AutoCADで集計した結果を確認するだけの方法
2025年 3月 3日
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AutoCADで集計する Vol.1
AutoCADをご使用の皆さま、またこれからAutoCADを使いたいと思っている皆さま、今回の記事では、AutoCADで集計する方法を幾つかご紹介ます。
一口に「集計する」といっても、集計したいオブジェクトタイプはさまざまです。また、集計した結果を確認するだけなのか、表として結果をCADに残したいか、集計の結果が更新されたら表とリンクをさせたいかなどやりたいこともそれぞれです。目的に合わせた集計テクニックをご紹介できたらと思います。
集計ではなく「計測する」についてお探しの方は、次のリンクを参考にしてください。
オブジェクトプロパティ管理
AutoCADを既にお使いのユーザー様は「オブジェクトプロパティ管理」を頻繁にご使用いただいていることでしょう。最近ではパレット類が増えたこともあり、「プロパティパレット」という名称で呼ばれています。選択したオブジェクトのプロパティを変更するツールとしてよくご使用いただいていると思います。今回は集計のツールとしてご紹介します。
オブジェクトプロパティ管理の使用
1.表示タブ/パレット/オブジェクトプロパティ管理
2.集計したい範囲を窓で選択します。
3.選択された全てのタイプのオブジェクトの集計が表示されます。
4.リストを展開するとオブジェクトのタイプ別の集計が表示されます。
5.オブジェクトタイプを「文字」にすると173個の文字のプロパティが一覧に表示されます。
クイック選択(QSELECT)の使用
オブジェクトプロパティ管理の右上の「クイック選択」のアイコンを使用します。ユーザーが集計をするための条件を定義し、集計することができます。また、集計範囲の指定、条件の追加を結果に反映することが可能です。
1.「クイック選択(QSELECT)」を実行します。下図のアイコンまたは直接コマンドラインに「QSELECT」と入力し、Enterでも実行できます。
2.まず指定した範囲に円が全部で幾つあるか集計してみます。
3.OKでダイアログを閉じます。集計結果がオブジェクトプロパティ管理に表示されます。
4.次に現在の集計結果を画層「001」で作成された円に限定してみます。再度「クイック選択(QSELECT)」を実行します。
5.OKでダイアログを閉じます。集計結果がオブジェクトプロパティ管理に表示されます。また画層が「001」のみになっていることも確認できます。
6.次に現在の検索結果から半径が「4」の円を除いた集計結果を出してみましょう。再度「クイック選択(QSELECT)」を実行します。
7.OKでダイアログを閉じます。集計結果がオブジェクトプロパティ管理に表示されます。
8.文字列を含むオブジェクトには演算子に「ワイルドカード」を使用することもできます。下図のような文字の中から「()(カッコ)」付きの文字を集計してみます。「クイック選択(QSELECT)」を実行します。
9.
10.OKでダイアログを閉じます。集計結果がオブジェクトプロパティ管理に表示されます。
類似オブジェクトを選択(SELECTSIMILAR)を使用する
クイック選択に似ていますが、詳細な条件設定はできません。集計という観点でいうと同じ名前のブロックをざっくり集計するのにはよいツールです。下図より椅子の形をしたブロックを集計したいと思います。
1.集計したいブロックを選択し、右クリックのメニューより「類似オブジェクトを選択(SELECTSIMILAR)」を実行します。
2.集計結果がオブジェクトプロパティ管理に表示されます。
- * 何を「類似」とみなすかは、設定ダイアログで指定できます。ダイアログは直接コマンドラインに「SELECTSIMILAR」入力し、Enterするとオプション「設定(SE)」で表示することができます。
文字検索(FIND)
文字・寸法値・属性値の内容で集計したい場合は「文字検索(FIND)」を使ってみるのもいいかもしれません。文字列について細かな条件指定やワイルドカードの使用ができます。AutoCAD以外でも皆さまになじみのあるツールなので分かりやすいというのもメリットです。
ただし、画層や文字高さ、ブロック名などでは集計できません。必要に応じて前後で「クイック選択(QSELECT)」を使用するとよいでしょう。下図より「-A」を含む文字列を集計したいと思います。
1.コマンドラインに直接「FIND」と入力し、Enterします。
2.検索する文字列に「-A」と入力し、「検索」を実行します。以下のように検索の結果が表示されます。
3.「選択セットを作成(すべて)」を押すと集計結果をオブジェクトプロパティ管理に表示できます。
- * リストから選択した文字列のみを集計したい場合は「選択セットを作成(ハイライト)」を実行します。
いかがですか? 皆さま、まずはなじみのあるコマンドを使用し、集計作業に活用してみてはいかがでしょうか? 次回は「集計結果を表として作成する方法(1)」についてご案内します。