ハードウェア編

BIM on VDIの導入推進を支援する
レノボ・カスタマー・
エクスペリエンス・センター

レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ株式会社(以下、レノボ社)では、CAD / BIM on VDIをフォーカスソリューションとしてその推進に力を入れ、秋葉原にレノボ・カスタマー・エクスペリエンス・センター(以下、検証センター)を開設して、ユーザーとSIerを支援しています。レノボ社のVDI(仮想デスクトップ)導入に関する取り組みとその活用方法について、導入支援のスペシャリストに話を聞きました。

レノボ社のVDIへの取り組み

ワークステーションと仮想化技術の双方を熟知する
人材がCAD / BIM on VDIを支える

レノボ社のCAD / BIMのVDI導入推進はいつごろから始まり、どうのような経緯で現在に至っているのでしょうか?

「当社がCAD on VDIを推進し始めたのは2013年のことですが、ワークステーションの仮想化自体はその2、3年前からやっていて、当時は日本IBMのサービス事業として、x86サーバーにNVIDIAのQuadro2000を搭載し、CITRIXのXenデスクトップで画像を配信するシステムを手がけていました。その後2013年にNVIDIA社がGRID技術を発表し、CADベンダー側でも仮想環境での動作をオフィシャルに保証する製品が出てきました。そこで当社としてもこれは本格的にワークステーション仮想化の時代が来て業界標準になるだろうと判断し、同年の6月にSystem x業部としてCAD on VDIを展開していこうと決めた次第です。CADでの利用がメイン市場と考えられましたので、CAD on VDIという名前をつけたのもこの時です」(大月氏)。

レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ株式会社
アライアンス&マーケティング本部 ソリューション開発部
ビジネス・デベロップメント・マネージャー 大月哲史氏

VDI環境を実現する鍵となったNVIDIA社のGRID技術技術とGPU

CAD / BIM on VDIを順調に推進できた理由としてはどのような要因が挙げられますか?

「CADと仮想化と両方の技術が分かる人材が複数いたというのが大きいですね。仮想化はもともとサーバーの技術です。サーバーではネットワークとストレージの性能、拡張性、安定性が重要で、グラフィックスは重要な技術要素ではなかったのに対して、ワークステーションでのCAD利用ではグラフィックスが非常に重要でした。CAD on VDI環境を構築しようとすると両方を理解していなければなりませんが、サーバーだけ、ワークステーションだけをやっているとそれが難しいわけです。ところがSystem x事業部には私や西田のようにもともとワークステーションを手がけていた人間が複数いました。そのことがCAD on VDIソリューションを順調に展開できた背景にあります」(大月氏)。

「例えば、ある仮想化基盤とグラフィックボードでVDI環境を構築したいとして、それを組み合わせて使えますとベンダーが言っていたとしても、お客様に提案するためには実際に当社のサーバーで動くのかどうかを検証しなければいけないわけです。そのためにはグラフィックス系の動作検証のポイントを知っている必要があるため、ワークステーション市場の経験が役立ちました」(西田氏)。

「もう一つの大きな要因は、大塚商会様との連携です。我々はSIerを支援する立場ですので、力のあるSIerとの協業が重要でした。CADと仮想化の両方をサポートできるSIerはそれほど多くありません。その中でもCAD、BIM / CIMの分野で非常に高いシェアを持つ大塚商会様とのパートナーシップはCAD on VDI事業を大きく前進させてくれました。そうして実現したBIM on VDIの事例として、大手/準大手ゼネコンでは株式会社フジタ様、戸田建設株式会社様、設計事務所系では光井純&アソシエーツ建築設計事務所様があります。スーパーゼネコンや鉄道会社ではCIM on VDIの事例もあります」(大月氏)。

効率的な導入を支援する検証センター

事前検証に必要な知見と設備の全てがそろう
検証センターが順調な導入を支援する

BIM on VDIを推奨するうえでの御社の強み、特に検証センターの役割を教えてください。

「BIM on VDIが業務で問題なく使えるかどうかを左右する要因は大きく二つあり、一つは安定性、もう一つは用途に見合った操作性です。この二点をしっかりと保証あるいは検証できるのが当社の強みです。
安定性の方から言うと、実際にお客様が使われるのと同じHWや仮想化基板上でBIMソリューションの安定稼働を検証しています。その検証を経てBIM on VDI用に推奨していて現在主力になっているのが2UラックマウントタイプのSystem x3650 M5です。ほかに高集積タイプとタワー型があり、最近はNUTANIXでの提案も増えてきています。ただ、System xシリーズはこの7月に発表したThinkSystemという、新ブランドに統合していく予定ですので、今後はそちらが増えていくでしょう」(大月氏)。

事前検証に必要な地券と設備の全てがそろう検証センター

用途に見合った高速性とはどのようなことでしょうか?

