大げさに考えないカスタマイズ

最近、お客様からのご相談内容について、数年前と内容が変化してきているように感じています。
数年前までは、

「設計環境の改善、移行に伴う設計業務の見直し」
(例えば3次元CAD導入に伴う設計業務見直しなど)

といった、設計業務全体に関わるテーマでのご相談が多かったように思いますが、最近では、

「CADを利用時の○○という作業を△△したい」

といった具体的な作業を想定したご相談が増えてきているように感じます。
その理由としては、

  • 「3次元CADの利用率が上がってきたが、一部で効率の悪い作業がある」
  • 「前職や他部署で使っていたCADの機能が今のCADにない」

といった事が考えられます。
ただ、数年前も今も設計業務の効率化というテーマが根底にある事は変わりないですし、最近は、より具体的な検討が始まってきているのでは?と感じています。

設計業務の効率化、特にCADの作業の効率化を図る手段の一つとして、CADのカスタマイズによる自動化、省力化が挙げられます。カスタマイズというとすこし敷居が高いと感じられるかもしれませんが、ここでは「面倒な作業から開放されるコマンドをCADに付ける」ことを指します。また「面倒な作業」とは日々発生する単純な繰り返し作業を指すとしたら少し身近なものにものに感じられませんでしょうか?

面倒な繰り返し作業をCADのカスタマイズで効率化した実例を冒頭の「CAD利用時の○○という作業を△△したい」に合わせて挙げると、

  • スケッチ拘束を1対nで行いたい。(基本的には1対1)
  • 質量や体積などの計測値を表示させながら設計したい。
  • 3D上でアセンブリ構成をExcelに書き出したい。

など2,3の手順を踏めば実現できるごく簡単な作業ばかりです。しかし、何度も何度も繰り返し行われる作業ですと、三つの手順を一つにするだけで、効率を上げることができます。カスタマイズも、マクロレベルで対応可能な簡単なもので実現できます。

例えば、「3D上でアセンブリ構成をExcelに書き出したい」という内容に関して見てみると、標準機能では、

  1. 部品表コマンドの実行
  2. Excel形式で保存
  3. データの編集と体裁の調整

といくつかの手順を踏む必要が出てきます。それぞれの作業は、それほど難しい作業ではないですが、繰り返し作業を行うことを考えると、非常に手間が掛かります。
この作業をカスタマイズで一つの機能にしてしまう事により、

  1. アセンブリ構成のExcel書き出しコマンド実行

のみで作業を完了する事ができます。作業時間は数秒、さらに手作業によるミスも発生しません。

このようにカスタマイズといっても難しく考えず、まずは何気ない日常の繰り返し作業を見直し、三つの手順を一つにできないかな?といった事を検討されてみてはいかがでしょうか?意外と簡単に効率化できるかもしれません。

私達は、このような小さな効率化を積み上げて生まれた時間的余裕を、本来時間を掛けるべき作業にまわしていただき、お客様の生産性向上・競争力強化に繋げていただく為の、ご支援をさせていただいています。

小さな効率化の積み上げはやがて大きな効果を生み出します。ご興味があればご相談ください。

この記事を書いた人:K.S

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