ボタン一つで瞬時に計算できる! 3D CADで製品重量計算を簡単に行おう
2019年 6月20日
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製品重量を計測することは、設計者のほとんどの方が経験しているでしょう。製品重量の計算の重要性については理解しているものの、だんだんと複雑化していく製品を2D CADで計算することに限界を感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は製品重量を計算することの概要と問題点、3D CADを使用した製品重量の計算について解説します。
製品重量を計算することの重要性
製品重量を正確に計算することは、製品の価格などを決めるうえで非常に重要です。ここでは、製品重量の必要性やそもそも重量計算とはどのようなものなのかを見ていきましょう。
製品重量計算とは
製品重量計算とは、成形品・加工品(製品)の材料である鉄や樹脂などの比重を踏まえながら、成形品・加工品の長さや体積などを既存の算出方法に当てはめ、製品全体の重量を計算することです。
製品重量の必要性
これらの項目を計算するうえで、製品重量の値は非常に重要です。
- 安全性/耐久性
- 製品コスト
- 生産コスト
- 管理費
- 運送費
- 総合原価
また、クライアントへの見積りを作成する際や製品の使い勝手・管理方法の選定のときにも、この作業が必要となります。
製品重量計算を怠ると実際の価格や安全性に大きく影響するため、決められた算出方法を利用して正確な計算をする必要があるのです。
製品重量を計算するための算出方法とその問題点
製品重量の算出は、さまざまな公式に単位体積重量や幅・長さを当てはめていき、計算を行います。近年は製品形状が複雑になってきているため、以前よりも計算が難しくなっているといえるでしょう。
算出方法
製品重量の算出方法には次のようなものが挙げられます。
体積×単位体積重量(長さ・厚み・幅が分かりやすいもの)
例)円柱・円錐・立方体などの組み合わせの製品
断面積×長さ×単位体積重量(断面が不明瞭、異形のもの)
例)自由曲面が複数ある製品
2D CADでも製品重量を計算できる機能がある場合がありますが、直接長さを記入しなければならないソフトも多く、時間と手間がかかります。
2D CADでの問題点とは
2D CADソフトで製品重量計算を行うことは可能ですが、形状やデザインが複雑化していく中で、重量計算の難易度も上がり時間がかかってしまう点が問題です。
複雑化していくデザイン
近年は、製品の軽量化・機能性などが向上していくことによってデザイン面が複雑になり、製品重量を正確に計算することが難しくなっています。
時間がかかる
2D CADソフトには製品重量を計算できるものもありますが、長さや幅などを直接入力しなければならないソフトがあり、その過程によってどうしても時間がかかってしまいます。
3D CADはボタン一つで製品重量を細かく計算
3D CADでは、製品重量計算をボタン一つで簡単に計算することが可能です。ここでは、その詳しい性能について解説します。
3D CADの製品重量計算
3D CADではボタン一つで製品重量を瞬時に計算することができ、それにより以下のようなメリットが考えられます。
作業時間の削減
2Dでは寸法入力等の作業が必要でしたが、3Dでは瞬時に計算が可能。
短時間で正確な製品重量の算出
2Dではあいまいな製品重量計算でしたが、3Dでは正確な製品重量計算が実現。
原価計算の簡易化
特に鋳物・鍛造品・切削加工品など製品重量と直結するパーツを使用している製品に効果大。
設計変更時の工数低減
2Dでは時間をかけて再度計算していましたが、3Dでは瞬時に計算が可能。
このようにさまざまな面で作業効率が飛躍的に上昇し、その結果、設計者の負担軽減につながります。
3D CADは製品重量だけでなく、
- 体積
- 表面積
- 密度
も、同時に算出します。
重量と同様にアセンブリのパーツごとに体積や表面積なども算出可能なので、それぞれの数値を活用することによって、より良い製品開発につなげることができます。
こちらの記事でも、2D CADの問題点と3D CADを導入するメリットを解説しています。あわせてご参照ください。
3D CADで業務の効率化を測る
製品重量の計算は、製品の金額や生産コスト、耐久力などを算出するためにも重要な作業です。製造や購買など他部門にも共有する大切な項目なので、正確で迅速な計算が求められます。
3D CADを導入し製品重量計算を有効に活用すれば、正確な製品重量をすぐに計算でき、設計者の作業工数が格段に減少します。今まで計算に充てていた時間を別のタスクに充てられるようになれば、社内全体の業務もスムーズに進むのではないでしょうか。
また重量計算以外の部分でも3D CADを用いることで、同様に設計者の作業工数を減らすことができ、かつクライアントに向けて3D描画による魅力的な設計提案を行うことができます。これを機に、3D CADを導入して業務の効率化を図ってはいかがでしょうか。