プラスチック部品の成形現象を徹底解明!
2021年 6月25日
製造業
Autodesk Moldflowは、プラスチック部品の成形プロセスで発生するさまざまな問題を改善するための世界シェアNo.1を誇る樹脂流動解析ソフトウェアです。上位グレードであるAutodesk Moldflow Insightは、成形現象をより細かく分析することができ、射出成形だけではなく特殊な成形技術に特化したパッケージも用意されているため、部品、金型設計から成形技術者、さらに研究者まで幅広く利用されています。
ここでは、Autodesk Moldflow Insightが多くのユーザーに使用されているポイントを幾つかご紹介します。
高い解析精度
Autodesk Moldflow Insightは、厳密な成形条件、解析モデルを定義し解析することにより、高い精度の解析結果を得ることができます。
実際の成形条件の入力
充填および保圧条件は、自動設定からラム速度プロファイルなど実成形条件の定義が可能です。また、充填、保圧工程とも多段の設定も可能です。
厳密な金型構造のモデル化
金型構造は、入れ子、3D冷却管、ヒーターなどの詳細をモデル化することができます。
メッシュ機能
メッシュは全体、局所サイズ、厚み方向の層数の指定、および手動での修正が可能となっています。メッシュ品質を考慮した解析モデルを作成することができます。
豊富な解析バリエーション
解析機能は充填、保圧、反り、冷却、繊維配向の基本的な機能だけではなく、さまざまなバリエーションの解析が可能です。
Autodesk Moldflow Insightで可能な解析バリエーション
- 熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の射出成形
- インサート、2色成形
- 最適化、実験計画法
- ヒート&クール
- コンフォーマル冷却
- 複屈折
- リアクティブ射出およびトランスファー成形
- ガスアシスト射出成形
- コインジェクション成形
- 射出圧縮成形
- 圧縮成形
- 半導体封止
- Mucelなど
- * ライセンスのグレードにより使用可能な機能は異なります。
クラウドの活用
Autodesk Moldflow Insightは、新しい解析の運用スタイルとして、メッシュ生成および解析をクラウド上のリソースを利用して実行することができます。クラウドを活用することにより、複数の解析の同時実行をすることができるため、解析稼動率がピーク時の負荷オーバーを解決することができます。
- * クラウドを利用する場合はクラウドクレジットの購入が必要です。
繊維強化樹脂部品の強度評価
繊維強化樹脂部品の強度評価は、繊維配向による材料の異方性、非線形性、および残留応力の影響を考慮する必要があります。同じオートデスク製品である複合材解析ツールHelius PFAと構造解析ツールInventor NastranとMoldflow Insightを連携することにより繊維強化樹脂部品を高い精度で強度評価することができます。
マルチCAD対応
Autodesk はマルチCAD に対応しています。主な他社製3D CAD や中間フォーマットに無償で対応しており、協力企業とのデータのやりとりを円滑に行えます。
読み込み可能ファイル
- Ansys Prep 7(.ans)
- I-DEAS ユニバーサル(.unv)
- Nastran(.nas)
- Nastra バルクデータ(.bdf)
- PATRAN(.pat、*.out)
- ステレオリトグラフィ(.stl)
- Autodesk Inventorパーツ(.ipt)、Autodesk Inventorアセンブリ(.iam)
- SAT (.sat)
- STEP(.stp、.step)
- IGES(.igs、.iges)
- CATIA V5パート(.catpart)、CATIA V5アセンブリ(.catproduct)
- NX(.prt)
- Creo(.prt)
- Parasolid(.x_t、.x_b)
- SolidWorksパート(.sldprt)、SolidWorksアセンブリ(.sldasm)など
最後に
Autodesk Moldflow Insightは、プラスチック部品を扱うあらゆる業界で採用されており、設計部門から生産技術部門まで幅広く使用されています。また、多数のユーザー事例が発表されており解析精度の信頼性は折り紙付きです。
樹脂部品の不具合を徹底的に解明したい、特殊な成形プロセスの生産性向上を目指したい方はぜひご検討ください。