Autodesk Fusionとは? 特長・拡張機能・製品ラインアップを分かりやすく解説

公開 2026年 9月16日

製造業

世の中に機械設計向けの3D CADはさまざまありますが、Autodesk Fusionは比較的新しい製品です。そのため、製品の特長をまだよくご存じない方もいらっしゃると思います。

本記事では、Autodesk Fusionがどのような製品なのかをご紹介します。

1.Autodesk Fusionとは?

Autodesk Fusionとは、3D CAD機能を核に、CAE(解析)、CAM、PCB設計の各機能を一つのアプリケーションに統合した、機械設計・製造向けのソフトウェアです。各ツールを個別にインストールする必要はありません。

図1:Autodesk Fusion概要

その大きな特徴は、以下のとおりです。

  • CAD、CAE、CAMの各ツールが一つのアプリケーションに統合されており、設計データを変換してCAEやCAMに渡すなどの作業は必要ありません。
  • AIを利用したさまざまな自動化機能により、単純作業にかかる工数を削減できます。
  • 設計したデータはクラウドに保存されます。これにより、データを整理しやすくなり、関係者との共有も容易になります。
  • 他のオートデスク製品と同様に30日間の体験利用が可能です。
  • 他の機械設計向け3D CADソフトウェアと比較して安価で、導入しやすい製品です。(契約期間は1年または3年のサブスクリプション方式)。

2.拡張機能:必要に応じて機能を追加

Fusionの基本機能では物足りない方に向けて、必要に応じて追加購入できる拡張機能(Extension)があります。

種類は三つで、設計・解析用が二つ、製造用が一つです。いずれもFusion本体に追加してご利用いただくものですが、追加インストールは必要なく、ライセンスをご購入いただくと、Extensionの機能のロックが解除される仕組みです。

図2:Fusion Extensionの種類

設計用拡張機能

Design Extension

プラスチック製品の設計支援、ラティス形状の作成、類似コンポーネントの検索などの機能が追加されます。

プラスチック部品固有の形状(スナップフィット、リップ、ボスなど)を配置位置と大きさを数値で指定するだけで、簡単に作成することができます。

類似コンポーネント検索は、これから作成する部品と同じ形状のものを過去に作成していないか、形状情報を基に検索できる機能です。異なる部品番号で同じ部品を作成・登録してしまったというような無駄を防ぐことができます。

図3:プラスチック部品用ボスの作成

Design Extension(Autodesk)

Simulation Extension

線形・非線形応力解析、モード周波数解析、熱・熱応力解析など、さまざまな構造解析を実施することができます。

本Extensionを利用しない場合、Autodesk Flexトークンを保有していれば、トークンを利用して解析計算を実行できますが、常にその残数を確認しながら利用する必要があります。解析では繰り返し検証することが多いため、本Extensionを導入していただくことをお勧めします。

図4:シミュレーション(射出成形)

Simulation Extension(Autodesk)

部品やユニットを最適化するジェネレーティブデザインも、Simulation Extensionで使用できます。

Fusionのジェネレーティブデザインは、一般的な形状最適化とは異なり、新たな形状を生成する機能です。最適化したい部品やユニットの形状を維持する必要がある最低限の箇所(隣接する形状とのジョイント部など)を接続するように新しい形状を生成してくれるものです。

固定位置や荷重などの条件を設定し、使用候補となる材料や製造方法を複数指定すると、条件に適した複数の形状をAIが生成します。設計者はその中から、条件に適した候補形状を選定するだけです。

条件を多く設定すればするほど生成される形状の数が増えるので、最適な一つを導き出すためのガイドも充実しています。これにより、設計者が思いつかないような形状を導き出すことができ、まさに設計の最適化が実現します。

なお、生成される形状は、有機的なものがほとんどであり、そのまま使用する必要はなく、まずは最適解に近い形状を拾い出し、機械加工できる形状に修正して最終的に採用する形状に仕上げるという使用方法もあります。

図5:ジェネレーティブデザインの設定画面
(緑色が維持する形状部分。赤色が形状を作成しないように避けてほしい部分。緑色をつなぐように形状が生成される)

図6:ジェネレーティブデザインの生成結果一覧画面
(青い背景で表示された四つの形状は、Fusionが推奨する最適形状の候補。これ以外にも生成された形状を確認したい場合、生成された数多くの形状をフィルタリングするためのツールが左側のエリアに表示される。質量や最大フォンミーゼス応力の数値、使用する材料などを絞り込むことで、さまざまな検討ができる)

製造用拡張機能

Manufacturing Extension

基本のFusionはミル加工の場合、2軸、2.5軸、3軸加工までの対応のところ、Manufacturing Extensionは、4軸および5軸加工まで対応します。さらに一旦作成したツールパスを部分的に編集する機能、同じ形状、直径、深さの穴を自動認識してツールパス生成の手間を減らせる自動穴認識機能など、加工パスを作成するための便利な機能が入っています。

また、板金をはじめとした板材を最も効率的な板取りの配置を自動で導き出してくれるネスティング機能、金属材料による積層造形のための便利な設定機能なども兼ね備えています。

図7:自動穴認識

Manufacturing Extension(Autodesk)

  • * いずれの拡張機能も14日間の体験利用が可能です。

3.Fusionと拡張機能のセット購入も可能!

拡張機能のうち、どれか一つでも気になるものがある場合は、セットでの購入がお得です。

お得な理由は

  • 単品で購入するよりも価格がリーズナブル
  • 個別に購入するのに比較して、ライセンス管理がシンプルに
  • セットで購入するため、サブスクリプション期間の調整が不要

Fusion for Design

設計者向けセット。PLMツールも同梱されており、将来的にFusionの社内展開を予定している企業に最適です。

図8:Fusion for Design製品構成

Fusion for Manufacturing

CAM技術者向けセット。FusionとManufacturing Extensionがセットになっているので、Fusion本体の機能の限界を気にすることなく、より高品質なツールパスを作成することができます。

このように現在は「Fusion」といってもさまざまなオプションラインアップがそろっています。ご利用の環境に合わせてお選びください。

次回は、Fusionのモデリング機能の特長についてご紹介します。お楽しみに!