パソコン作業で疲れないために覚えておきたい対策ポイント4選

2020年10月21日

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PC作業による目の疲れや肩こりなどの症状に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。症状の悪化は仕事の作業効率を低下させるだけでなく、心身に影響を及ぼす恐れもあるため、早急な対策が必要です。この記事ではPC作業で起こりがちな症状と原因、手軽にできる対策について紹介しています。症状に合う対策を見つけ、デスクワークを快適なものにしましょう。

PC作業で疲れやすい目・肩・腰・首。その原因とは?

PC作業で疲れやすい主な部位は「目」「肩」「腰」「首」です。これらの部位はなぜ疲れやすいのか、その原因と症状について解説します。

目の疲れの主な原因と症状は?

私たちの目は近い距離でものを見続けると、目の周囲にある筋肉が緊張し疲れを感じます。PC作業中はモニターを凝視するため筋肉の緊張が続き、目の疲れ、目がショボショボする、目の奥が痛む、目の奥が熱いといった眼精疲労の症状を感じるようになるのです。

また、涙が出にくくなるドライアイの症状が出る人もいます。これは、モニターの凝視によって涙の分泌を促すまばたきの回数が減り、目の表面が乾燥するからです。涙には目を保護する役割がありますが、分泌量の減少で目の表面が傷つきやすくなってしまいます。

さらに、PCを見つめ続ける人の中には、イライラ、不安、倦怠感、手足のしびれといった心身面での症状が現れるVDT症候群を引き起こすケースもあります。VDT症候群については、後ほど解説しているので参考にしてください。

肩、首、腰の疲れは血行不良

座ってPC作業をしているときは、目だけでなく肩や背中、太ももなどの筋肉を使っています。同じ姿勢を長時間キープすると過剰な緊張状態が続くため、筋肉が固まって代謝が悪くなったり血行不良になったりします。この影響によって筋肉疲労、コリ、ハリを感じるのです。

また、うつむき、猫背、左右のどちらかに傾く姿勢を続けると、圧迫された部分が血流不足となり、疲れやコリを招いてしまいます。

疲れないための対策ポイント4選

健康を維持し長く集中して作業するために覚えておきたいポイントをご紹介します。作業効率を下げずに、快適なデスクワークを過ごすために実践してみましょう。

モニターの距離と明るさを最適化する

首の角度や目の疲れはモニターの距離と明るさが影響しています。ここでは、最適な距離感や疲れにくい明るさの設定について解説します。

モニターの角度や距離を見直す

近すぎるモニターは目の疲れを増長するため、モニターとの距離は40センチ以上にしましょう。モニター、キーボードから目までを同じ距離に保ち、無理のない視野範囲を確保してください。

視線はモニターの正面、またはモニターの上辺より数センチ下向きの位置、もしくは鼻がモニターの中央になるように高さを調節します。モニターを見上げるような首の角度は、眼球の乾きを誘発しドライアイの原因になるため注意してください。

モニターの角度と高さが変更できない場合は、椅子や机などを調整します。無理な場合は、調整可能なPCの購入も検討しましょう。

モニターの明るさを調整する

目は瞳孔を収縮することで周囲の明るさに順応しています。モニターと周囲の明暗に落差があると、目の調整機能に負担がかかってしまいます。一般的にPCを使用する室内の明るさは、新聞が無理なく読める程度の300~500ルクス(照度)です。

モニターの輝度(明るさ)は、100~150カンデラ/平方メートル程度に調整するのが望ましいとされています。周囲とモニターの明るさにできるだけ落差が出ないように注意しましょう。

簡単にできる明るさの調整方法を紹介します。作業する室内で見た用紙とモニターの明るさが近づくように調整してみましょう。適切な輝度を保つことで目の負担が軽減され、疲れ予防対策になります。

また、モニターに反射する光は、ストレスや疲労感を増加させる要因です。そこで、カーテン・ブラインドを使用したり、モニターに光が反射しないような場所にPCの使用場所を変えたりしてみましょう。モニターの光沢を軽減できるフィルターを後付けする方法も有効です。

ブルーライト対策をする

PCからはブルーライトと呼ばれる光(紫から青色)が出ています。本来、ブルーライトは太陽光にも含まれており、体内時計をリセットしたり気分を高揚させたりする働きがあります。網膜から入ったブルーライトは脳に時間の判断を狂わせるため、夜遅くのPC作業は睡眠障害を起こす恐れがあるのです。ブルーライト対策には以下の三つの方法があります。いずれも手軽にできる対策ですから試してみましょう。

