3D CADの干渉チェックを徹底解説! 設計者や他部門に及ぼす影響とは
2019年 7月 5日
製造業
干渉チェックは、設計者にとって非常に重要な確認業務の一つです。干渉チェックをおろそかにしてしまうと、後の作業工程で不具合や手戻りが増えてしまいます。
しかしながら、2D CADを使用している場合、試作品を作成し組み立てたときに干渉が発覚することも多いのではないでしょうか。3D CADを利用すれば、試作前に画面上で干渉チェックができるので非常に便利です。また製品の組立干渉だけでなく、可動域を含めた干渉チェックも行うことができます。
そこで、今回は3D CADのメリットとデメリット、干渉チェックにもお薦めの3D CADソフトについて解説します。
2D CADは干渉チェックができない
2D CADの平面図や断面図だけでは干渉チェックは行えません。2D CADの場合、干渉チェックは設計者の頭の中でイメージすることになります。そのため、図面を元に試作品を作成して初めて干渉が分かることも少なくありません。
結果、設計ミスが発覚するのが試作品の作成段階になり、手戻りや設計変更が多くなってしまい、開発がスムーズに進まないという事例が多く見受けられます。
3D CADで行える干渉チェックとは
3D CADを用いると、試作前に画面上で組み立てて干渉チェックをすることができます。また、動作した際の干渉チェックもできるため、設計者のイメージ頼りの干渉チェックよりもミスを減らすことができます。
ただし、干渉チェック機能には設計者目線でのメリットとデメリットがあるのも事実です。また、設計者以外の他部門から見たメリットも存在するので、これらについて詳しく見ていきましょう。
設計者が干渉チェックを行うメリット・デメリット
設計者目線でのメリットとデメリットは以下の項目になります。
メリット
設計時間の短縮 | 干渉チェック機能を使用しながら設計をすると、ミスの少ない3Dモデルを作成することができます。時間に余裕ができるので、ほかの設計業務に注力することもできるようになります。 |
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設計不良の削減 | 画面上で干渉している部位が事前に分かるので、設計不良を減らすことができます。結果、現場での手戻りが少なくなるでしょう。 |
デメリット
操作方法を習得するまでに 一時的に工数が増加 | 干渉チェックを行うためには当然3D CADでのモデリング技術を習得する必要があります。そのため、技術の習得までに工数が一時的に増加するので、設計者の負担が大きくなることは否めません。使用するCADソフトによって難しさは異なるので、導入前に十分に検討する必要があります。 |
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他部門に及ぼすメリット
では、他部門に及ぼすメリットにはどのようなものが挙げられるでしょうか。
工数の削減につながる | 3D CADの干渉チェック機能を活用することにより、現場へ流れてくる図面の不具合が少なくなります。つまり、手戻りが少なくなり、製造部門などで問題が発覚し対応に追われるといったケースが減少すると考えられるのです。 |
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経費削減につながる | 3D CADの画面上で干渉チェックを行うと試作品を作る数も少なくすることができ、製作費を削減できます。 |
干渉チェックならAutodesk Inventor
干渉チェックを行うならAutodesk Inventorの機能がお薦めです。この項目では、Autodesk Inventorの有益な機能についてご紹介します。
ねじも考慮に入れた自動干渉チェック
Autodesk Inventorの「干渉解析」機能では、3Dモデルを組み立てた際に衝突してしまう部分を自動的に洗い出し、どのように・どれくらい干渉しているかを可視化してくれます。そのため、試作前の設計変更が簡単にできます。また、ねじコンポーネント同士であれば、位置合わせ、呼び径(けい)・ピッチの一致、右ねじ・左ねじ、ねじ長さ、最小差し込み代を満たすか、といったチェックを全て自動で行ってくれます。
干渉を無視できる機能
Autodesk Inventorは、指定した部分・範囲内の干渉を無視できる機能があります。
これにより、検討対象外の干渉部位(サブアセンブリ等)をスルーして設計することができます。
ダイアログボックスへの表示
干渉した各部分の体積や図の中心を、ダイアログボックスに表示する機能が備わっています。これにより干渉部位だけの設計変更や解析が容易になるのです。
3D CADを導入して海外企業に負けない製品を!
昨今では多品種少量生産化が進み、より短納期で複雑なデザインや構造・機能の製品が求められている状況かと思います。より効率的に設計者のアイデアを具現化できるように3D CADを利用することも競争力を高める方法の一つとなるでしょう。
今回ご紹介した内容をご参考に、3D CADを導入してみてはいかがでしょうか。