FormIt for Windows(有償版)のドキュメントとして「FormIt Primer(入門書)」が公開されています。無償で提供されているFormIt Webアプリ(UI英語)で利用できる部分も掲載されていますので、こちらを利用してFormItの使い方をご紹介します。
- * 有償版の機能も含まれていますので、あらかじめご了承ください。
無料ソフト「Autodesk FormIt」で建築3Dモデリング
FormIt Primer(入門書)とは
FormIt Primerとは、Autodesk社がEvolveLAB社と協力して作成された入門書で日本語化されています。パート1と2の2部構成となっています。
パート1では、基本的なツールについて説明するワークフローのチュートリアルです。順を追って有名なファンズワース邸のモデリングを開始できます。
パート2では、事前にモデリングされた架空の建築プロジェクトを使用し、高度なモデリング機能、解析ツール、計算ツールなどについて説明がされており、FormIt利用者のスキル向上に役立つ内容となっています。
FormIt Primer パート 1
まずはパート1からはじめてみましょう
FormIt初心者の方は、FormIt Webアプリ(無償版)でパート1からはじめてみましょう。日本語化されたコンテンツで分かりやすく解説されています。パート1の概要を簡単にご紹介します。
ファンズワース邸をモデリングする(FormIt Primer:パート1)
FormItの基本的なツールとワークフローをご紹介しながら、Mies van der Roheが設計した歴史的なモダニズム建築「ファンズワース邸宅」を作成します。
ここでご紹介するツールバー、パレット、プロセスの詳細な説明については、別コンテンツの「FormItの概要」および「ツール ライブラリ」のセクションを参照してください。
データセットもご活用ください
パート1では、取り組みやすいようにモデリングが複数の章に分割されています。順を追ってファンズワース邸を作成していきます。特定の章のみを完了する場合は、選択した章までの作業を終えたデータをデータセットから取得できます。
データセットには、各章のファイルのほかに、全ての演習を完了するために必要なサポートファイルが含まれています。
また、FormIt Webアプリでの作図単位は「Units Imperial(feet-inches)」に設定してご利用ください。
- * FormIt Webアプリでの利用を想定したものではありませんので、データセット(選択した章までの作業を終えたデータ)もご活用ください。
1.1 場所を設定する
プロジェクトの場所の設定は、日照シミュレーションや正確な影など今後のモデル解析の精度に関わってきます。場所を設定することにより、3D地形とスケールが調整された衛星画像を読み込んで、参照情報として使用できます。
- * Bingマップの検索バーで「Farnsworth House」を検索する際には、Language and Regionは「English United States」を選択してから検索実行してください。
1.2 イメージとグリッドを使用したプロジェクトの設定
ナビゲーションバーの[ファイル]>[読み込み]から、モデルの地盤面にPNGまたはJPGイメージを読み込むことができます。ただし、読み込んだイメージの尺度と位置をより詳細にコントロールするために、カスタムマテリアルを作成し、自分で描いた長方形に適用できます。
新しい「Floor Plan」マテリアルを作成する手法がFormIt Webアプリでは若干異なります。1.3以降はデータセットをご活用ください。
1.3 3Dスケッチと面のドラッグ
これでファンズワース邸を描く準備ができました。FormItの中核となる3Dモデリングでは、線分を描いて面を作成し、それらの面をドラッグして立体を作成します。
1.4 レベルが適用された床を追加する
レベルを使用すると、個々の床基準面でマスをスライスし、建物のマスごとに総面積を計算できます。
- * FormIt Webアプリでは、レベルをジオメトリに適用する操作部分はできませんので1.5以降はデータセットをご活用ください。
1.5 オブジェクトをグループ化する
FormItのオブジェクトをグループ化すると、そのジオメトリは結合できなくなります。グループのコピーは、元のジオメトリのインスタンスとして機能します。つまり、一つのコピーに対する変更はそれら全てに影響します。
- * FormIt Webアプリは[グループ ツリー]パレットの操作部分はできませんので1.6以降はデータセットをご活用ください。
- * ジオメトリとは、建物や構造物の外形を構成する点や直線、曲線、面などの位置や長さ、関数や数式のパラメーターなどを示すデータ群を表します。
1.6 レイヤーを使用して表示をコントロールする
