AutoCAD寸法の修正方法1
2023年 8月 8日
共通
これだけは知っておきたい寸法作成のヒント Vol.3
今回の記事では、知っていると便利な「寸法修正に関するコマンド」と「システム変数」についてお届けします。
寸法修正に関する便利なコマンド
寸法線・寸法補助線を一部削除する
1.注釈タブ/寸法記入パネル/寸法マスク(DIMBREAK)コマンドを実行します。
2.一部削除したい寸法を選択し、オプションの「自動(A)」を選択します。結果は図2のようになります。寸法線・寸法補助線とほかの図形の交差している箇所が自動で一部削除されます。
- * 削除される距離(マスクの大きさ)は寸法スタイル管理/シンボルと矢印タブ/マスクの大きさの値で制御されます。
3.指定した箇所を指定した距離で削除したい場合は、オプションの「手動(M)」を選択します。マウスで2カ所を指示します。
- * 削除距離は数値では指定できません。
- * 指定箇所は寸法補助線近くで図4のようにだいたいの箇所を選択してください。
4.マスクを除去する場合は、オプション/除去(R)を実行します。
選択した複数の寸法線を整列する
1.注釈タブ/寸法記入パネル/寸法線間隔(DIMSPACE)コマンドを実行します。
2.基準となる寸法線を選択し、次に整列させたい寸法を複数選択します。オプション/自動(A)を実行します。
- * 整列時の寸法線の間隔は寸法スタイル管理/寸法値タブ/文字の高さ×2の値で制御されます(寸法線タブ/並列寸法線の寸法線間隔ではないので注意してください)。
3.指定した寸法線間隔で整列させたい場合は、コマンドラインに直接値を入力し、Enterします。
値を0にすると、以下のように水平整列となります。
寸法補助線に角度を付ける
寸法補助線に角度を付与することにより、寸法を見やすく表示できます。
1.注釈タブ/寸法記入パネル/スライド寸法(DIMEDIT)コマンドを実行します。
2.寸法を選択し、スライド角度(寸法補助線の角度)を入力し、Enterします。スライド角度は絶対角度です。
寸法スタイルを置き換える
既に配置済みの寸法に現在の寸法スタイルを適用できます。複数のスタイルで作成された寸法にも一度に新しい寸法スタイルを適用できます。
1.適用したい寸法スタイルを現在の寸法スタイルに設定しておきます。今回は1-1にしておきます。
2.注釈タブ/寸法記入パネル/更新(-DIMSTYLE)コマンドを実行します。
3.寸法を選択し、Enterします。選択した全ての寸法に1-1のスタイルが適用されます。
- * 窓選択をしても寸法のみが選択されます。
- * 並列寸法線の間隔は更新されません。再度調整が必要です。
上書きされた寸法値を正しい値(測定値)に修正する
寸法値が上書きされていると、形状を変更しても寸法値が追従しません。DXFやSXF形式のデータを編集しようとして困ることがあります。エディターで、<>と入力し直すと修正できますが、時間と手間がかかります。このコマンドは複数の寸法に対し、一度に修正できるためとても便利です。
1.コマンドラインに直接DIMEDITと入力し、Enterします。
2.オプション/寸法値置き換え(N)を選択します。
3.0と入力されたエディターが開きますが、画面上の任意の場所でクリックします。
4.修正したい寸法を選択し、Enterします。
上書きされた寸法を検索するだけの場合は、クイック選択で次の条件で検索できます。
プロパティ:寸法値の優先
演算子:ワイルドカードマッチ
値:?*
寸法に関する便利なシステム変数
DIMLAYER
現在のレイヤーではなく、指定したレイヤー(画層)で寸法を作成できます。
1.直接コマンドラインにDIMLAYERと入力し、Enterします。寸法を作成するレイヤー名(画層名)を入力し、Enterします。
- * ファイルに存在するレイヤーである必要があります。
- * このシステム変数はファイルに保存されます。
次回は、知っておきたい寸法の修正方法2についてご案内します。