射出成形プラスチック部品における生産性改善を実現
2021年 4月 7日
製造業
Autodesk Moldflowは、プラスチック部品の成形プロセスで発生するさまざまな問題を改善するための世界No.1シェアを誇る樹脂流動解析ソフトウェアです。下位グレードであるAutodesk Moldflow Adviserは、射出成形プラスチック部品の設計および金型検討段階における生産性をシミュレートすることができ、主に解析の専門家ではない部品および金型設計者が試作前に充填、反りなどの傾向分析に使用します。
設計不良の早期発見、改善のためCAEが設計者の身近なツールになっている昨今、さまざまなソフトウェアがある中で、なぜAutodesk Moldflowは売れ続けているのでしょうか? Autodesk Moldflow Adviserのお勧めポイントをご紹介します。
1.抜群の操作性
解析機能は、樹脂流動解析の基本となる熱可塑性樹脂の充填、保圧、反り、冷却、繊維配向のみとなります。単品の充填だけであれば、「モデル読込」→「樹脂入口指定」→「解析条件設定、計算実行」→「結果表示」の4ステップのみの簡単な操作で解析できるようになっています。解析条件設定および計算実行の手順は、解析ウィザードに従い入力するだけとなります。また、成形条件などは自動的に推奨値が入力されるため成形知識のないユーザーでも容易に扱えます。
2.設計者に易しい結果アドバイザ機能
画面上でうまく読み取れない結果や何が起こっているか分からない場合は、結果アドバイザ機能を使うことにより状況の把握をすることができます。さらにヘルプ機能により不具合に対する対処法を調べることができます。
3.マルチCAD対応
ファイルの読み込みは、他社製3D CADや中間フォーマットに対応しており、協力企業とのデータのやりとりを円滑に行えます。
主な読み込み可能ファイル
- ステレオリトグラフィ(.stl)
- Autodesk Inventorパーツ(.ipt)
- SAT(.sat)
- STEP(.stp、.step)
- IGES(.igs、.iges)
- CATIA V5パート(.catpart)
- NX(.prt)
- Creo(.prt)
- Parasolid(.x_t、.x_b)
- SolidWorksパート(.sldprt)
4.材料データの入手のしやすさ、豊富さ
樹脂流動解析を行うに当たり実際に使用する樹脂のデータがあるかないかは重要な問題です。Moldflow Adviserは10000グレード以上の熱可塑性樹脂材料データが登録されており、材料データ収集に労力を費やす手間が省けます。また、数多くの材料メーカーがMoldflowのユーザーであることからデータベースにない材料データの入手が容易です。
5.Dual Domainメッシュ
Dual DomainメッシュはAutodesk社の特許技術で、3D CADモデルの表面にのみ要素を作成し解析に使用します。対象は薄肉成形品となり、成形品表層間の樹脂流動が層状と仮定し解析します。3Dメッシュと比較し短時間で同様の結果を得ることが可能です。
6.反りの要因分析
部品に生じる反り変形は、部品形状による収縮差、金型冷却(冷却管)による温度差、流動による繊維配向の影響を考慮し計算されます。それぞれの影響による反り量を表示することができ、反りの改善に有効な対策が分かります。
要因ごとの反り結果表示
7.導入しやすいライセンス形態
Moldflowはサブスクリプションでの販売となっています。導入初期費用を抑えることができ、年度ごとにライセンスの増減も容易に検討いただけます。
最後に
解析は専門家が実施するもので設計者には難しいでしょうか? ここでいくつかのポイントを挙げた通り、Moldflow Adviserは手間がかからない簡単操作により短時間で解析を実行し、読み取りやすい結果から設計改善案を導き出すことができます。射出成形プラスチック部品の生産性を上げたいとお悩みでしたらぜひご検討下さい。