Trimble社が構造用BIMソフトウェア「Tekla 2024」をリリース

2024年 3月25日

Trimble社 2024年3月16日

Trimble社は2024年3月16日、同社製のBIM、構造エンジニアリング、鉄骨製作管理用ソフトウェアの最新版「Tekla 2024」を発表した。Tekla Structures 2024、Tekla Structural Designer 2024、Tekla Tedds 2024、Tekla PowerFab 2024はユーザーエクスペリエンスが向上しており、全ての建設プロジェクト関係者間でより統合されたワークフローを実現するためにコミュニケーションが強化され、コラボレーションが容易に行えるようになっている。ユーザビリティの向上により、Teklaの一連のソリューションは、経験豊富なユーザーにも新規ユーザーにも理想的なものとなっており、プロジェクトのスケジュールに沿った進行や予算内での遂行を支援する。

コラボレーションは、BIMを成功させるうえでの決定的要因の一つであるが、Tekla 2024では、業界標準の通信機能が強化され、ユーザーは、より多様な業界フォーマットを使用して、必要なドキュメントやモデル情報を効率的に提供することができるようになった。接続されたワークフローは持続可能な建設戦略の礎となる。そこでは、効率性の向上、リソース配分の最適化、廃棄物の削減、アセットの全ライフサイクルにわたる包括的なメンテナンスのサポートに重点が置かれる。

Trimble社のエンジニアリングおよびBIMソリューション担当シニアプロダクトディレクターのMichael Evans氏は「全ての関係者間の調整を改善することこそが、プロジェクトを時間通りに、そして予算とスケジュールに沿って遂行するための鍵となります。Tekla 2024は、全ての関係者の距離を縮める重要な一歩です」と述べている。

Tekla Structures 2024

Tekla Structures 2024は、スケジュールと予算を厳守できるようユーザーエクスペリエンスが向上しており、複雑な形状のプロジェクトに携わるエンジニアや詳細設計者に直感的なモデリングを提供する。自動化されたファブリケーション図面の複製機能により、鉄骨およびプレキャスト鋳造ユニット図面の作成に大きなメリットがもたらされるようになった。

Tekla Structuresの堅牢(けんろう)な変更管理機能によって、業界の規制に適合した図面を迅速に提供し、モデルデータをエラーなく転送して顧客要件に対応できるようになり、作業の効率化が実現する。

オープンな業界標準をサポート

BCF(BIM Collaboration Format)などのオープンスタンダードをサポートするようになり、業界ワークフローとの連携がさらに強化された。Tekla Structures 2024のユーザーは、プロジェクトの全てのフェーズを通じて、プロジェクトコラボレーター間でモデルベースの問題を伝達することができる。このソフトウェアでは、buildingSMARTプロパティは、改良および拡張されたIFCプロパティセットにより迅速にサポートされる。

ワークフローの統合

Tekla Structures 2024では、Trimbleのソフトウェア、ハードウェアおよびその他のサードパーティソリューション間の相互運用性が強化されており、より優れたコラボレーションを実現する新しい統合ワークフローを提供する。鉄筋形状生成も強化され、ファブリケーション、配送ロジスティクス、および現場オペレーションに最適化されている。現場とTrimbleのスキャニングハードウェアとのデータ交換により、ユーザーは現場から現況データを取得し、正確な設計を共有することができる。Tekla Structuresの指名ユーザーライセンスに含まれるTrimble Connect Business Premiumでは、モデルベースのステータス共有など、コラボレーションワークフロー機能が強化されている。

新規ライセンスの提供内容の拡大

Tekla Structuresユーザーは、一つのパワフルな製品で三つの製品を利用できるようになった。Tekla Structuresの「指定ユーザーライセンス」には、Trimble Connect Business PremiumおよびTekla Model Sharingが含まれ、オールインワンのソリューションとして提供される。Trimble Connect Business Premiumは、ワークフロー拡張や高度なBIMツールへのアクセスを提供し、より迅速で高品質なプロジェクト納品を実現する。

Tekla Structural Designer 2024

構造設計・解析ソフトウェアであるTekla Structural Designer 2024では解析機能が強化され、施工と荷重の順序を考慮した段階的施工解析が導入された。この完全自動化されたプロセスは、コンクリート構造物および鉄骨構造物の設計に適用でき、迅速かつ簡単に使用することができる。構造エンジニアは、建築やMEPなどの他分野の参照モデルを使用して、構造モデルとの互換性を確認することもできる。

Tekla Tedds 2024

Teklaの構造設計計算ソフトウェアの最新バージョンとなるTekla Tedds 2024は、Tekla Structuresとの構造設計情報とドキュメントのシームレスな統合をベースに、設計から詳細設計に至るまでのコラボレーションを向上させる。Tekla Tedds 2024では、定義済みの構造計算ライブラリおよびカスタム計算機能がアップデートされ、マルチマテリアル設計においても迅速性と信頼性が向上した構造要素設計を実現する。また、米国規格に対応した組積造の設計、欧米規格に対応した鋼製アングルの設計、欧米規格に対応した擁壁の解析・設計を提供する。

Tekla PowerFab 2024

鉄骨製作管理ソフトウェアTekla PowerFabの 2023i バージョンでは、ビジュアル変化管理および見積ジョブ原価計算が導入された。最新バージョンでは、サブコンの追跡、変更指示内訳、Trimble Connectを使用したBCF Topicsとの統合など、プロジェクト管理ツールの強化が図られている。BCF Topicsは、異なるソフトウェアを使用している企業間でのコラボレーションを可能とし、プロジェクトマネージャーが複数プロジェクトのフォローアップやTopicsのレポート作成を行うための能力を提供する。さらに、オフィスから現場へのコミュニケーションと透明性を向上させるため、Tekla PowerFab 2024では、カットリストの優先順位付けが新たに導入されている。

情報セキュリティ

Tekla製品は全て、情報セキュリティ管理の主要なグローバル規格であるISO27001認証に完全に準拠している。これは、データ共有が活発に行われる環境で求められるセキュリティを企業レベルで提供するためのTrimble社の継続的な取り組みの一環である。

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