CADオペレーターからBIMオペレーターへ
昨今業界内でのニーズが高まっているBIMの人材。今のキャリアに疑問を感じている方や、新たな挑戦を考えている方には、これから必要な技術や技能に向けたリスキリングの取り組みも必要となります。
そこで、BIMを切り口とした人材の流動化について、BIMに関わる業界のエキスパートに座談会形式で色々とお話を伺ってみました。
2024年 9月24日
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CADオペレーターは、CADソフトを利用して製品や建物などの構造物の設計書、図面を作成する専門家のことです。本記事では、CADオペレーターの仕事内容ややりがい、将来性などについて分かりやすく解説します。
CADオペレーターとは、CADソフトを利用して構造物の設計書や図面を作成する職業になります。
製造業、建築業、土木工学、インテリアデザインなどの幅広い分野で活躍できる職業で、設計者やエンジニアのアイデアを基に2次元や3次元のモデルを作成します。
CADオペレーターとデザイナーはどちらもCADソフトを利用して図面を作成する職業ですが、役割が違います。
デザイナーは、製品の概念設計、外観、機能などを考え、アイデアをスケッチや3Dモデルで表現します。
一方でCADオペレーターは、デザイナーが作成したコンセプトを基に図面を作成します。CADオペレーターは、技術的に実現可能な設計を行う必要があるため、設計に関する知識も必要です。
設計者は、技術的な要件を満たす設計の方針を決定する役割を担います。
一方でCADオペレーターは、設計者の指示に従って図面を作成します。CADオペレーターは、設計者の決めたコンセプトや機能、性能を忠実に再現するスキルが必要です。
建築CADオペレーターは、建築設計事務所や建設会社で建築物の設計図面を作成します。建築設計者が作成したスケッチや設計コンセプトを基にCADソフトを使用して建築図面を作成することが主な仕事です。
建築CADオペレーターは、建築基準法などの法規制を理解して図面を作成するスキルが必要です。また、設計変更や修正にも迅速に対応する必要があります。
内装CADオペレーターは、インテリアデザイン会社や家具メーカーで室内空間や家具の図面を作成します。内装デザイナーが作成したコンセプトや間取り、家具のデザインを基に内装図面を作成することが主な仕事です。
内装CADオペレーターは、人間工学や施工方法などの知識を生かして、美観と機能性を兼ね備えた空間を設計するスキルが必要です。
土木CADオペレーターは、土木設計事務所や建設コンサルタント会社で、道路やトンネルなどの土木建造物の設計図面を作成します。土木設計技術者が作成した設計計算書や構造図を基に土木図面を作成することになります。
土木CADオペレーターは、地形や地質、材料の特性を考慮しながら図面を作成します。構造物の安全性と耐久性を確保し、施工性や保守性にも配慮した図面作成スキルが必要です。
設備CADオペレーターは、設備設計事務所や建設会社で建築物の空調、給排水、電気などの設備図面を作成します。設備設計技術者が作成した設備計画者や機器リストを基に図面を作成することが主な仕事です。
設備CADオペレーターは、建築図面との整合性を保ちながら、設備機器の配置や配管ルートを最適化するスキルが必要です。また、法規制や省エネルギー基準などにも配慮する必要があります。
CADオペレーターは、建築、土木、設備などの分野以外でも活躍することができます。機械CADオペレーターや電気・電子CADオペレーター、造園CADオペレーターなど、CADオペレーターの職種は多岐にわたります。
どの分野のオペレーターも、各分野の設計者と協力して図面を作成することが主な仕事となります。
CADオペレーターは、一般的にはオフィス勤務となることが多いです。プロジェクトの進行状況に合わせて、設計者や他部署とミーティングを行い、図面を作成・修正します。
納期に間に合わせるために、時には残業や休日出勤が必要となることもあります。また、最新技術をキャッチアップする必要があるため、CADオペレーターになってからも勉強し続ける必要があります。
CADオペレーターのやりがいは、自分の作成した図面が実際の製品や構造物として形になることです。
