Autodesk Inventorは、製品設計から製品開発工程全体を支援するプロフェッショナルレベルの3D CADソフトウェアです。3D機械設計、図面作成、製品シミュレーションのためのツールセットを装備しています。
また、さまざまな形状をスムーズに作成する自由度の高いモデリング能力を備え、大規模アセンブリも作業性良く、初心者にも使いやすい点が魅力です。有限要素解析(FEA)、機構シミュレーション、データ管理、配線・配管設計、金型設計のための機能も標準で準備されています。
2023年 4月10日
製造業
製品形状を立体で表現しながら、3次元で設計を行う機械設計向けの3D CAD機能をオンプレミス環境で提供するAutodesk Inventorと、クラウド環境で提供するFusion 360。機能や特徴に違いはあるもののそれぞれ設計者がイメージする製品形状を作成するためのモデリング機能が搭載されています。では、2次元図面の作成機能はどうでしょうか?
今回は開発プロセスで避けては通れない、2次元図面の作成機能で各製品の違いをご紹介します。
Autodesk InventorとFusion 360の違いについて解説する前に、それぞれの概要について解説します。
Autodesk Inventorは、製品設計から製品開発工程全体を支援するプロフェッショナルレベルの3D CADソフトウェアです。3D機械設計、図面作成、製品シミュレーションのためのツールセットを装備しています。
また、さまざまな形状をスムーズに作成する自由度の高いモデリング能力を備え、大規模アセンブリも作業性良く、初心者にも使いやすい点が魅力です。有限要素解析(FEA)、機構シミュレーション、データ管理、配線・配管設計、金型設計のための機能も標準で準備されています。
Fusion 360は、クラウドをベースとした3D CAD、CAM、CAE、コラボレーションなど、会社や部署をまたがって使用できるという特徴を持ったシステムです。
ソリッドモデリングやサーフェスモデリングによる設計はもちろん、フリーフォームモデリングによるコンセプトデザインやスキャンデータを取り込むリバースエンジニアリングも可能です。
Fusion 360、Inventor、いずれのCADシステムでも設計プロセスで作成した3次元モデルを参照し、任意の方向へ投影した図面ビューを配置しながら2次元図面を作成します。
図面の作成方法は同じですが、対応してる規格が異なります。Fusion 360はISOとASMEにのみ対応しており、JISは非対応です。InventorはISO、ANSI(mm / inch)などのほか、JIS規格にも対応しています。
Fusion 360 | ISOとASMEにのみ対応 |
---|---|
Inventor | ISO、ANSI(mm / inch)、JISに対応 |
製図規格がJISに対応しておらず、ビューやアノテートアイテムの表記方法が異なる部分がある
JISをはじめ各種国際規格に準拠した図面を作成可能
Fusion 360とInventor、いずれも次の標準的なアノテートアイテムを作成するコマンドを搭載しています。
Fusion 360では、アノテートアイテム・記号をライブラリに登録して流用する機能はありません。
Inventorでは、アノテートアイテムやスケッチをシンボルライブラリに登録して流用することができます。使用頻度の高い注記や記号などをライブラリ登録すれば、より素早く図面へ追加できます。
Fusion 360では、寸法に対して対称・偏差・範囲といった許容差タイプは指定できますが、はめあいの許容差タイプは定義できません。
Inventorでは、対称・許容差のほか、はめあい公差にも対応しており、製品図面で必要となる一般的な許容差設定を網羅しています。