工場レイアウト変更時は、まず現況を把握することが必要です。
現況把握は写真撮りや巻尺での計測がまだまだ一般的です。しかし、写真からは実寸は把握できませんし、巻尺での継続は工数がかかりますし技術も必要です。また、測り忘れの箇所があれば物理的に再計測をしなければいけません。
2021年 5月10日
製造業
生産バリエーションが多い企業はレイアウト変更が日常茶飯事で、多くの企業が工場レイアウト設計を機械系2D CADや汎用2D CADにて行っていますが、2D設計では効率化を図れていないケースを多くお聞きします。
工場レイアウト設計を3D化するとどのようなメリットがあるのでしょうか。「現況把握」の前編と「レイアウト設計の3D化」の後編でお伝えします。
下記はある企業のレイアウト変更に関する例です。
工場レイアウト変更時は、まず現況を把握することが必要です。
現況把握は写真撮りや巻尺での計測がまだまだ一般的です。しかし、写真からは実寸は把握できませんし、巻尺での継続は工数がかかりますし技術も必要です。また、測り忘れの箇所があれば物理的に再計測をしなければいけません。
図1はレーザースキャンで取得した点群データをAutodeskのソフトウェアRecapで編集したデータです。
このデータは計測も可能です。例えば、左側の青い工作機械から右側の作業台までのスペースをデジタルで計測することができます。また、設置済みの工作機械を消去して3D CADで設計した装置のデータを配置してレイアウト変更後のイメージを視覚的にとらえることが可能です。
点群データとは、その名の通りですが位置情報と色の情報を持った点の集まりのことをいいます。
このような点群データを取得するにはレーザースキャナーが必要です。ひと昔前まではレーザースキャナーは高額かつ大型なため、導入や運用は大変でした。しかしスキャナーは多様化し検討を進めやすい製品も増えてきています。
ライカジオシステムズのBLK360は、重量約1kg、大きさもロールケーキ程度と手のひらサイズのレーザースキャナーです。軽くて移動がしやすく気軽に計測できます。
現況を効率的に把握したら、そのデータを生かして「レイアウト設計の3D化」を進めていきます。後編もあわせてご覧ください。