地盤改良の設計計算 Ver.10がリリース

FORUM8新製品情報2023年12月:建築プラントスイート バンドル製品

本製品は、セメント系固化材を用いた深層・浅層混合処理工法の設計計算を行うプログラムです。改良体および地盤の安定計算、沈下の計算、円弧すべりの検討をサポートします(注1)。

建築基準として「2018年版 建築物のための改良地盤の設計および品質管理指針(日本建築センター)」、「改訂版 建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針(日本建築センター)」に準じた深層・浅層混合処理工法の設計、土木基準として「陸上工事における深層混合処理工法設計・施工マニュアル」に準じた深層混合処理工法、液状化基準として「河川堤防の液状化対策の手引き」、「液状化対策工法設計・施工マニュアル(案)」に準じた深層混合処理工法の設計が可能です。

  • (注1)準拠する基準によって、設計項目が異なります。

左:深層混合処理工法 右:浅層混合処理工法

建築プラント設計計算ソフトの最新情報を一冊に

建築プラント設計計算ソフトの最新情報を一冊にまとめた資料をご用意しています。無料ですので、お気軽にお取り寄せください。

資料ダウンロードお申し込み

Ver.10.0.0 改定内容

  1. 「建築基準:深層混合処理工法」建物下の独立基礎として、支点入力に対応
  2. 「土木基準:深層混合処理工法」構造物基礎下の複合地盤的設計手法に対応
  3. 許容支持力算定式の追加「建築基礎構造設計指針 2019年版」「土地改良事業計画設計基準・設計「ポンプ場」平成30年」

プログラムの機能と特長

対応項目一覧

セメント系固化材を用いた深層混合処理工法
適用基準検討項目対応形式
建築基準2018年版 建築物のための改良地盤の設計
および品質管理指針、
改訂版 建築物のための改良地盤の設計
および品質管理指針(H14)(日本建築センター)
鉛直支持力の検討
水平支持力の検討
偏土圧作用時の検討
円弧すべりの検討
沈下の検討
杭形式
壁形式
ブロック形式
全面改良
土木基準陸上工事における深層混合処理工法設計・
施工マニュアル(土木研究センター)
複合地盤的設計手法
  • 改良体の耐力の検討
  • 滑動の検討
  • 支持力の検討
構造物的設計手法
  • 外部安定の検討
    滑動の検討
    転倒の検討
    支持力の検討
  • 内部安定の検討
    改良体の耐力検討
    端し圧の検討
円弧すべりの検討
沈下の検討
杭形式
壁形式
ブロック形式
全面改良
(注)ブロック形式以外では
千鳥配置が可能
液状化対策河川堤防の液状化対策の手引き(土木研究所)
液状化対策工法設計・施工マニュアル(案)
(建設省土木研究所ほか)
転倒の検討
滑動の検討
支持力の検討
端し圧の検討
水平せん断力の検討
抜け出しせん断力の検討
鉛直せん断力の検討
円弧すべりの検討
格子形式
ブロック形式
セメント系固化材を用いた浅層混合処理工法
適用基準検討項目
建築基準2018年版 建築物のための改良地盤の設計および品質管理指針、
改訂版 建築物のための改良地盤の設計および品質管理指針(H14)
(日本建築センター)
改良地盤の鉛直支持力の検討
下部地盤の鉛直支持力の検討
パンチング破壊の検討

改良体の形式

2018年版建築物のための改良地盤の設計および品質管理指針(2018指針)に対応

2018指針準拠にした場合、液状化対策や戸建て住宅などの選択が可能です。2018指針の液状化対策では、格子配置が対象となっており、本製品でも格子配置に対応しています。また、液状化層より上の周面摩擦は考慮せず、照査項目も通常設計とは一部異なり、側方地盤からの外力に対する検討が追加されます。

基準の選択

側方地盤からの外力に対する検討

戸建て住宅などを選択した場合、スウェーデン式サウンディング(SWS)試験のデータを入力できます。SWS試験の結果をそのまま入力すれば、換算N値や一軸圧縮強度quを計算し、設計用の地盤データを自動的に生成できます。このとき、下部地盤の許容鉛直支持力度の算出に必要なNswも自動で算出されます。

SWS試験の入力画面

液状化基準による設計計算の概要

計算モデル

格子配置においては、下図の赤枠部分の様な検討用モデルを用いて改良率の計算および照査を行います。

左:格子配置検討用モデル 右:格子配置(液状化対策基準)

