファイル名を変更するとそのファイルに関連する全ての子ファイルの名前を自動的に変更できるツールがあります。このようなツールやプラグインを導入し、データ管理を正確に行いましょう。そうすれば図面検索の時間が短縮し、設計変更点の共有なども行いやすくなります。3D CADを運用するうえで、データ管理ツールは必須のツールといっても過言ではありません。

設計・モデリング時の作業ルールの設定

設計・モデリング時の作業ルールを設定するのも大切な運用方法です。例えば次のようなルールを設定してみましょう。

  • ファイル名の設定方法:製品番号・部品番号を利用し、ファイル名に規則性を持たせる。
  • 設計手順の設定:別の3D CADモデルから部品フィーチャーなどをコピーしない。

このようなルールを設定すると、設計時の不具合やミスを減らし上手に3D CADが運用できるでしょう。

運用ルールを明確にして3D CADを活用するために

3D CADを運用していくには、2D CADとは異なる運用ルールを定める必要があります。せっかく3D CADを導入したのに、上手に運用できずに仕事へ活かせないのはとてももったいないことです。

明確な運用ルールを定め3D CADを上手に扱えるようになれば、会社全体で作業効率を上げ、手戻り工数も確実に削減できるでしょう。

3D CADの運用に不安を抱えるお客様は、本記事をご参考に運用ルールを定めてみてはいかがでしょうか。