AutoCADのいろいろな選択方法
2024年10月24日
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AutoCADで選択を極める Vol.1
AutoCADをご使用の方、またこれからAutoCADを使いたいと思っていらっしゃる方、今回の記事では、AutoCADで「選択」する方法を基本的な方法から上級者向けの方法までご紹介します。
これさえ知っておけばの選択方法
AutoCADを初めてお使いになる方、まずは今回ご紹介する選択方法を覚えてください。また、AutoCAD初心者の方にも確認の意味でぜひ読んでいただきたい記事です。
選択が必要なオペレーション
AutoCADで選択が必要なオペレーションは、既存のオブジェクトに修正のコマンドを適用したり、既存のオブジェクトのプロパティを修正したりする場合です。事前にオブジェクトを選択し、後からコマンドを適用することもできますし、コマンドを実行後、オブジェクトを選択することもできます。
事前に選択した場合は選択が確定された状態となりますが、コマンド実行後に選択する場合は選択確定のためのEnter(または右クリック)が必要になります。
今回の記事では先にコマンドを実行し、後からオブジェクトを選択する方法に統一してお伝えします。
ピックボックスでの個別オブジェクトの選択
個別のオブジェクトを選択する時は、マウスの左クリックを使用します。コマンドを先に実行した場合、作図領域でのマウスの形状は「ピックボックス」の表示になります。
また、オブジェクトに触れると実行中のコマンドが右上に表示され、選択した場合のプレビューがグレー表示になります。一つのオブジェクトを選択後、別のオブジェクトの選択をEnter(または右クリック)するまで繰り返すことができます。
窓での複数オブジェクトの選択
複数オブジェクトを選択する場合は、窓選択が便利です。窓を使用した選択方法には2種類あります。
1.左から右
マウスで左上→右下(または左下→右上)にクリック・クリックすると上図のような窓が表示されます。外形は実線で色は青です。窓の領域内に完全に入るオブジェクトが選択対象になります。
2.右から左
マウスで右下→左上(右上→左下)にクリック・クリックすると上図のような窓が表示されます。外形は破線で色は緑です。窓の枠線にかかるオブジェクトも選択対象になります。
窓選択する場合の注意
AutoCADの既定値で窓選択する場合、クリック・クリックではなくドラッグすると「投げ縄選択」になります。ご使用の際はクリックとドラッグに気をつけてください。
選択を除外する
選択の途中で選択を除外したい場合は「Shift」キーを使用します。
キーボードで選択する
コマンド実行後、キーボードで直接入力して選択する方法です。
1.WP
クリックした箇所が頂点となる「自由形状の実線・青色の窓」です。
2.CP
クリックした箇所が頂点となる「自由形状の破線・緑色の窓」です。ストレッチコマンドの使用時にとても便利です。
3.ALL
ファイル内の全てのオブジェクトが選択されます。画層ツールの「非表示」のオブジェクトは選択されますが「ロック」・「フリーズ」されたオブジェクトは選択除外となります。「Shift」キーと合わせて範囲外削除に使用すると便利です。
- * 画層ツールについては次の項目で説明しています。
画層を制御して選択する
さて、AutoCADでの基本の選択方法をご理解いただいたら、次は「画層」を制御して選択する方法を覚えましょう。
画層ツールを理解する
AutoCADではファイルごとに画層の設定ができます。画層が意図するように分かれていれば画層ツールを使用して選択を制御することができます。今回は理解しやすいよう、下図のような画層で説明します。画層ツールは画層名の左にある三つのアイコンです。
1.非表示
画層名の左にある電球マークのアイコンをクリックすると、電球マークはグレーになり、画面から指定した画層で作成されたオブジェクトが非表示になります。このツールは一時的に非表示にする場合に使用します。通常の選択方法では選択から除外されます。
- * 「ALL」の選択では選択対象になります。
2.ロック
画層名の左にある鍵マークのアイコンをクリックすると、鍵のかかった表示となり、画面から指定した画層で作成されたオブジェクトがロック(選択除外)になります。このツールは表示はさせたいが、選択をしたくない画層に使用します。図枠情報や工場レイアウトなどの建屋がイメージしやすいですね。
- * 「ALL」の選択でも選択除外になります。
また、ロック画層のオブジェクトにマウスを近づけると「鍵のマーク」が表示されます。
3.フリーズ
画層名の左にある太陽マークのアイコンをクリックすると、雪の結晶の表示となり、画面から指定した画層で作成されたオブジェクトがフリーズの状態となります。具体的には非表示+ロック(選択除外)の状態です。情報としては配置しておきたいが、常に表示させたくないオブジェクトをフリーズ画層に設定します。
- * 「ALL」の選択でも選択除外になります。
いかがですか? 皆さまAutoCADでの基本的な選択方法についてご理解いただけたでしょうか? 次回は、画層ツールをより便利に使用する方法1についてご案内します。