AutoCAD ツールパレットをメンバーと共有する

2024年 7月22日

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AutoCADでツールパレットを使いこなすには? Vol.4

前回までの記事では、ツールパレットの基本操作やパレットへのブロック・コマンドの登録方法、またパレットの活用方法をお伝えしました。今回の記事では、パレットグループの作成方法と、ツールパレットをほかのメンバーと共有する方法をご案内します。

AutoCADツールパレットの活用方法とコマンドの追加

パレットグループ

作成したパレットは、必要なパレットだけをまとめてパレットグループを作成することができます。ツールパレットを個人で所有する場合、メンバーと共有する場合もパレットグループを作成します。

パレットをカスタマイズ

1.パレットの上で右クリックし、「パレットをカスタマイズ」を実行します。

図1

2.「カスタマイズダイアログ」が開きます。左側に現在作成されている全てのパレットが表示され、右側に現在作成されているパレットグループが表示されます。

図2

3.右側の領域で右クリックし、「グループを新規作成」を実行します。

図3

4.名前を今回は「SAMPLE」とします。

図4

5.グループを作成する時に選択した位置によって、作成階層が意図しない場所になります。下図では、「引出線」というグループを選択して「グループを新規作成」したため、「引出線」のグループの下の階層に作成されています。

図5

6.ドラッグしてグループの位置を最上位の位置に調整します。

図6

7.左側のパレット一覧からグループに所属させるパレットをグループ「SAMPLE」の下にドラッグ&ドロップします。

図7

8.不要なパレット・パレットグループを削除したい場合は、削除するパレットを選択し、右クリックのメニューから「削除」を実行します。

図8

注意

グループを削除してもパレットは削除されません。

作成したパレットグループを表示する

1.パレットをドッキング許可していない場合は背の箇所で右クリックし、作成したグループを選択します。ドッキングを許可している場合は上の箇所で右クリックし、作成したグループを選択します。

図9:ドッキングを許可していない状態

図10:ドッキングを許可している状態

2.グループのリストから「SAMPLE」を選択します。下図のように選択したパレットのみが表示されます。

図11

メンバーとツールパレットを共有する

メンバーとツールパレットを共有するには、二つの方法があります。個別にパレット・パレットグループを書き出し・読み込む方法と、共有フォルダーに必要なファイルをコピーする方法です。

パレットとパレットグループの書き出しと読み込み

1.ツールパレットを作成したAutoCAD(共有元)で「パレットをカスタマイズ」を実行します。

図12

2.書き出したいパレット・パレットグループを選択し、右クリックのメニューから「書き出し」を実行します。

図13

図14

  • * グループの書き出しをしても構成するパレットは書き出しされません。

3.書き出し先を指定して保存します。パレットの拡張子は「xtp」、パレットアイコンのイメージもフォルダーとして書き出されます。パレットグループの拡張子は「xpg」です。

図15

4.共有先の環境で「パレットをカスタマイズ」を実行します。

図16

5.パレット・パレットグループをそれぞれ読み込みます。

図17

6.パレットグループを読み込んでも、下図のようにパレットの構成は読み込まれません。再構築する必要があります。

図18

共有フォルダーに必要なファイルをコピーする

1.ツールパレットを共有するフォルダーをサーバー上などに準備します。

図19

  • * この図はサーバー上のフォルダーとして仮に作成しています。

2.コピー元のツールパレットの参照先を確認します。アプリケーションメニュー/オプションを実行します。

図20

3.「ファイル」タブを選択し、「ツールパレットファイルの場所」を展開します。既定値の参照フォルダーをここで確認することができます。

図21

4.(3)で確認したパス下のフォルダー・ファイルを全てコピーし、共有フォルダーに貼り付けします。

図22

5.共有する各マシンでフォルダーパスを「追加」します。

図24

6.「適用」、「OK」でダイアログを閉じます。パレットが追加されているのが分かります。

図25

7.読み込まれたパレットは、下図のようにパレットグループを分けて使用すると便利です。

図26

個人が管理するツールパレットと共有するツールパレット

前項で説明したとおり、パスを追加することで個人と共有するツールパレットの管理を区分することができます。

図27

皆さまいかがでしたでしょうか? 「AutoCADでツールパレットを使いこなすには?」の記事は今回が最終回です。ツールパレットを充実してAutoCADでの作図をより簡単にしてみてはいかがでしょうか?