AutoCADやPhotoshopと同様に、FormItのレイヤーを使用してモデル内のオブジェクトの表示設定を管理できます。
1.7 マテリアルでペイントする
ユーザー独自のマテリアルを作成し、そのマテリアルを使用してFormItで面をペイントできます。
- * FormIt Webアプリでは、Autodesk Material Libraryやマテリアルサンプルライブラリなどからマテリアルを読み込む操作部分はできないので、1.8以降はデータセットをご活用ください。
1.8 配列を使用して柱を作成する
詳細要素をスケッチしてI形の柱を作成します。次に配列ツールを使用して等間隔に複数のコピーを作成します。
- * FormIt Webアプリでは、Autodesk Material Libraryやマテリアルサンプルライブラリなどからマテリアルを読み込む操作ができませんので1.9以降はデータセットをご活用ください。
1.9 詳細を追加する
FormItは優れたマス作成ツールであり、優れたモデリングツールでもあります。ガラスのボックスに対してドアとマリオンの形状を作成し、ファンズワース邸に詳細を追加します。次に幾つかの追加のツールについて説明し、新しいジオメトリ、レイヤー、マテリアルの追加、およびグループ管理のプロセスを練習します。
- * マテリアルに対する変更手法がFormIt Webアプリでは若干異なります。
1.10 Dynamoの計算グループ
Dynamoの計算機能を活用し、OOTB Dynamoグラフサンプルに関連付けられているフレキシブルなグループを配置し、修正します。
- * FormIt WebアプリではDynamonoの計算機能は利用できませんので1.11以降はデータセットをご活用ください。
1.11 コンテンツライブラリを使用してモデルを読み込む
既存のSketchUpモデルを読み込み、FormItコンテンツライブラリを使用し、Revitから変換されたOOTBファミリを配置します。FormItでSKPファイルを開くと、マテリアル、グループ、コンポーネント、レイヤー(タグ)、シーンがそのまま残っています。プロジェクトを整理された状態にするためにクリーンアップが必要になる場合があります。
- * FormIt Webアプリでは、既存のSketchUpモデルを読み込む部分の操作はできませんので1.12以降はデータセットをご活用ください。
1.12 表示スタイル
コンセプトマスのモデリングは、FormItが提供するものの半分に過ぎません。もう半分は、クライアントやチームメンバーにストーリーを伝えるのに役立つ美しいグラフィックスです。この章では、グラフィックスの表示スタイルを設定し、アニメーションを作成する方法についてご説明します。
- * FormIt Webアプリでは、アニメーションはビューの切り替え程度しか設定できません。
1.13 断面平面
断面平面を使用してモデルを切り取り、内部スペースと構造要素を表示する方法について学習します。FormItは、複数の断面平面を同時にサポートし、切断ボックスのような効果をもたらします。
- * FormIt Webアプリでは、断面平面(SP)の操作はできませんので1.14以降はデータセットをご活用ください。
1.14 イメージを書き出す
ここまでの幾つかの章で作成したパース投影シーンを組み合わせて高解像度イメージを書き出します。
- * イメージを書き出す手法がFormIt Webアプリでは若干異なります。
1.15 Revitを使用する
FormItの最も素晴らしい機能の一つは、FormItのような柔軟なモデリング環境からRevitのような強力なパラメトリック環境にモデルを移動できることです。この章では、さまざまな要素をFormItからRevitに、RevitからFormItに移動する演習を行います。
FormIt Proとは
FormIt Proとは、無償版FormIt Webアプリの全ての機能を利用できるほか、Dynamoの計算機能、コラボレーション機能、解析機能を利用できます(UI日本語設定対応)。なお、2022年3月現在、FormIt Proは単体提供されていません。このサブスクリプションは、Autodesk AEC Collectionに含まれています。
また、無償版FormIt WebアプリからAutodesk Accountでサインインすることで、FormIt Proの追加機能を30日間無償で試すことができます。
FormIt Webアプリでモデリングをしてみよう
「FormItを使ってみたい」と思ったら簡単な操作から慣れてみましょう。内観パースを作成するチュートリアルを用意しましたので、ダウンロードしてご利用ください(2021年9月時点のFormIt Webアプリ環境で作成)。
FormIt Webアプリ チュートリアルダウンロード(無料)