ベストプラクティス運用 ~設計ミスと手戻りの削減~
2020年 5月14日
製造業
「設計ミスと手戻りが一向に減らず、逆に増加している」という製造業のお客様が抱えるお困りごとを大塚商会が改善のお手伝いさせていただきました。同様のご相談を多く頂きますので、支援例のご参考にしてください。
お困りごと
- 製造段階で、部品の干渉が見つかり、設計し直しに
- 重量・重心計算が大変で、バランス検証でミス発生
- 形状の確認・配置検討が難しく、設計ミスを誘発
- とにかく手戻り・問い合わせが多く困っている。割り込みが発生し、本来の仕事は残業でカバーしている
お客様の状況は、構想設計~アセンブリ設計~部品設計まで全ての設計業務を2Dにて行い、2D図面を用いたデザインレビューを通して出図され製造に図面が渡されるフローでした。
問題点によるリスク
干渉・組立性・製造性・部品信頼性などの設計ミス、ならびに設計上の問題点が製造段階で発覚し、度重なる手戻りのため納期・原価に影響を及ぼしている状況が発生していました。
- 製品の軽薄短小化に伴い、限られた空間内での設計に苦労している
- 形状や動作が複雑化しているため、可動部の動きが把握しづらくなっている
- 2次元図面が読むことができない人が増えている
- 熟練設計者の引退
- 設計者の多忙化
大塚商会が解決のお手伝いをさせていただきました
そこでお客様環境や運用状況のヒアリングを行い、次のような内容で問題解決へとつながりました。
実施内容
- 構想設計において3D設計を併用する
- アセンブリ設計において3D設計に取り組む
- 部品設計において3D設計に取り組む
- デザインレビューにて3Dモデルと図面を併用する
- 作成された3Dデータを管理する
効果
3D設計に取り組むことで形状の可視化により、設計ミスと手戻りの削減を実現できた。
定量効果
- 設計修正工数 86%削減(輸送用機械器具メーカー)
- 入社3年目社員がほぼノーミスにて製造工程へ(半導体製造装置メーカー)
- 干渉部分の発見がボタン一つで可能に
- 重量・重心計算がボタン一つで可能に
定性効果
- 形状の確認・配置検討が容易に
- 関連各位からの意見を得やすくなり、組立性・製造性の問題が解消
- 関連各位のコミュニケーションの向上
このように3Dを活用することで、フロントローディングにより手戻りを削減でき、設計者が設計に集中できる環境をご提供することができました。
本件は参考例となりますが、お客様の環境・ご状況に合わせた運用改善のポイントは多数存在するかと思います。いま一度お客様の運用環境を見直すことで、お客様のさらなる生産性の向上につながると思います。