オートデスクの建設クラウド「Autodesk Docs」とは

2021年 8月18日

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2021年2月にAutodesk Docsが発表され、AEC Collectionユーザーが利用できるようになりました。

そして7月7日から「BIM 360 Docs」の名称が「Autodesk Docs」へ変更されました。オートデスクアカウント上に表示されていたBIM 360 Docsの名称も自動で「Docs」に切り替わっています(既にBIM 360 Docsを使われているユーザーは変更の必要はありません)。

BIM 360に関する変更点と新しいプラットフォーム

これでオートデスクのクラウド新規販売に関して「BIM 360」という名称はなくなりました。

オートデスク社におけるクラウドの変遷

オートデスクが昔も今も、クラウド製品にいかに力を入れているかはブランド名にこだわらず機能を追求してきた証しです。

Autodesk Buzzsawから始まったクラウドにコラボレーション(共同作業)という考え方を持ち込んだ新しい利用方法。そして無償のAutodesk 360。次に建築に特化したBIM 360 FieldとBIM 360 Glueを発売し、製造系ではFusion 360やAutodesk PLM360などへ派生していきます。この後建設系のブランド名をBIM 360に統一し、一度は完全にシリーズ化しました。

オートデスクは2021年、建設向けクラウド製品を「Autodesk Construction Cloud」へ名称変更を発表しました。意匠から積算、施工、管理までの全てを一つのクラウドで完結できるよう開発を進めていくとのことです。

今までのBIM 360シリーズに加え、2019年に1,500億円以上(円換算)で買収したPlanGrid、Assemble、BuildingConnectedを加え、建設全体の作業をこれでカバーしていく計画です。

Autodesk Construction Cloudに一本化した背景

Autodesk Construction Cloudへの変更は、今までのBIM 360ではユーザーが管理しづらかった点やライセンス上の不整合を取り除くことも目的の一つになっていると思われます。分かりにくかった製品群はセールス泣かせであり、管理のしづらさはユーザー管理者泣かせでした。

Autodesk Construction Cloudは今後も拡充が進む

日本では今秋発売予定のBuild、TakeOffがローカライズとモニタリングを進めPlanGridもラインアップに加わる予定です。

日本の建設業界、特に施工において不可欠な黒板機能、紙データからPDF化する際のOCRなどが整理されたツールが国内を見回したときにないのも確かです。過去から今までのデータや指摘事項、変更項目が一気通貫で見ることができるのはおそらくAutodesk Construction Cloudだけでしょう。

PhotoructionやANDPAD、SPIDERPLUSといった施工向け写真管理ソフトはありますが、BIMの本筋からは離れており、単独のアプリとして各々の機能をクラウドで利用ということになります。

また、REVIZTOのようにBIM 360シリーズより機能的に優れているところはあるものの、業界やまた部署間を超えて「つなぐ」ことが今後大事になってくることを考えると本家本元のオートデスク製品「Autodesk Construction Cloud」に軍配があがります。

施工だけで使うのではなく、設計段階からも使えるということは強みかもしれません。

Autodesk Construction CloudのAutodesk Docsがまず入門編として、AEC Collectionユーザーで利用を開始、また単体での販売も始めたことで建設DXに戸惑っている建設業界に一石を投じるのではないかと期待しています。

次回はAutodesk DocsとBIM 360 Docsの簡単な違いを説明します。

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