工場丸ごと大改善 工場レイアウト設計の3D化 後編 ~レイアウト設計~
2021年 7月26日
製造業
生産バリエーションが多い企業はレイアウト変更が日常茶飯事で、多くの企業が工場レイアウト設計を機械系2D CADや汎用2D CADで行っていますが、2D設計では効率化を図れていないケースを多くお聞きします。
前編では「現況把握」をキーワードにお伝えしましたが、後編は「レイアウト設計の3D化」をテーマにお伝えします。
工場丸ごと大改善 工場レイアウト設計の3D化 前編 ~現況把握~
レイアウト設計の3D化
AutodeskにはFactory Design Utilitiesという2D / 3Dの工場レイアウト検討の支援ツールがあります。工場レイアウトの検討、設計作業は汎用的な2D CADで行われるケースが多いと思いますが、専用ツールを活用すると業務効率化を実現できます。
Factory Design Utilitiesには、アセットとよばれる豊富な設備ライブラリが標準搭載されています。コンペア、フォークリフト、安全柵などをはじめとして工場に必ず存在する設備のライブラリが搭載されています。
これを2次元、3次元上に自由に配置していきます。汎用CADではこれらの設備も一から設計する必要があるため、これだけでも十分な効率化が図れます。
これはAutoCAD上に標準で搭載されているアセットを配置している図です。クレーンなどを設計する必要がなくライブラリから選択し配置していく形です。
Factory Design Utilitiesは2Dと3Dの連携機能がありますので、配置したアセットを簡単に3D化することができます。
そして、このデータをNavisworksに持っていくとレーザースキャナーで取得した既存設備との干渉チェックやウォークスルーなどが可能です。Navisworksとは、Autodesk社の多機能ビューアーです。2D主体の検討に比較して、効率化やリスク回避を実現できます。
こちらはNavisworksの画面です。Navisworksは60以上のファイル形式をサポートしており、それらを一つの画面で確認できます。ビューアーといいつつも複数の機能を持ち、市場でも非常に高い評価をいただいています。
画像Dの通りウォークスルー機能もあり工場内を人が歩くとどのようなイメージなのか、シミュレーション可能です。
これはレーザースキャナーで取得した点群データ上にCADデータを配置している図です。実際に装置を納品、据え置きする前に画面上で視覚的に確認ができることはメリットがあります。ほかの装置や周辺設備との干渉のチェックなども可能です。
こういった事前のシミュレーションなしでの納品はリスクが大きいですし、もし何か問題が起きたときはコスト的な損害も大きくなる可能性が高くなります。現況をレーザースキャナーで点群化することで、そういったリスクを削減できます。
レーザースキャナーの活用やレイアウトの3D化が設計業務にもたらすメリットを感じていただけましたでしょうか?
大塚商会ではレーザースキャナーの選定から運用までご提案できます。設計の3次元化も含めこのような取り組みをご検討されているお客様はぜひお気軽にご相談ください。