また、設計者やエンジニアのアイデアを形にする過程で自分の技術力も向上させることができるため、やりがいを感じながらスキルアップすることもできるでしょう。
複雑な図面を作成させた時の達成感や、チームの一員としてプロジェクトを進行し、見事完成させた時の充実感はCADオペレーターならではの醍醐味(だいごみ)です。
CADオペレーターは、ものづくりの現場で欠かせない存在として社会に貢献できるやりがいのある仕事だと言えるでしょう。
CADオペレーターは、未経験からでもなることが可能です。ただ、未経験から就職・転職する場合には、CADソフトの操作スキルや製図知識が求められることが多いです。
そのため、何らかの形でそのスキルを学ぶ必要があります。
CADオペレーターは年齢に関係なく、学習意欲とスキルがあれば何歳でもなることができます。
若い世代だけでなく、ミドル世代やシニア世代の方もCADオペレーターとして活躍しています。
CADオペレーターの年収は、経験年数やスキル、勤務先の企業規模や業界によって変動しますが、一般的には400~600万円程度となることが多いです。
スキルのある人材であれば、年収800万円以上も狙うことができます。スキルと経験に応じて年収は上がっていくので、ひたむきに仕事に取り組む姿勢が大切です。
CADオペレーターの将来性は、非常に明るいといえます。近年、建築業界や製造業界では3D CADやBIMの導入が進んでおり、高度なスキルを持つCADオペレーターの需要が高まっています。
一方で、技術の進歩によって単純作業は自動化されている動きもあります。
そのため、CADオペレーターとして活躍するためには、業界の知識や問題解決能力などが必要になるでしょう。将来性のあるCADオペレーターになるためには、最新の技術をキャッチアップし、スキルを磨き続ける必要があります。
CADオペレーターに必要なスキルは多岐にわたりますが、ここからは一般的に必要だと言われるスキルを紹介します。
CADオペレーターに必要だと言われるスキルは以下のとおりです。
ここからは、CADオペレーターが向いている人・向いていない人について解説します。
CADオペレーターが向いているのは、以下のような人です。
一方で、CADオペレーターが向いていないのは以下のような人です。
CADオペレーターになる方法は以下のとおりです。
それぞれについて解説します。
独学で資格取得を目指すことで、CADオペレーターになることができます。まずは、どの資格を取得するかを決めましょう。練習問題や過去問を解くことで、基礎知識を身につけることができます。
独学で学習するメリットは、自分のペースで学習を進められること、費用を抑えてスキルを身につけることができることです。独学で資格取得を目指す場合には、モチベーションを維持しながら計画どおりに勉強に励むことが大切です。
CADスクールに通って、CADオペレーターを目指せます。CADスクールに通えば、CADに関する知識が豊富な講師から体系的に学べます。
また、スクールによっては就職支援を行っているところもあります。
職業訓練でCADについて学び、CADオペレーターを目指すこともできます。職業訓練は公共職業能力開発施設で実施されており、 CADオペレーターとして就職するために必要な知識とスキルを習得できます。
訓練期間は3カ月~1年程度で、費用を抑えて学習を進められ、資格取得のサポートも受けられます。
本記事では、CADオペレーターの仕事内容ややりがい、将来性などについて解説しました。
完全未経験からCADオペレーターを目指す場合には、AutoCADの学習がおすすめです。AutoCADはオートデスクが開発・販売する汎用(はんよう)2D / 3D CADソフトウェアです。業界問わず幅広く利用されているソフトウェアのため、AutoCADのスキルがあれば就職しても困ることはほとんどないでしょう。
Autodeskコンシェルジュセンターでは、AutoCADの操作方法をどこよりも詳しく解説しています。本サイトを参考にAutoCADの使い方をマスターしてみてください。
CADオペレーターからBIMオペレーターへ
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