AutoCAD「ユーザーインターフェイスをカスタマイズ」を使って自分仕様の環境に
2025年 1月28日
共通
自分仕様にカスタマイズする Vol.3
AutoCADをご使用の皆さま、またこれからAutoCADを使いたいと思っている皆さま、前回の記事ではオプションダイアログを使用して「右クリックの操作を自分仕様にカスタマイズ」する方法、またacad.pgpファイルを追記してコマンドエイリアスをカスタマイズする方法をご紹介しました。
マウスのカスタマイズについてはさらに「ユーザーインターフェイスをカスタマイズ」ダイアログを使用していただくと、より自分仕様の環境にすることが可能です。今回の記事では、右クリックで表示されるメニュー、ダブルクリックアクションでの起動コマンドなど、マウス操作に関連するカスタマイズ方法を「ユーザーインターフェイスをカスタマイズ」ダイアログを使用してご紹介します。
「ユーザーインターフェイスをカスタマイズ」ダイアログ
「ユーザーインターフェイスをカスタマイズ」ダイアログでは、ワークスペース、リボンパネル、ツールバー、メニュー、ショートカットメニュー、ダブルクリックアクション、マウス、キーボードショートカットなどのユーザーインターフェイス要素を管理し、カスタマイズすることができます。
ダイアログの起動方法
管理タブ/カスタマイズパレット/「ユーザーインターフェイス」を実行します。またはコマンドラインに直接「CUI」と入力し、Enterします。
下図のようなダイアログが開きます。「カスタマイズ」タブを使用します。
マウスに関連するカスタマイズ項目
1.ロールオーバーツールチップ
マウスを触れると表示されるオブジェクト情報をカスタマイズできます。
「ロールオーバーツールチップ」の項目をクリックします。右側の領域でオブジェクトタイプを選択します。今回は「ブロック参照」を選択します。名前と回転角度にチェックを追加します。
適用・OKでダイアログを閉じます。
ブロックにマウスを触れてみます。下図のように表示される情報が追加されます。
2.ショートカットメニュー
「右クリックで表示されるメニュー」をカスタマイズできます。
どのメニューをカスタマイズすればいいのかを最初に判断する必要があります。オブジェクトを選択していない場合、オブジェクト選択時にタイプによらず表示されるメニュー、タイプに依存するメニューなどがあります。ダイアログでメニューを展開してAutoCADの画面と比較すると分かりやすいと思います。
例えば
- 既定メニュー=オブジェクトを選択していない場合に表示されるメニュー
- 編集メニュー=オブジェクト選択時にタイプによらず表示されるメニュー
- 寸法メニュー=オブジェクト選択時にタイプに依存し表示されるメニュー
また、編集メニュー+寸法メニューのように組み合わせて表示されるものもあります。
「編集メニュー」に「鏡像(MIRROR)」コマンドを追加してみます。コマンド一覧で「鏡像」を検索します。
「編集メニュー」の「複写」の下にドラッグ&ドロップします。
適用・OKでダイアログを閉じます。
線分・寸法などのオブジェクトを選択し、右クリックでメニューを表示してみます。下図のように「鏡像(MIRROR)」が追加されているのが確認できます。
3.キーボードショートカット/ショートカットキー
マウス操作ではなく、キーボード操作に関する項目になります。ここではカスタマイズをするというより、割り当てられたショートカットキーを確認することができます。例えば、「オブジェクトプロパティ管理」はパレットの表示・非表示が「CTRL+1」で実行できるのが分かります。
4.ダブルクリックアクション
ダブルクリックで実行されるコマンドをオブジェクトごとにカスタマイズできます。
「ブロック」をダブルクリックすると既定値では「ブロックエディター(BEDIT)」が実行され、「ハッチング」をダブルクリックすると、既定値では「クイックプロパティ(QUICKPROPERTIES)」が実行されます。今回は下図のように変更してみます。
- 「ブロック」をダブルクリック→「インプレイス参照編集(REFEDIT)」
- 「ハッチング」をダブルクリック→「ハッチング編集(HATCHEDIT)」
ブロックをクリックします。「ブロックエディター(BEDIT)」が割り当てられているのが分かります。
コマンド一覧で「インプレイス参照編集」を検索します。
ドラッグ&ドロップでコマンドを置き換えます。
ハッチングをクリックします。「クイックプロパティ(QUICKPROPERTIES)」が割り当てられているのが分かります。
コマンド一覧で「ハッチング編集」を検索します。
ドラッグ&ドロップでコマンドを置き換えます。
適用・OKでダイアログを閉じます。
ブロック・ハッチングをダブルクリックし、動作を確認します。それぞれ下図のようにコマンドが実行されます。
いかがですか? 皆さま、「ユーザーインターフェイスをカスタマイズ」ダイアログを使用して、マウス操作のカスタマイズ・ショートカットキーの確認方法をご理解いただけたでしょうか?
次回は、「ユーザーインターフェイスをカスタマイズ」ダイアログを使用して、ワークスペースのカスタマイズの方法についてご案内します。