AutoCADブロックの作成方法2
2024年 4月15日
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AutoCADでブロックを使いこなすには? Vol.3
前回の記事では、内部ブロック・外部ブロックの基本的な作成方法についてお伝えしました。今回はステップアップして「属性付きブロック」の作成方法についてお届けします。
属性付きブロックとは
ブロックの構成要素として、線や円・文字といった一般的なオブジェクト以外に「属性」というブロック作成時にのみ使用する特別なオブジェクトを含めることができます。属性を使用すると、一つのブロックで属性値を変更できます。
下図の例は、図枠の表題欄を属性付きブロックで作成したものです。
図1
表題欄の例ですと、文字を配置して編集してもそんなに手間ではないので、わざわざ属性付きブロックを作成しなくてもいいかも? というユーザーもいるかもしれません。
では、シンボルのような例はどうでしょうか? 一つのシンボルに対して必ず付与する属性が複数ある場合を考えてみましょう。
下図は、ブロック名「IN」という名前で作成した属性付きブロックです。緑の枠が属性で配置されています。属性名「IN備考」の値は入力されていますが、非表示で設定されているので画面上では表示されません。
図2
上図のようにシンボルに文字を必ず付記するような場合は、「属性付きブロック」を使用すると文字の複写忘れなどがなくなり、扱いが非常に楽になります。
また、属性を使用することにより、集計など次のステップにデータを使用できます。下図は左側にブロック名「IN」、右にブロック名「OUT」を複数配置した状態です。それぞれ属性値の値が付与されています。
図3
「データ書き出し(DATAEXTRACTION)」コマンドを使用すると、設定した集計条件で下図のように集計した内容を表として書き出せます。
図4
属性付きブロックの作成方法
形状と固定の文字を準備
今回は、下図のようなブロックを作成します。赤枠は固定文字、緑枠が属性です。
図5
1.下図のように作図をします。「機器管理」の文字高は4mmで作成しています。
図6
2.属性を配置します。挿入タブ/ブロック定義/属性定義を実行します。
図7
3.ダイアログが開きます。
図8
図9
図10
文字と同じ感覚で設定すればよいです。属性用に別途文字スタイルを作成する必要はありません。
図11
属性の表示・非表示は画層での制御でも可能です。
4.属性を下図のように定義し、OKします。
図12
5.下図のように配置します。
図13
6.別の属性を定義します。(4)のダイアログで毎回設定も可能ですが、今回は既に配置した属性「NO」を複写して別の属性を作成します。下図のように複写します。
図14
7.複写した属性をダブルクリックし、内容を編集します。
図15
8.プロパティを必要に応じて編集します。今回は幅係数を0.7にします。
図16
9.(7)(8)の方法で残りの二つの属性も定義します。
図17
図18
10.ブロックを作成します。挿入タブ/ブロック定義パネル/ブロック作成(BLOCK)を実行します。
図19
名前を「機器管理スタンプ」とし、今回はブロックに変換にチェックをします。オブジェクトの選択時には選択の順番に注意する必要があります。
図20
オブジェクトを選択時に属性から順番に選択し、最後にほかのオブジェクトも含めて全体を選択します。
図21
11.OKでダイアログを閉じますと「属性編集」ダイアログが開きますので、値を付与します。属性の項目の順番はブロック作成時にオブジェクトを選択した順番となります。
図22
12.「位置をロック」を「いいえ」にした属性はグリップで位置の移動ができます。
図23
13.上記ブロックを複写してダブルクリックし、「拡張属性編集(EATTEDIT)」ダイアログ内で属性値の編集ができます。
図24
いかがですか? 属性付きブロックの作成方法はご理解いただけましたでしょうか? 次回は、「ブロックの挿入と修正方法」についてご案内します。