CAD作業の効率アップ。CAD業務に適したマウスの選び方と重要性

2020年 9月28日

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CAD作業の効率を上げるためには、CADを使いこなすことが不可欠ですが、ハードウェアであるマウスによっても効率性を上げることができます。

今回は、CAD業務に適したマウスの選び方とその重要性について解説します。

マウスにこだわる意味はある?

CADで作業する際、キーボードを操作することは少なくマウスでの操作が一般的です。また、CADオペレーターは一日中パソコンの前でCAD操作をすることがほとんどですので、マウスを一日中触っているということになります。

自分に合ってないマウスで操作をしていると、作業性が悪いばかりか、肩こりの原因になることがあります。作業の目的や自分のスタイルに合ったマウスを選択するようにしましょう。

CAD用マウスを選ぶ際のポイント

マウスを選ぶうえで検討すべきポイントが幾つかありますのでご紹介します。

手に合った形状・サイズを選ぶ

大人でも手の大きさに個人差はあり、例えば男性や女性では違うように、同じ性別でも個人によって違いはあるものです。自分の手の大きさに合っていないマウスを選択すると、疲労や肩こりの原因になってしまいます。

ぜひ実際に手に取ってみて自分の手の大きさに合ったマウスを選択しましょう。目安としては、手を乗せたときに極端に指が伸びたり曲がったりせず、無理なく自然な状態でクリックできることが望ましい大きさです。

DPI調整ができるものを選ぶ

DPIとはdots per inchの頭文字をとったもので、マウスを1インチ移動させたときにカーソルが画面上をどれだけ移動するかという値です。基本的にはパソコン側で設定をします。マウスによって調整できないものもあるので、調整可能なものを選択しましょう。

DPIを調整することができればマウスカーソルの動く速度も向上するので作業効率が捗ります。またマウスの少ない移動でカーソルの移動量が大きくなるので、CAD操作でよくある画面の端から端まで囲むなどの動作が、最小限の動作で素早く行えるようになります。

多機能マウスに慣れれば効率アップ

マウスにはクリックボタン以外にもボタンが付いているものがあります。タイプによって機能は異なりますが、単純なキーを割り当てるタイプと連続的な操作やコマンドを割り当てることができるタイプのものが存在します。

このマウスボタンをうまく利用することで、マウスから手を離さずにキーボードのキーを押せるので、作業効率アップにつながるでしょう。

長時間作業をするならトラックボール搭載マウスがお勧め

CADの作図時間は長くなりがちなので、手首や肩の負担を軽減するマウスがお勧めです。

トラックボール搭載マウスは、マウス本体を動さずにボールを回転させることでカーソルを操作できるため、手首の負担を軽減できます。長時間作業する人にお勧めのマウスです。

3D CADに利用するなら3Dマウスタイプがお勧め

3Dマウスは、X、Y、Z軸の回転や移動などの自由度の高い動きができるマウスです。前後左右の動きだけでなく、上下の動きも操作できます。

3Dマウスの中にはプログラミングキーが実装されているものもあります。

【種類別】各マウスのメリット・デメリット

マウスといっても幾つかタイプがあり、それによってメリットとデメリットが異なります。それぞれの違いについてご紹介します。

有線マウス

マウスにUSB端などのケーブルが付いており、PCと直接つないで使用します。メリットは、マウスの重量が軽いため、作業中疲れにくいことと、一般的に安価であることです。

デメリットは、ケーブルが必要であるため、可動範囲がケーブルの範囲に限定されることが挙げられます。また、USBポートを占有してしまうため、USBハブを設置するなどの検討が必要な場合があります。

デスクトップPCなど、その場から動かす必要のない端末では多く見かけます。電池切れの心配もありませんので、稼働率の低いPCや長期間動かさない場合でも問題ありません。

無線マウス

無線(ワイヤレス)で通信するタイプのマウスです。メーカーによって通信方法が違いますが、専用の受信機(レシーバ)をPCのUSBポートに差して使用するものや、Bluetoothで通信するものなどがあります。

メリットは、ケーブルがないので、無線電波が届く範囲であればどこでも使用できます。会議やプレゼンなどで、交代で操作する必要がある場合などに役立つでしょう。また、同じ通信方式であれば一つのレシーバでキーボード、マウスなどを管理できるため、USBポートが最小限で済むこともメリットです。

デメリットは、基本的に電池で動くため、費用と電池交換の手間がかかります。また、電池によってマウスの重量が増し疲労感を感じやすくなる可能性があります。一般的に有線タイプと比較して高価であるということも挙げられます。

ノートPCを使用している方や、会議、レビューなどでPC持ち運ぶ必要がある場合などは、無線タイプが向いているといえるでしょう。

トラックボールマウス

多くのマウスは、マウス本体を動かすことで移動量を PC が認識しカーソルを動かします。トラックボール方式の場合は、マウス本体は動かさずにマウスに付いているボールを親指で回すことによって、回転量と方向を PC が認識しカーソルを動かします。トラックボール方式のマウスは、有線タイプと無線タイプがあります。

メリットはマウスを動かす必要がないため、手首に負担がかからないことです。デメリットは、マウス本体が大きく重いことと、ボールを直接指で触るため、こまめな掃除が必要になる点です。また、価格は通常のマウスと比較すると5~10倍とマウスとしては非常に高価です。

