Sandvik社がCAD / CAMネスティングソフトウェア「SigmaNEST 24 Suite」を発表

2024年 1月22日

Sandvik社 2024年1月18日

Sandvik社は2024年1月18日、同社製CAD / CAMネスティングソフトウェア群の最新版となる「SigmaNEST 24 Suite」を発表した。最新バージョンは、直感的で使いやすく、加工現場全体で生産性の向上を達成するためのツールを提供するものとなっており、ソフトウェア統合の深化、より効果的なUI、そして予測可能な高品質出力を促進するCAD / CAMの強化という3点でユーザーを支援する。

統合の深化によりコネクテッド工場のワークフローが効率化

スマートなオペレーションには、プラットフォーム全体とERPシステム間で、見積りやジョブのメタデータ、部品データ、材料在庫を共有する機能が不可欠である。

SigmaBEND APの統合が新しくなったことで、部品作成用の曲げデータならびに時間やコストの見積りのコネクテッド工場への自動転送が強化される。曲げ加工のプログラミングでは、SigmaNEST内での部品のインポートならびに、単一またはバッチ部品の曲げ回数、材料、曲げサイクルタイムなどの豊富な部品データをインポートするワークフローが迅速化される。このデータは、正確な見積りのために見積り担当者に渡され、また、生産管理者にも渡されるため監視が容易になる。このようにデータ転送が自動化されることで、手入力時のミスによるエラーが排除される。

新しいSigmaTUBE 24 for SOLIDWORKSは、SigmaNESTプラットフォームと完全に統合されている。

見積り、スケジューリング、負荷管理機能の向上とともに、ジョブおよび在庫システムへの強力な新しいアクセスが可能になった。この統合は、機械オペレーターが実際の切削時間を報告し、ミスカットした部品を再注文できるTUBE Feedbackアプリケーションによって、加工現場にも引き継がれる。チューブ材とリニア材がデータベースに統合されるため、ユーザーはネスティングされたコストに基づいて見積りを作成し、スクラップを在庫として割り当てられる。最終的に、SigmaTUBE SWのデータは、コスト見積りと照合のためのビジネスシステムにもリンクすることができる。

また、新しいSimTrans 24は、精通した顧客とIT担当者向けに、業務を合理化するためのデータ接続のカスタマイズに必要なツールを提供する。SimTransフィードバックエクスポートにより、オンデマンドでERPシステムを更新するためのデータトランザクションの完全な配列を設定することができる。

SimTrans 24にはSimTrans Studioが搭載され、SigmaNEST / SimTrans環境の検査と診断が柔軟に行えるようになった。Studioのウィンドウからは、アプリの整合性、SigmaNESTライセンス設定、データベースとプラグイン、ハードウェア環境、ショートカットの設定にアクセスすることができ、このように集中的なUIにより、迅速かつ確実に、ニーズに合った本番環境の設定とカスタマイズを行うことができる。

より効果的なUIで生産性の向上へ

加工・製造担当者は、リアルタイムの関連データに基づいて意思決定する能力を持つことで競争上の優位性を得られる。

SigmaNEST24では、タスクダイアログが拡張され、NCプログラマーがより広範な状況を認識できるようになるため、複数のプロジェクトを一度に処理することができるようになる。タスクウィンドウでは、ジョブの作成とロード、現場のタスクレポートへのアクセス、複数のタスクへ新しいコマンドを適用できるほか、シート消費量やスクラップ率などの主要な統計情報をモニターすることもできる。ベータ版のユーザーからは、新しいタスクウィンドウのおかげで各ジョブを個別にプログラミングする時間が何分の一にまで短縮化されたとの声が寄せられている。

新しいShop Manager 24では、ダッシュボードやKPIを作成して、どのようなウェブブラウザデバイスでも表示できるようになっている。営業ダッシュボードでは、営業と見積り担当者が成功率、週平均マークアップ、生産パイプラインなどのKPIにアクセスでき、生産管理者は、工場内の各マシンの材料使用量、稼働時間、枚数などのKPIをモニターできる。また、プログラマーは、スクラップ率、カット時間、材料データ、処理されたプログラムをはじめとするSigmaNESTプログラム情報を閲覧することができる。Shop Manager 24では、IT担当者がアプリケーション全体の各グループのアクセスレベルを容易に管理できるほか、個々の従業員をセキュリティグループ内のユーザー、管理者、または制限付きアクセスレベルに容易に追加することができる。

Quality Managerタブでは、返品された部品や破損した部品に関する顧客からのクレームを記録できるようになった。このようなクレームが発生した場合、それに関する不適合報告書(NCR)と是正処置および予防処置(CAPA)を作成し、メールで顧客に通知することができる。この記録は、その後も、部品、材料、機械の種類に関する根本原因分析や、将来の仕事の見積りに役立つ顧客関係についての知見を提供するものとなる。

バージョン24では、ビジネスシステムソフトウェアも強化されており、見積り担当者は、SigmaQUOTEとSigmaMRPの新しい合理化されたメニューにより、より迅速に見積りを作成できるようになった。シンプルで分かりやすいインターフェイスは習得しやすく、どのようなビジネスモデルにもカスタマイズしやすくなっている。SigmaMRPでは、複数の配送先住所を設定できるようになり、配送先の地方税率が自動的に適用されるようになった。

CAD / CAMツールの強化

使い勝手の良いツールがあると、プログラマーは機械や製造現場で予測可能な結果を出せるようになる。

レーザー、プラズマ、オキシフューエル、その他のプロファイル切断プロセスにおいて、SigmaNEST 24は、部品が切断されるたびに、その部品のプロファイルシーケンスを定義することができる。部品レベルで設定を行うのは1回のみで、プログラミングの手間を軽減させ、工程の信頼性が向上するほか、予測可能な切削結果を得られる。

SigmaNEST24では、パンチ工具がHD SuperNestエンジンで認識されるようになり、パンチおよびコンビネーション加工用の自動ネスティングおよび自動ツーリングが実現する。HD SuperNestは、パンチツールの境界を最適化し、一貫したウェブ幅でよりタイトなネストを作成する。

SigmaNESTのパターン打ち抜き機能により、共通の形状を持つ部品ファミリーに特定の工具を適用するよう、ソフトウェアをトレーニングすることができる。新しいElastic Tooling拡張機能は、サイズに関係なく、あらゆる部品について類似の使用ケースを検出し、その部品の特徴に指定された工具の使用を自動的に提案する。

残材の有効活用は、生産性の向上に不可欠な要素だが、SigmaNEST24は位置、サイズ、形状を素早く視覚化する残材のクロスシャッチング機能を備えており、生産現場の物流と保管についてのガイダンスを提供する。

3次元CAD / CAM製品に関するバージョン24の機能強化として、半径エッジを持つ角形チューブがサポートされるようになり、SigmaCTL24では長方形のチューブの作成が可能になるほか、インポートされたファイルの半径エッジを自動的に認識するようになった。

SigmaNESTのKevin Ramirez社長は、今回のリリースについて、「SigmaNEST 24 Suiteは、データループを閉じることで、特にファブリケーターを対象としたスマートな製造を推進します。ソフトウェアのシームレスな統合により使いやすいUIが実現し、データ接続を活用した生産性の向上を提供します」と述べている。

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