HPワークステーション担当者に聞く! おすすめデスクトップワークステーション

エントリークラスからハイエンドまで幅広いラインアップを展開

高度化するテクノロジーと比例するように、それらを実際に演算処理するコンピューターに対する要件も高まっている。CAD関連ソフトウェアは高機能になると同時に複雑な処理が簡単にでき、大きなデータを扱うため、より高性能なコンピューターが求められているのだ。

そこで注目されているのがワークステーションだ。特にHPのワークステーションラインアップはエントリークラスからハイエンドまで幅広く、あらゆるニーズに応えられる製品群を持っている。今回は、豊富なラインアップからどのように製品を選べばよいか、HPの担当者に語ってもらった。

あらゆるニーズに合わせて選べる豊富なラインアップ

藤田
HPのワークステーションのデスクトップシリーズには、非常に多くの製品がありますが、まずはラインアップを教えていただけますでしょうか。

新井
HPでは用途に合わせて、デスクトップだけでも筐体(きょうたい)サイズの違う10モデルをご用意し、幅広いラインアップになっています。

新しく加わったGeForceが搭載可能なZ1 G9

豊富な筐体サイズを選べるZ2 G9シリーズ(写真はTower)

ラックモデルとミドルタワーがラインアップしているZ4 G5

ハイスペック構成がコンパクトな筐体に搭載可能なZ6 G5

フラッグシップのZ8 G5シリーズ

 

藤田
デザインバリエーションで目を引くのはZ2 G9ですかね。こちらはどのような特長がありますか?

新井
Z2シリーズに関しては、お客様のニーズに合わせて使用したいグラフィックスボードの種類や、筐体のサイズをお選びいただけます。モニターの背面に搭載することもできるMini PCサイズのZ2 Mini G9、デスクサイドやモニターの下に配置したいなら、省スペース筐体のZ2 SFF G9、フルサイズのグラフィックスを含めて、拡張性を持たせたい場合はタワー型のZ2 Tower G9がおすすめです。

Z2シリーズは非常にコストパフォーマンスがよく、インテルCore i5、i7、i9プロセッサーを搭載でき、高クロックが有効なシングルスレッドの3D CADアプリケーションからマルチスレッドが有効な解析アプリケーションまで幅広く対応できます。

また、選択できるグラフィックスですが、Z2 TowerではエントリーのNVIDIA T400からハイエンドのNVIDIA RTX 5000 Adaまで幅広く選択可能です。複雑で部品点数の多い3D CADで設計される方などにも、用途に合わせてご選択いただけます。

藤田
なるほど、グラフィックスやデザインニーズに合わせて考えると選びやすくなりますね。Z4より上のZ6、Z8といったモデルはどのようなポジションになるのでしょう?

新井
Z4から上のZ6、Z8などは少し大きめな筐体になってきますので、複数枚のグラフィックスボードを入れたいとか、CPUのコア数をもっと増やしたい、あるいは2CPU搭載にしたいなどのニーズにもお応えできます。大容量メモリーの搭載も可能となりますので、こういったスペックが必要な解析系のアプリケーションですとか、ビジュアライゼーション、さらには点群データなどのような“重い”処理を行う用途にも適したモデルといえます。

先ほどのZ2が高クロックへのニーズに対応しやすいのと比較し、こちらはインテルXeonプロセッサーを搭載していますので、マルチコア、マルチスレッドのタスクに向いているといえます。

藤田
最近では3D CADなどもそうですが、グラフィックスボードのスペックを要求するアプリケーションが増えているような印象です。そういう現状を考えますとグラフィックスボードをどう使うかによって、筐体サイズからも選んでいけるというのはいいですよね。

新井
おっしゃるとおりだと思います。本当に業務内容によって、CPUのリソースが必要なのか、GPUのパワーが必要なのか、大容量メモリーが必要なのか、あるいは全部必要なのかというところが変わってきます。そこに全て対応できるような形、というのがHPワークステーションのデスクトップモデルのポートフォリオになっています。

HPワークステーションが活躍する場面

藤田
HPのワークステーションの具体的な用途や向いている職種などがあれば教えてください。

新井
例えばZ2でいえば、SOLIDWORKSやInventor、Auto CADなどをお使いで、2D、3Dで設計をされている職種の方におすすめです。このようなアプリケーションは8~10コアもあれば十分なケースが多いですので、それ以上のコアがあっても使いきれないこともあると思います。それよりも高いクロック数であることの方がメリットである場合もあります。

一方で、BIM/CIMへ移行を考えているお客様、設計データと点群データをミックスして、さらに高度に活用していかれることを想定しているお客様には、Z4、Z6、Z8など、CPUのコア数とスレッド数やGPUが威力を発揮するモデルが有利です。

藤田
確かに建設系のお客様はBIM/CIMを活用し、リアルタイムレンダリングで処理をするといった方もいらっしゃいますから、Z6、Z8などがあればかなり快適ですね。

新井
BIM/CIMでは、3次元設計データと点群データの融合などもお考えになる方も多く、CPUのコア数が多いほど実力を発揮できます。そのクラスであれば、先ほども触れましたが、サーバー用のインテルXeonプロセッサーが搭載できますので、使い勝手はよいはずです。

また、サーバーで特にニーズが高まっているAMDのAMD Ryzen Threadripper Proプロセッサーが選択できるモデルも出ています。まさにプロフェッショナルが使うサーバーと同じものがワークステーションで扱えますので、コストパフォーマンスの面でもかなり有利だと思います。

藤田
それは魅力的ですね。どのようなモデルなのですか?