「10の性能が必要なところに2しかないシステムでは遅くてストレスがたまり、その逆だとオーバースペックで費用対効果が悪くなります。そこで、実施にどの程度の性能が必要なのかを見極めなければなりません。しかし、実用的な使い勝手を見極める性能評価というのは意外に難しくて、システムのベンチマーク数値だけでは分かりませんし、実用的かどうかの判断は最終的にはユーザーが実業務で使ってみて評価することも必要です。この評価を適切に行うためのノウハウもいろいろとあります。そのノウハウを生かして、お客様の用途、実現したい使い方に適した検証方法を提案し、実際に使って評価いただくのが検証センターの役割です。つまり、実用的な使い勝手を検証できる設備とそのためのノウハウがある、それが他社にない強みと言えます」(大月氏)。

評価/検証のノウハウの例を幾つか挙げていただけますか?

「例えば、通信環境の悪い海外や工事現場からでも使えるかどうか検証したい場合、実際に現地からインターネットを通してこの検証センターにアクセスしてもらう方法、あるいはネットワーク遅延や利用可能な帯域をネットワーク・エミュレーターでエミュレートする方法をとります。エミュレーターを使う場合、実際の遅延と実効帯域を測定して行う場合もありますが、類似条件で測定した事例があればそれで代用するケースもあります。そういったデータを蓄積しているので、お客様の負担を極力減らしながら現実的な検証ができるわけです。

レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ株式会社
アライアンス&マーケティング本部 ソリューション開発部
製品技術グループ 西田眞一氏

もう一つ挙げると、ユーザーに操作性を検証していただく場合は評価者の人選も重要です。例えば、手が早い人・平均的なエンジニア・参照業務が中心の方などのように、業務内容やCAD操作の習熟度の違いで感じ方が大きく異なります。北米や欧州から使うようなケースを想定して評価していただくと、それぞれ『全く使い物にならない』、『我慢すれば使えるレベル』、「何の問題もない』などのように評価が分かれる場合もあります。手が早い人というのは毎日何時間もモデリング業務をこなすようなCAD操作に熟練したエンジニアで、性能要求が一番厳しいわけです。このように評価方法が適切でないと判断を誤る場合もあります。他社ではお客様から評価用マシンを貸してくれと言われて、サーバーを貸し出すだけというケースが見受けられますが、何をどのように評価すべきかというポイントが明確でないままでは、間違った方向に進んでしまいかねません。当社にはこれらの知見があるので、お客様やSIer様にとって実用的な評価が可能となります」(大月氏)。

「実際にお客様のシステムを構築するのはSIer様で、当社はそれを支援する立場です。そこで環境構築から実用性の検証まで、さまざまな知見がありますが、それをSIer様が応用できるように整理しドキュメント化してご提供するのもこの検証センターの役割であり他社にない強みです」(西田氏)。

事前検証を進めるためのポイントは

活用イメージの明確化がポイント
CAD / BIM業務への理解のあるSIerと連携を

検証センターの利用方法と、その生かし方について教えてください。

「生かし方という点では、検証センター以前にBIM on VDIで組むSIerの選択が重要です。知見のない会社に相談すると、機材は借りられたものの結局目的が果たせないまま終わってしまうこともあります。 検討の初期段階で当社にご相談いただければ、実現したい利用方法に応じた最適な検証方法をご提案できます。ぜひ、CAD / BIM / CIM業務に詳しい大塚商会様へ、どんな人がどこでどのように使いたいのかという活用イメージを描いてご相談ください。 実際の検証にあたっては、インターネットVPNを通して弊社検証センターの設備をお使いいただく場合が多いですが、それが難しい時はUDXにお越しいただいての検証も可能です。また、類似条件での検証事例が既にあれば、その結果を参考にしていただくだけで評価が不要な場合もあります。数多くのお客様への提案や導入実績から得られた知見に基づいて、最適な検証方法をご提案します」(大月氏)。

「また、どうしてもお客様社内にサーバーを設置して検証する必要がある場合には実機をお貸しします。この場合、BIM on VDIの環境構築はもちろん、必要に応じてお客様社内用のIPアドレスやActive Directoryの設定をして、ネットワークの線をつないだらすぐにでも検証を始められるようにセットアップ済みの状態でお渡しすることも可能です」(西田氏)。

「検証センターの利用申込は弊社パートナーのSIer様を通じて受け付けていますので、ご利用を希望される場合はBIM on VDIソリューション推進パートナーである大塚商会様にご相談ください」(大月氏)。

 

BIM on VDIの円滑な導入を支援する
「検証センター」(秋葉原UDX内)を設置!

品質の高いクラウド基盤として実績のある「System x」サーバー製品や
クライアント製品を常設、最新のハードウェア環境と
お客様データでVDIソリューションの検証が可能

大塚商会は、VDIソリューション分野におけるパートナーとしてレノボ・エンタープライズ・ソリューションズとパートナーシップを結んでいます。レノボ・エンタープライズ・ソリューションズが運営する「レノボ・エンタープライズ・センター」(東京・秋葉原UDX内)では、最新機種を用いた各種の検証作業を行うことができます。

電話でのお問い合わせ

03-3514-7823

株式会社大塚商会 CADプロモーション部戦略推進課

営業時間 9:00~17:30(土日祝日/当社休業日を除く)

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