慣れが必要なタイプではあるものの、一日中マウスを操作する必要があるCADオペレーターにとって、疲労のリスクが少なくなることは大きなメリットです。価格は高いですが十分に検討の余地はあると考えられます。

3Dマウス

3Dマウスは、3D CADやゲームなどを操作する前提で設計されたマウスです。単体で使用するタイプと、通常のマウスと併用できるタイプがありますが、一般的に3Dマウスというと後者を指すことが多いです。操作する際は右手で通常のマウスを操作し、左手で3Dマウスを操作します。

メリットは通常のマウスにはない、Z方向に対する操作や回転操作が可能なことで、作業性が格段にアップすること。反対にデメリットは、一つあたり数万円と非常に高価であることが挙げられます。

3Dマウスは、3D操作する以外では全ての機能を活用できない場合があるため、自身の作業や目的とマッチするか検討が必要です。導入する場合はマウスという概念を捨て、一つのハードウェアとして考えるべきかもしれません。

人間工学設計(エルゴデザイン)のCAD用マウスお勧め2選

人間工学設計(エルゴデザイン)のCAD用マウスを二つご紹介します。

ロジクール(Logicool)MX ERGO アドバンスワイヤレストラックボール MXTB1s

MX Ergoは、手と手首の動きを軽減することができるエルゴノミックトラックボールマウスです。人間設計工学に基づいてデザインされています。マウスの傾斜角度を0〜20度の間で調整できるため、自分好みにカスタマイズすることができます。

ロジクール MX ERGOアドバンス ワイヤレス トラックボール

エレコム(Elecom)ワイヤレストラックボール 6ボタン M-XT3DRBK

エレコムのM-XT3DRBKは、手のひらに吸い付くようなフィット感のあるトラックボールマウスです。人間設計工学に基づいてデザインされています。

エレコム ワイヤレストラックボール

トラックボールタイプのCAD用マウスお勧め3選

トラックボールタイプのCAD用マウスを三つご紹介します。

ロジクール(Logicool)ERGO M575S

ロジクールのM575Sは、疲れにくいトラックボールタイプのマウスです。最大2,000dpiの優れたトラッキングセンサーが搭載されているため、細かい作業もストレスなく行えます。また、BluetoothとUSBレシーバーの両方に対応しています。

ロジクール ERGO M575Sワイヤレス トラックボール

ロジクール(Logicool)MX ERGO アドバンスワイヤレストラックボール MXTB1s

MX Ergoは、手と手首の動きを軽減することができるエルゴノミックトラックボールマウスです。人間設計工学に基づいてデザインされています。マウスの傾斜角度を0〜20度の間で調整できるため、自分好みにカスタマイズすることができます。

ロジクール MX ERGOアドバンス ワイヤレス トラックボール

エレコム(Elecom)ワイヤレストラックボール M-HT1DRBK

エレコムのM-HT1DRBKは、人差し指・中指で操作できるトラックボールマウスです。ボールの直径が52mmと大型なので、カーソルを広範囲に動かせます。また、ボタンが八つあるのでカスタマイズ性も高いマウスです。ボタン速度変更スイッチも搭載されているので、作業に合わせて調節可能です。

エレコム ワイヤレストラックボール

3DマウスタイプのCAD用マウスお勧め4選

3DマウスタイプのCAD用マウスをご紹介します。

3D connexion SpaceMouse Wireless SMW2 3DX-700066

3D connexion SpaceMouse Wireless SMW2 3DX-700066は、自宅でも職場でも使いやすい3Dマウスです。BluetoothとUSBレシーバーの両方に対応しています。「6自由度センサー」を搭載しているので、コントローラーキャップを動かすだけで3D図面を回転させることができます。

3Dconnexion SpaceMouse Wireless

3D connexion SpaceMouse Compact 3DX-700059

3D connexion SpaceMouse Compact 3DX-700059は、77×77×54mmとコンパクトな3Dマウスです。作業環境が広くない場合にも、ストレスなく作業できます。アプリのコマンドを4〜8個までショートカットメニューとして設定できるので、業務効率化も期待できます。

3Dconnexion SpaceMouse Compact

3D connexion SpaceMouse Pro 3DX-700040

3D connexion SpaceMouse Pro 3DX-700040は、Control・Shift・Alt・Escキーが本体左側に配置された3Dマウスです。キーボードを使わなくても操作できるので、作業するときにできるだけ手の位置を動かしたくない人にお勧めです。ソフトコーティングされたハンドレストとなっているので、手が疲れにくいにも嬉しいポイントです。

3Dconnexion SpaceMouse Pro

ブレインマジック(BRAIN MAGIC)Orbital2

ブレインマジック(BRAIN MAGIC)Orbital2は、ジョイスティックを搭載している3Dマウスです。押す・回す・倒すの三つの動作を組み合わせて利用できます。最大10個までショートカットキーをローテーションで呼び出せる「キーローテーション」機能があるのも嬉しいポイントです。右利き・左利き問わず利用できるので、人を選ばずに利用できます。

BRAIN MAGIC Orbital2

CAD用マウスの選び方まとめ

CAD作業の効率を上げるためには、マウスの選び方が重要であることについて解説しました。
選ぶ際のポイントは、手に合った形状・サイズである、DPI調整可能である、オプションボタンなどの多機能マウスである、などです。自分に合った使いやすいものを選ぶようにしましょう。