  1. 液晶表面にブルーライトカットフィルムを貼る
  2. ブルーライトカットメガネを使用する
  3. 事務作業時はディスプレイ側の色温度を下げる。青から黄色に変えることで、ブルーライトの量を軽減できる

休憩と運動を作業サイクルに組み込む

長時間のPC作業によってVDT症候群を引き起こす恐れがあることは上記で述べました。そこで、VDT症候群の具体的な症状のほかに、軽減・予防対策について解説します。

VDT症候群

VDTとは(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)の略で、別名をIT眼症、またはテクノストレス眼症などと呼ばれています。これは、モニターの凝視による眼精疲労やドライアイ、同じ姿勢をキープすることによる痛み、コリの悪化が原因です。具体的な症状としては、体の各部位の激痛・しびれ、頭痛、睡眠障害、抑うつなどがあります。

VDT症候群の軽減、予防対策

VDT症候群には、適度な休憩とストレッチなどの運動が有効です。これを作業サイクルに組み込むことでVDT症候群の軽減、予防が可能になります。作業中に適度な休憩を挟むことが大切です。

作業が連続するPC作業の場合は、1時間に10~15分程度の休憩を挟むのが理想です。休憩中は目を閉じる、モニターから目を離し窓の外を見る、その場で足踏みをする、立ち上がって歩くなどの行動をしてください。また、水分補給を兼ねて、お茶やコーヒーを取りにいくなど体を動かすようにしましょう。

筋肉をほぐすためのストレッチも行うとさらに効果的です。長時間のキーボードやマウスの操作は手指の筋肉を疲労させるため、手のひらを開いたり握ったりを繰り返して、緊張状態からリラックスさせます。首を曲げる、肩を軽く回すなどのストレッチをしてみましょう。
目の疲れを軽減するストレッチは休憩時間に1分程度行います。まぶたを閉じて眼球を左右や上下に動かしたり、ぐるぐる回したりして筋肉の緊張を和らげてあげましょう。

ただし、ストレッチする際は身体の力を抜いて、ゆるやかに、反動をつけないように注意します。反動をつけたり無理に伸ばしたりすると、急激な筋肉の収縮によってケガの恐れもあるからです。ストレッチは、無理せずに気持ち良いと感じるところで止めることが大切なポイントです。

ドライアイ対策

ドライアイはまばたきの回数を意識的に増やしたり、防腐剤の入っていない目薬を1日に数回使用したりして、目を保護するようにしましょう。作業中はエアコンの風が直接当たらないように注意し、乾燥する室内では加湿器を置くなどして、ドライアイ対策を行います。

正しい姿勢で作業を行う

PC作業の姿勢はさまざまな症状を引き起こす要因になります。そこで、疲れづらい姿勢についてお伝えしましょう。

やりがちな姿勢

PC作業時の座り方は自分にとって楽であっても、体が疲れやすい姿勢になっていることがあります。このような状態の姿勢が長期間継続すれば、目、肩、腰、首に負担がかかるため注意が必要です。自分で気付かないうちにやっている疲れやすい姿勢の例を紹介しましょう。

例えば、椅子に浅く座る習慣のある人は、モニターを見るために上体が前傾しがちです。すると股関節が圧迫されてしまい、むくみの原因になります。骨盤が後傾する猫背は肩こりや腰痛の原因になるため、症状を感じている人は姿勢を見直してみましょう。さらに、ほおづえをつく、肩ひじをついてバランスをとる、脚を組むといった姿勢は、骨盤のねじれを招き、股関節や腰椎にトラブルが起こるリスクが高まります。

疲れにくい姿勢のポイント

以下に記載したポイントに注意すれば、背筋が伸びて腰が立つため、体の各部位に負担がかからず、疲れにくい姿勢になります。

  1. 机の高さは、65~70cmのものを使用する
  2. モニターは体の正面に置き、高さや明るさを調整する
  3. キーボードは腕が曲がる位置に置く
  4. 太ももが床と平行になる、足裏が床につくように椅子の高さを調整する
  5. 腰が立つようにして、椅子に深く腰掛ける
  6. 腕はデスクや椅子のひじ掛けに置く
  7. 上述したモニターの明るさ、輝度を調整する

まとめ

PC作業で起こる目の疲れや肩、首、腰のコリや痛みは作業効率を低下させ、心身の健康を損なう場合があります。健康的で快適な環境が整えば、作業効率のアップが期待できます。本記事で紹介した対策を参考にして、普段のデスクワークを見直してみましょう。