液状化の判定

本バージョンでは、液状化の計算自体は行いません。液状化に対する抵抗率FLを層ごとに設定し、その入力値によって非液状化/準液状化/完全液状化の判定を行います。

FL≦1.0...完全液状化
1.0<FL≦1.3...準液状化
1.3<FL...非液状化

  • * 準液状化層と判定される上限値(1.3)については、変更が可能です。また、液状化低効率により過剰間隙水圧比ruを算定します。

水圧の算定

通常の設計と大きく異なる点が土水圧の算定方法です。液状化の状態によって、算定方法が異なります。

完全液状化層

(a)液状化した土層の泥水圧+動水圧

準液状化層

(b)常時土圧+土水圧の漸増成分+動水圧
(c)間隙水圧を考慮した地震時土圧

  • * (b)(c)の大きい方を採用する。

非液状化層

(d)地震時土圧

間隙水圧を考慮した地震時土圧は、内部摩擦角度φと壁面摩擦角度δを過剰間隙水圧比により低減して算定します。

改良体の外的安定の検討

外的安定の検討として、下記の検討項目を実施します。

  • 滑動の検討
  • 転倒の検討
  • 支持力の検討

改良体の内的安定の検討

内的安定の検討として、下記の検討項目を実施します。

  • 端し圧の検討
  • 改良体全体の水平せん断の検討
  • 格子改良壁の抜け出しせん断の検討
  • 鉛直せん断の検討

全体安定の検討

液状化時の計算においては、過剰間隙水圧を考慮した有効応力法により、改良体の外側を通る円弧について検討を行います。計算方法としては、修正Fellenius法を用い、地下水以浅および盛土内ではテンションクラックを考慮します。安全率の算定には、過剰間隙水圧の増分のみを考慮し、地震時慣性力は考慮しません。

本プログラムでは、円弧中心の格子範囲、すべり円の刻み幅など詳細な設定を行えます。中心の格子範囲指定および半径の一定刻みを選択した場合は、最も厳しい結果を抽出して最終結果とします。円弧すべりの検討データは、別製品の「斜面の安定計算」の入力データファイル(*.f8m)として保存できます。

円弧すべりのモデル

液状化の判定機能(建築基準/土木基準)

下記の基準書に準拠した液状化の判定をサポートします。

  • 建築基礎構造設計指針(日本建築学会)2019年11月第3版
  • 道路橋示方書・同解説 V耐震設計編(日本道路協会)平成24年3月
  • 道路橋示方書・同解説 V耐震設計編(日本道路協会)平成29年11月(注1)
  • (注1)道路橋示方書(H29)による液状化判定は、「河川構造物の耐震性能照査指針・解説-IV水門・樋門及び堰編」と同じ内容です。

左:検討対象画面 右:液状化の判定計算条件画面

建築基準による液状化の判定

1.液状化発生に対する安全率FLにより、液状化の発生の可能性を判定します。

FL>1...液状化発生の可能性はない
FL≦1...液状化発生の可能性がある

ここに、

τL:水平面における液状化抵抗
τd:水平面に生じる等価な一定繰り返しせん断応力振幅
σz':検討深さにおける有効土被り厚(鉛直有効応力)

2.液状化による水平地盤反力係数の補正係数βLを測定点ごとに算定します。また、設定により層ごとの低減係数を算定することが可能です。

土木基準による液状化の判定

1.液状化に対する抵抗率FLにより、液状化の発生を判定します。

FL=R/L
FL>1...液状化が生じない
FL≦1...液状化が生じる

ここに、
R:動的せん断強度比 L:地震時せん断応力比

2.地盤種別および設計水平震度は、条件を指定し自動計算または直接指定することが可能です。

3.液状化による土質定数の低減係数DEを測定点ごとに算定します。また、設定により層ごとの低減係数を算定することが可能です。

4.道路橋示方書平成29年版と平成24年版の相違点
土木基準では、道路橋示方書の発行年を選択することができます。N1(有効上載圧100kN/m2相当に換算したN値)およびNa(粒度の影響を考慮した補正N値)の算定方法が異なります。

3Dアノテーション

製品メイン画面において、3Dモデル上でも形状寸法が確認できる3Dアノテーションに対応します。これまで2D図のみの寸法表示だったため、1方向からのみの寸法しか確認できませんでしたが、3Dアノテーションに対応することにより、3Dモデルにおいて、躯体の寸法を一目で確認することが可能となります。また、3D図左上の視点変更ボタンを選択することで、各方向からの寸法を確認できます。

3Dアノテーション表示

適用基準および参考文献

参考文献

  • 2018年版 建築物のための改良地盤の設計および品質管理指針 2018年11月30日(第1版) 日本建築センター
  • 改訂版 建築物のための改良地盤の設計および品質管理指針 平成14年11月30日(第1版) 日本建築センター
  • 陸上工事における深層混合処理工法設計・施工マニュアル 平成16年3月 土木研究センター
  • 河川堤防の液状化対策の手引き 平成28年3月 国研 土木研究所
  • 液状化対策工法設計・施工マニュアル(案) 平成11年3月 建設省土木研究所ほか
  • 建築基礎構造設計指針 2019年11月第3版 日本建築学会
  • 道路橋示方書・同解説 V耐震設計編 平成24年3月 日本道路協会
  • 道路橋示方書・同解説 V耐震設計編 平成29年11月 日本道路協会

製品価格

地盤改良の設計計算 Ver.10150,000円(税別)

フローティングライセンス価格

本体価格の40%を追加いただくことで、誰でもどこでもどのPCでも製品の利用が可能となります。

地盤改良の設計計算 Ver.1060,000円(税別)

サブスクリプション価格

対象製品初年度1年
地盤改良の設計計算 Ver.10 サブスクリプション無償60,000円(税別)
地盤改良の設計計算 Ver.10 サブスクリプションフローティング84,000円(税別)

サポート内容

  • バージョンアップ無償提供
  • 電話問い合わせテクニカルサポート
  • 問い合わせサポート(電子メール、FAX)
  • ダウンロードサービス
  • 保守情報配信サービス

本製品を除くお得なスイート製品については、製品情報にてご確認ください。

建築プラントスイート 製品情報