AutoCADで3Dデータを活用する手順と動作環境と機能
2021年 6月 7日
共通
AutoCADで3Dデータを使った作業をする際、2D図面での作業時とは異なる現象に遭遇することがあります。通常このような処理にはCPUやメモリへの負荷が大きくなるので、グラフィックス表現専用のハードウェアを装備することが一般的です。
本記事では、AutoCADで3Dデータを活用する手順と動作環境と機能について解説します。
AutoCADを3D CADモードにする手順
AutoCADを3D CADモードにするために、ワークスペースを「3D基本」もしくは「3Dモデリング」に変更してください。
モードは「製図と注釈」から変更できます。
AutoCADで3Dモードを活用するメリット
AutoCADの3Dモードを活用することには、多くのメリットがあります。
まず、3Dモードを活用することで設計内容をより直感的に理解できます。平面図や立体図だけでは捉えにくかった複雑な形状や空間関係を視覚的に理解することができます。
また、3Dモデリングを活用することで設計の精度と品質の向上も期待できます。3Dモードを活用することで、各部品の要素間の干渉チェックにかかる工数も削減可能です。
それ以外にも、製品の最終確認にかかる工数を削減でき、作る前の想像とのギャップも減らせます。
AutoCADの3Dモードの機能
AutoCADの3Dモードの機能としては以下のものがあります。
- 概念設計
- ビジュアライゼーション
それぞれについて解説します。
AutoCADの3Dモードの機能1:概念設計
建物や装置などのオブジェクトを単純な形で作成することで、建物や装置の全体レイアウトを確認することができます。
AutoCADの3Dモードの機能2:ビジュアライゼーション
作成したオブジェクトに照明やカメラの設定を行えば、写真のようにリアルなレンダリング画像を作成することができます。
3D作業を行う際はご確認を
オートデスクでは、AutoCADをCollection製品などオートデスク製品にあったパフォーマンスを持つグラフィックスカードを認定ハードウェアとし、認定ハードウェアとドライバーの組み合わせの一覧を検索することができます。
ワークステーション級のグラフィックスカードの記載が目立ちますが、3D作業を頻繁にされる場合には、認定ハードウェアの利用をご一考ください。2D作図を中心にAutoCADやAutoCAD LTを利用する場合には、通常グラフィックスカードを特に意識する必要はありません。
大規模な作業は追加要件が必要な場合も
また3D作業時には多くのメモリを使用するため、AutoCADでは通常の動作環境(表1)に加えて、「大規模なデータセット、点群、3Dモデリングを扱う場合の追加要件」が用意されています(表2)
表1
表2
お使いのコンピューターが認定ハードウェアでない場合や搭載メモリが推奨メモリ量に届かない場合でも、全く3D機能が使用できないわけではありません。あくまで、快適な操作と表示上の問題を抑止することが目的の情報なので、その点はご注意ください。
なお3D作業に限りませんが、AutoCAD使用時に使っている表示スタイルによっても消費されるメモリ量に差が出てきます。現在の表示スタイルは図面ファイルに保存されますので、新規セッションで図面を開いた際に、パフォーマンスに影響を与える可能性もあります。
当コンテンツは著作者からの許可を得て転載しています。
なお、2024年5月に開催されたイベント「Otsuka & Autodesk Collaboration Day(OACD2024)」のアーカイブ動画を無料で公開しています。
全部で20セッションを公開していますので、ぜひご確認ください。