AutoCADの計測ツール

2024年 8月19日

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AutoCADで計測するには? Vol.1

AutoCADをご使用の皆さん、AutoCADはいろいろな業界のユーザーにご使用いただいています。作図する内容は業界それぞれであっても、必ず何かを計測する作業が生じるかと思います。今回の記事では、用途に合わせて効率の良い計測方法をお伝えします。

さまざまな計測ツール

AutoCADには、さまざまな計測ツールが用意されています。今回はどんな計測ツールがあるかをまずご紹介したいと思います。

ダイナミック入力

ダイナミック入力をONにするとオブジェクト単位で長さ・半径・角度などを一度に目視で確認することができます。グリップにマウスを触れる操作になります。

長さと角度

  • 半径

  • 半径と角度

LISTコマンド

オブジェクト単位で、選択したオブジェクトの情報をテキストデータとして書き出します。コマンドラインに直接「LIST」と入力しEnter、その後オブジェクトを選択します。取得した情報はコマンドウィンドウに履歴として残ります。

円の場合

ポリラインの場合

プロパティパレット

プロパティパレットは皆さんよくご使用になるツールですね。パレット内に選択したオブジェクトの所有するさまざまなプロパティを表示します。その一部には計測に関わるプロパティ項目「ジオメトリ」があります。

パレットが表示されていない場合は以下の手順で表示します。表示タブ/パレットパネル/オブジェクトプロパティ管理を実行、またはオブジェクトを選択し、右クリックのメニューから実行します。

円の場合

ポリラインの場合

各種計測コマンド

ホームタブ/ユーティリティパネル/計測の▼ボタンの中にあるコマンドです。一番上の「計測(MEASUREGEOM)」コマンドは既定値で「クイック」が設定されています。▼ボタンの下の個別コマンドを使用すると一番上のコマンドが置き換わる動きになっています。

1.クイック
マウスで触れた付近の計測を自動で実行し、表示します。目視確認のみとなり履歴は残りません。ざっくりした確認を一度にするのに適しています。

2.距離
マウスで選択した2点間の直線距離を計測します。画面上で計測結果を確認することもできますし、取得した値はコマンドウィンドウに履歴として残ります。

2点目を選択する時にオプションの“複数点”を選択し、長さの合計を取得できます。

3.半径
マウスで選択した円弧・円の半径・直径を計測します。画面上で計測結果を確認することもできますし、取得した値はコマンドウィンドウに履歴として残ります。

4.角度
マウスで選択した二つのオブジェクト間の角度を計測します。画面上で計測結果を確認することもできますし、取得した値はコマンドウィンドウに履歴として残ります。

5.面積
マウスで選択したエリア、オブジェクト単位で面積を計測できます。画面上で計測結果を確認することもできますし、取得した値はコマンドウィンドウに履歴として残ります。

マウスで点を選択

オブジェクト単位で加算と減算

6.体積
マウスで選択した3Dエリア、3Dオブジェクト単位で体積を計測できます。画面上で計測結果を確認することもできますし、取得した値はコマンドウィンドウに履歴として残ります。面積の計測と同様、加算・減算ができます。

  • * 体積の測定については次の「MASSPROP」コマンドをお薦めします。

MASSPROPコマンド

選択したリージョン、3Dオブジェクト単位で体積・表面積・図心などを計測できます。計測結果はコマンドウィンドウに履歴として表示され、外部ファイルに書き出せます。AutoCADでは、3Dソリッドに密度を付与できません。正確な質量を計測する場合は密度を掛け算する必要があります。

コマンドラインに直接「MASSPROP」と入力しEnterを押します。計測する3Dオブジェクトを選択します。

IDコマンド

選択したポイントの座標を計測できます。画面上で計測結果を確認することもできますし、取得した値はコマンドウィンドウに履歴として残ります。

コマンドラインに直接「ID」と入力しEnterを押します。計測するポイントをオブジェクトスナップを使用して選択します。

計測ツールの精度について

計測結果で使用する精度は必要に応じて変更する必要があります。コマンドラインに直接「UNITS」と入力し、Enterを押します。単位管理のダイアログで設定可能です。「長さ」と「角度」それぞれ設定します。この設定はファイルごとの設定となります。

いかがですか? 皆さんAutoCADにはどんな計測ツールがあるかご確認いただけたでしょうか。基本の計測ツールをご理解いただいたうえ、より効率の良い各シーンに合わせた計測方法を次回の記事以降でご紹介したいと思います。

次回は、長さに関する計測方法についてご案内したいと思います。

AutoCAD ポリラインで計測する