Autodesk Inventorを駆使しデジタルプロトタイプを実現、三輪電気自動車で新しい市場の開拓を目指す

2020年 6月23日

製造業

株式会社日本エレクトライク

2015年6月15日、川崎市役所において新しい三輪電気自動車「エレクトライク」の発表が行われた。これは一人乗りながら、150kgの荷物を搭載して最高時速50kmで走れる新タイプのマイクロモビリティ。国交省の型式認定も取得し、その愛らしくユニークな外観とともに、シティワークに最適な電気自動車として大きな注目を集めている。
このエレクトライクを開発販売している株式会社 日本エレクトライク(以下、日本エレクトライク)は、川崎市の新興ベンチャー企業。我が国に19年ぶりに誕生した、新しい国産自動車メーカーである。

導入システムAutodesk Inventor

「自分たちの電気自動車」を世に広めるために

「実は創設当初は事業化について確たるビジョンなどありませんでした。あったのは『自分たちの電気自動車を世に問いたい』という思いだけだったのです。」そう言って苦笑いするのは、大手自動車メーカー出身で、現在は日本エレクトライクの技術部長を務める千葉一雄氏である。千葉氏によれば、エレクトライクの開発は、まず大学などとの共同開発によるさまざまな先行実験やユニット開発から始まった。そして、この5年にわたる準備期間を経て、2013年に本格的な製品開発を開始したのである。
「ナンバーを取って公道を走らせるには、多くの国内法規をクリアする必要があり、実績のない新型車、特に四輪のクルマには高いハードルです。しかし三輪車のカテゴリーは、かつてのオート三輪時代に確立されたものとして法規が定まっています。一つずつ課題を潰していけば、ベンチャーでも認証の壁を突破できると考えたのです。」

しかし、当然ながらそれは平坦な道のりではなかった。特にベンチャーとして潤沢な資本はなく人的資源も豊富とはいえない同社にとって、新しい電気自動車を一から開発していくための膨大な作業は少なからぬ負担だった。先行実験モデルは図面なしでも製作できたが、多くの社外メーカーの協力が不可欠な量産化となると図面が欠かせない。この図面を作るCADをどうするかが大きな課題となったのだ。千葉氏と同じく大手自動車メーカーで長く設計を担当し、現在は同社で開発設計を一手に引き受ける田中清文氏は語る。
「メーカー時代は3DCADでレイアウトを中心に行っており、図面はトレーサーに頼んでいました。しかし、ここではそうもいかず、2Dのフリーウェアなど試しましたが上手くいきませんでした。そんな時に知ったのがAutodesk Inventor(以下、Inventor)とクリーン テック パートナー プログラムでした。」 クリーンテックパートナープログラムとは、オートデスクが運営する環境保全技術支援プログラム。環境関連のソリューション開発をサポートするため、Inventorなどのソフトを提供し、ベンチャー企業をバックアップしていた。早速、同社はこのプログラムを申請。田中氏はInventorを入手し、設計実務で活用を開始した。その導入効果は劇的だった。

導入事例 詳細

Inventor導入のポイント(お客様の声)

Inventorによる設計手法が設計者としての自身の思考の流れにフィット

「実際に使ってみるまでは、まず細かい部品図を作り、それを組み上げていくスタイルだろうと想像していました。ところが実際はアセンブリのような、大きなレイアウトからざっくり考えながら進められる。これは嬉しい驚きでした。」
つまり、構想段階でシンプルな直方体などのモデルを作り、そこから徐々に細かくしていく作業をCAD上で行えたのである。モデルを見ながら細部を作り込んでいく段階になれば、それを回転させるなどしながら部品の合わせ込みや干渉チェックもその場で行える。それは設計者にとって、ある意味理想的な作業環境だったと田中氏は言う。自身の思考の流れに寄り添いながら作業が進行していくため、常にストレスなく設計を進められるのである。

図面作成の容易さ

「実際、これほど簡単に出図できるとは思いませんでした。」と田中氏は笑顔を浮かべる。同社にとって図面作成は一番の課題だったが、Inventorを使い始めると、その問題もあっさり解決してしまったのだという。

簡易的に試作検証が可能

「コストの問題もあり試作の制作は簡単にはできませんが、Inventorで設計すれば、部品ができた段階でもう一度組み立ててみることがCAD上で行えます。」

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