新井
Z6 G5 Aというモデルになります。最大96コアのAMD Ryzen Threadripper Pro 7000WXシリーズ・プロセッサーを搭載でき、メモリーも1TBまで増設できます。さらにこのモデルでは、グラフィックスにNVIDIA RTX 6000Adaが最大3基搭載可能です。このモデルが加わったことで、HPのワークステーションラインアップは大幅に強化できたと考えています。

AMD Ryzen Threadripper Proプロセッサーは豊富なコア数も魅力ですが、最大5.3GHzという高周波数で動作する点でも有利です。コア数が多く、動作周波数も高いですので、点群データ処理でも非常に速く処理できます。レンダリングから製造業、建設業関係でビジュアライゼーションや構造解析など、広い対象へ向けて活躍できると思います。

例えば点群データの処理で、時間がかかりすぎるというお客様に、このモデルをご提案いただきますと、お悩みだった部分が解決できると思います。今回は「大塚商会モデル」という即納モデルもご用意していますので、たくさんの方にZ6 G5 Aの魅力を知っていただきたいですね。

HPならではの魅力とは?

藤田
ワークステーションは、さまざまなメーカーから発売されていますが、HPならではという強みや優位性はどのようなところにありますか?

新井
HPのワークステーションで特に評価が高いのは品質と信頼性が高い部分です。日本のお客様に対して、東京生産という形でご好評いただいていますが、もちろんMIL規格(ミリタリースペック)をクリアしています。仕事で高負荷をかけても問題なく、長期間の運用でも安心していただけます。

また、筐体に関してはツールレスでパーツの増設やメンテナンスが簡単にできるようになっています。内部構造も冷却性と静音性を高めるデザインになっていますので、熱によるトラブルが少ないという利点もあります。こうした部分で、マシンについて意識せずに、業務に集中できるという点で、皆様に信頼いただいているのだと思います。

藤田
セキュリティに関してもかなり強力ですよね。

新井
「HP Wolf Security」というエンドポイントを保護する統合型のシステムを採用しています。セキュリティチップをマザーボード上に持っていますから、UEFIレベルに対する攻撃があっても検知し、必要であれば自動復旧することもできます。OSが起動する前の状態を狙う脅威も増えていますから、こういった機能は今後特に必要になってくると思います。

また、ワークステーションはプロフェッショナル用途のソフトウェアでお使いいただくことが多いですのでISV認証があると安心です。HPのワークステーションは、先ほど触れたSOLIDWORKSやInventorなど、ソフトウェアベンダーと強調して、さまざまな業務用アプリケーションを、最適なグラフィックス、ドライバーバージョン構成下で検証済みとなっており、運用においても安心していただけるのもHPワークステーションの特長だと思います。

ISVパートナー(使用ソフト)別に推奨製品を探す(日本HP)

藤田
他に特筆すべきソリューションはありますか?

新井
HPワークステーションには、「HP Performance Advisor」というツールが用意されています。これを使いますと、現在どのようなコンフィギュレーションになっているのか、今使っているアプリケーション環境下でCPU、GPU、メモリーなどのどこに負荷がかかり、ボトルネックはどこにあるのかなどモニターしたり、グラフ化したりすることもできます。このツールを使いますと、先ほど触れたISV認証の環境確認やドライバーのダウンロードなどもできますので、お使いのソフトウェアと合わせて快適にお使いいただくために、ぜひご活用いただきたいですね。

また、サポートですが、HPワークステーションの場合は標準保証でも購入から土日を含んだ3年間のオンサイト修理対応を標準対応としています。また、万が一のトラブルでご連絡いただいた際にも、コールセンターでの対応ではなく、エンジニアが電話をお受けしていますので、非常にスムーズに対応することが可能です。もちろん、HP Care Packを利用いただければ、保証期間は5年まで延長できますので、長期運用の方も安心してご使用いただけます。

そして、現在、あらゆる業種で増えているハイブリッドワークに向けて、HPワークステーションのリモートアクセスソリューション「HP Anyware」のご利用も増えています。ホスト側の端末にリモートから接続し、高速に忠実に画面を転送するソリューションです。データ自体は転送しないため、外出先でもCADなどの複雑なイメージもスムーズにお手持ちのPCなどからワークステーションを使用できます。データはホスト側のワークステーションから転送しませんので、セキュリティの観点からも安全にご使用いただけます。働き方改革を進めている企業の皆様にぜひご活用いただきたいですね。

藤田
いろいろな魅力とサポートが充実しているのがHPワークステーションだということがよく分かりました。最後にHPワークステーションに興味を持ったいらっしゃる方々に一言お願いします。

新井
テクノロジーは常に進化しており、最近ではAIや生成AIなどのAIテクノロジーを活用するアプリケーションも増えていると思います。生成AIはクラウド使用が多いですが、全ての処理をクラウドでするわけではなく、ローカルのコンピューターリソースを組み合わせてご使用いただく環境が今後必要になってきます。そういった面でもワークステーションなら、ローカルで行うAI処理に対して快適に処理できます。

また、Microsoftが Windows 11で実装したCopilotですが、ノートPCの分野では、専用の呼び出しキーをキーボードに配置することになります。ワークステーションも今後は、モバイルワークステーションから対応していきます。生成AIは、これからもっと盛り上がってきますので、今後のトレンドに対しても対応できるのがワークステーションだと考えます。プロフェッショナル業務をより快適にするだけでなく、生成AIを使ったアプリケーションや、Copilotやオフィスアプリなどを使用しながら、業務効率化や生産性向上を進めていただけるのも魅力だと思います。ワークステーションに興味を持っていただいた方は、ぜひこの機会に大塚商会様にご相談いただければと思います。

藤田
ありがとうございました。

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