Autodesk Inventorが重くて困っています
2018年 5月25日
製造業
- Autodesk Inventorの起動が遅い。
- 保存に時間がかかり、「ドキュメントの保存中に問題が発生しました」と出ると切なくなる…。
Autodesk Inventor(以下、Inventor)の動作が重いと感じることはあるかと思います。そこで、Inventorでの設計操作は、ワークステーションのどの部分にどのくらいの負荷がかかっているのかを操作別に集計しました。ワークステーションの選定時に、ぜひこのレポートをご利用ください。
検証したワークステーション
今回の検証には、バリエーションの異なる3台のワークステーションを使用しました。
マシン1 HP Z4 G4 Workstation | マシン2 HP Z4 G4 Workstation | マシン3 HP Z2 Mini G3 Workstation | |
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CPU | Intel Xeon W-2155 3.30GHz 10コア | Intel Xeon W-2133 3.60GHz 4コア | Intel Xeon E3-1225v5 3.30GHz 4コア |
メモリー | 32GB | 32GB | 16GB |
グラフィックス | NVIDIA Quadro P4000 | NVIDIA Quadro P4000 | NVIDIA Quadro M620 |
記憶装置 | SATA HDD | SATA HDD | SATA SSD + SATA HDD |
Inventorの起動
マシン1が若干起動が速い結果となった。SSDを搭載しているマシン3よりもSATA HDD搭載のマシン1が速い点とマシン2との違いがCPUのコア数ということを考えると、CPUのコア数がInventorの起動に影響していると考えられる。
Inventor ファイルを開く
この処理は、CPUのコア数とディスクI/Oに負荷がかかっている。HDDを搭載しているマシンよりも、SSDを搭載しているマシン3が1番速い結果となった。CPUのコア数が多いマシン1がマシン2よりも処理が速い。メモリーの違いによる差はあまりなかった。
Inventor 干渉チェック
干渉チェックの処理は、CPUのコア数とディスクI/Oに負荷がかかっていると考えられる。CPUのコア数が多いマシン1とSSDを搭載しているマシン3はほぼ同じ処理速度となった。
Inventor Studioによるレンダリング
レンダリング処理はCPUのコア数とグラフィックスに負荷がかかっている。同じZ4 G4でもCPUのコア数が多いマシン1が圧倒的に速い結果となった。
図面に3面図と等角投影図を配置
この処理はディスクI/Oに負荷がかかっている。SSDを搭載しているマシン3が若干だが、速い結果となった。
表示方向の変更(マクロを使い、10回転させる)
この処理はグラフィックスに負荷がかかると考えられるが、ミドルクラスのP4000でもエントリクラスのM620でもほとんど差を見ることはできなかった。
Inventor 動作検証レポートまとめ
CPU
レンダリングがメインでなければ、4コアでよりクロックの高いモデルがよい。
メモリー
扱うデータの規模にもよるが、16~32GBほどあれば充分といえる。
グラフィックス
ハイエンドモデルを選択してもそれほど大きな恩恵はなさそうだ。ミッドレンジクラスのQuadroまでで充分と言える。
ディスク
起動、処理などディスクI/Oに負荷がかかることから、SSDを搭載すると全体的にパフォーマンスが向上する。