Autodesk InventorとFusion 360の違い(アセンブリ編)
2023年 4月17日
製造業
機械設計機能をはじめとする豊富な機能をオンプレミス環境で提供するAutodesk Inventorと、クラウド環境で提供するFusion 360。いずれも3次元設計を行うための強力な3D CAD機能を搭載しており、一見同じような機能が使えるように見えますが、実はそれぞれ異なる点や特徴があります。
今回はその中でも、製品設計で重要となるアセンブリ作成に関する機能の違いをご紹介します。
異なるファイル構成
Fusion 360とInventorでは、まずファイル構成が異なります。
Inventorではパーツ、アセンブリ、図面、プレゼンテーションなど、要素ごとに固有のファイルを作成します。
対してFusion 360では、パーツ/アセンブリで同じ「デザイン」として作成します。デザイン内のコンポーネントが一つならパーツ、複数コンポーネントが作成されるとアセンブリとして扱われます。
アセンブリ拘束
Fusion 360のジョイント
Fusion 360では「ジョイントコマンド」によりコンポーネントを組み付けます。面・エッジ・点を指定してジョイント点を定義し、ジョイント点同士でコンポーネントを配置したり、相対的なモーションを定義したりできます。定義するたびに固定位置と自由度をセットで定義する必要があるため、設定が煩雑な面があります。
Inventorの拘束とジョイント
Inventorでは「拘束」や「ジョイントコマンド」でコンポーネントの配置や機構を定義できます。拘束で面、エッジ、点などの要素同士でコンポーネントの配置位置を定義するシンプルな方法で位置合わせができるほか、ギアやラック&ピニオンのような動きを容易に定義できます。
ジョイントでは、ジョイント点を指定して機構を想定した組み付け状態を定義できます。「自動」タイプにしておくことで適したジョイントタイプを自動選択するため、よりスムーズにアセンブリを構築できます。
挿入と同時に拘束が定義される「iMate」
Inventorでは手動で拘束を定義するほか、事前にコンポーネントに拘束条件を定義する「iMate」を設定しておくことで、アセンブリに挿入したときに自動的に拘束が定義されます。製品内で多数使用するコンポーネントをより効率よく追加・配置できます。
標準部品
Fusion 360では標準部品として「Parts4cad」や「TracePars」といったコンテンツサイトからサプライヤーや製造元のカタログデータをダウンロードして利用できますが、事前に必要なデータをダウンロードしておく必要があります。
Inventorでは「コンテンツセンター」に各種規格に準拠した標準部品が用意されており、即座にアセンブリへ挿入して使用できます。「Partsolutions」や「TracePats」からカタログデータをダウンロードして使用することも可能です。