【Autodesk RevitとRevit LTの違い】Revitの設備機能と構造機能

2020年 8月18日

建設業

第4回はRevitの設備/構造向け機能について説明します。

設備向け機能設備向け機能

Revitは大きく分けると三つのユニットが存在します。

  1. Revit Architecture(意匠)と呼んでいる機能
  2. Revit MEP(設備)と呼ばれる設備専用機能
  3. Revit Structure(構造)と呼ばれる構造専用機能

Revitには専用タブが用意されていますが、Revit LTには該当の機能が存在しません。そのため、Revit LTでは設備と構造の機能が利用できないことがRevitとの相違点となります。

第3回でもご説明しましたが、REX J for Architecture 2020のように、Revit LTでも意匠は使えますが、設備・構造で使えないのはそもそもRevit LTに設備向けのタブと構造向けのタブが存在しないからになります。

【Autodesk RevitとRevit LTの違い】REX J for ArchitectureとRevit用アプリケーション

構造向け機能

Revit LTには、設備関連また構造関連のタグが存在しません。Revit LTでは設備と構造に関して、2次元で表現するか、あるいはブロックの積み上げを3Dらしく見せるかということになります。

単なるブロックでは、設備/構造で持っているBIM情報を継承あるいは利用することができません。

BIMの3Dモデルはデータベースの固まりですから、無駄を省きかなりの効率化が見込めます。

気をつけなければいけないのは、CADデータ形式にも「クセ」が存在することです。日本語には標準語が存在するように、何を標準のデータにするかによって利便性は大きく変わってきてしまいます。

例えば、よく耳にするIFC(Industry Foundation Classes)は中立でオープンなフォーマット形式です。

しかし、IFCはBIMの中で現実的にはまだまだデータ互換が100%とまではいかず、どうしても手直しが発生してしまいます。完璧ではないということは、逆にどこかが間違っていないか、探す時間が必要になってしまい、かえって足をとられます。

BIM IFC

手直しや手戻り作業をなるべく減らすのがBIMモデルを使う目的の一つでもあるため、どのBIMソフトを選ぶか、どのように仕組みを作るかが、導入の鍵になります。

Revitが選ばれる理由は実はそこにあります。データをロスせず、BIMのデータとして意匠、構造、設備、施工で、きちんとデータが使えるのは、BIMソフトが多くある中でもRevitしかないからです。

第5回は、解析・リンク制限ほかRevitとRevit LTの違いを全体的なところを最終章としてご説明します。