【AutoCAD LT操作】その他のブロック活用
2020年 9月 9日
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AutoCAD LTブロックの最後のコンテンツとして、ダイナミックブロックと属性定義方法をご紹介します。
ダイナミックブロック
ダイナミックブロックとは挿入したブロックを部分的に変形できる高度なブロックで、パラメーターとアクションを定義することで、パラメーターで変形部分を指定しアクションで変形動作の種類を指定できます。
形状は同じものでサイズが違う部品を扱う際にとても便利で、ここではボルトナットのブロックを例にご紹介します。
作成方法
1. [ブロック定義]ダイアログボックスで、ブロックに含める図形を選択し、ブロックの挿入基点を指定します。
2. [ブロックエディターで開く]をオンに設定し、[OK]をクリックします。ブロックエディターが開き、選択した図形が表示されます。
3. この例では、ボルトの頭とナットの間の長さを調節できるようにしたいので[ブロックオーサリングパレット]から[直線状]を選択します。
[ブロックオーサリングパレット]が表示されていない場合は、[ブロックエディター]リボンタブ→[管理]パネル→[オーサリングパレット]をクリックします。
4. 直線状パラメーターの始点としてボルトの頭の右側の線分の中点(この例ではこのブロックの挿入基点)を指定します。
5. 直線状パラメーターの終点としてナットの左側の線分の中点を指定します。
6. ラベルの位置として適当な位置を指定します。これで直線状パラメーターの追加は完了です。
しかし、このままでは直線状パラメーターに二つのグリップが表示されてしまいます。この例では、直線状パラメーターの終点のグリップの位置を移動できるようにし、始点は移動できないように固定しておきたいので、始点のグリップが表示されないようにします。
7. 追加した直線状パラメーターをクリックして選択します。次に右クリックし、表示されたショートカットメニューから[オブジェクトプロパティ管理]を選択します。[プロパティ]パレットが表示されます。
8. [プロパティ]パレットの[その他]カテゴリーにある[グリップの数]から[1]を選択します。直線状パラメーターの始点のグリップが表示されなくなります。直線状パラメーターに黄色の警告アイコンが表示されています。このアイコンはまだアクションが割り当てられていないことを示しています。次にこのパラメーターに関連付けるアクションを追加します。
9. この例では、直線状パラメーターの終点の位置を変更したときにボルトナットのナット部分がストレッチされるようにしたいので、[ブロックオーサリングパレット]の[アクション]タブで[ストレッチアクション]を選択します。
10. アクションに関連付けるパラメーターとして先に追加した直線状パラメーターを選択します。
11. アクションに関連付けるパラメーター点として直線状パラメーターの終点を指定します。
12. ナット部分を囲むようにストレッチ枠を描きます。描いたストレッチ枠は破線で表示されます。
13. ストレッチするオブジェクトとして、交差選択(右から左へドラッグ)を使用してナット部分を選択します。後でパラメーターを変更したとき、ここで選択したオブジェクトのうち前の手順で描いたストレッチ枠と交差するオブジェクトはストレッチされ、ストレッチ枠に完全に含まれるオブジェクトは移動されます。
14. プロンプト「オブジェクトを選択:」に対して[Enter]を押し、オブジェクトの選択を終了します。アクションが追加され、アクションバーが表示されます。
15. [エディタを閉じる]をクリックしてブロックエディターを終了します。変更を保存するかどうかを確認するダイアログボックスが表示された場合は[はい]をクリックします。
ブロックの属性を定義する
部品番号や型式、価格、所有者などの情報を自由に含められ、部品リストや価格表の作成に活用できます。
作成方法
- ブロックに含めたい図形を作成します。
- ATTDEF[属性定義]コマンド([挿入]タブ→[ブロック定義]パネル→[属性定義])を実行します。[属性定義]ダイアログボックスが表示されます。
- 属性の名称、挿入時に表示されるプロンプト、および必要に応じて既定の属性値を入力します。
- 画面上で属性の表示位置を指定するには、[挿入点]の[画面上で指定]をオンに設定します。
- [OK]をクリックします。
- 上記の2から6の手順を繰り返し、必要な属性を全て定義します。
- 作成した図形および属性の全てが含まれるようにブロックを定義します。