AutoCADブロックの挿入と修正方法

2024年 5月 7日

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AutoCADでブロックを使いこなすには? Vol.4

前回・前々回の記事では、内部ブロック・外部ブロックの基本的な作成方法、また属性付きブロックの使用例と作成方法をお伝えしました。今回は、作成したブロックの挿入方法と知っておくべきブロックの修正方法についてご説明します。

ブロックの挿入方法

一覧から内部ブロックを挿入する

1.挿入タブ/ブロックパネル/挿入下向き▼を押します。

2.ファイル内に登録された内部ブロックの一覧が表示されます。

図1

3.挿入するブロックをクリック(シングルクリック)し、挿入位置を画面上でクリックします。挿入位置を選択する前にオプションを使用して尺度や回転方向を変更できます。

図2

属性付きブロックを挿入した場合は挿入位置を指示すると、下図の属性編集ダイアログが表示されます。

図3

ブロックパレットを使用する

ブロックパレットを使用すると、内部ブロック、外部ブロックの挿入ができます。また選択したタブによって、現在のファイルでの内部ブロックの挿入、最近使用したブロックの挿入、お気に入りの登録、ライブラリの指定ができます。

1.挿入タブ/ブロックパネル/挿入下向き▼を押します。最近使用したブロック、お気に入りブロック、ライブラリのブロックのいずれかを選択します。どの項目を選択しても同じパレットが開きます。または表示タブ/パレットパネル/ブロックを選択します。

図4

2.用途に合わせてタブを選択します。

図5

現在の図面タブ

カレント(現在の)ファイルの内部ブロックの一覧が表示され、選択したブロックをカレントファイルに挿入できます。上部のボタンを使用して外部ブロックをカレントファイルに挿入することもできます。挿入するブロックのアイコンをクリックし、画面上で挿入位置をクリックします。

図6

最近使用タブ

最近使用した内部ブロックの履歴一覧が表示され、選択したブロックをカレントファイルに挿入できます。同じ名前のブロックが複数のファイルに存在し、それぞれ使用した履歴がある場合は、下図のように表示されます。必要に応じて必ずパス(参照先)を確認してご使用ください。

図7

ブロックの上で右クリックし、最近使用したリストから除去で不要のアイコンを除去できます。リスト全体をクリアする場合は最近使用リストをクリアを実行します。

図8

お気に入り登録タブ

よく使用するブロックを登録できます。現在のタブまたは最近使用タブのブロックアイコンの上で右クリックし、お気に入りにコピーを選択します。お気に入りタブに登録されます。

図9

  • * 作成元のパス(参照先)に留意してご使用ください。

ライブラリタブ

指定した外部ブロックの保存先フォルダーを参照できます。

図10

3.フィルターの使用について

パレットに表示されるブロックの数が多い場合、フィルターの機能を使用すると便利です。フィルター機能ではワイルドカードの使用が可能です。「AT*」で検索すると下図のように表示されます。

図11

ブロックの修正方法

ブロックの形状を修正する

ブロックの形状を修正(更新)する方法は三つあります。

同じ名前でブロックを再定義する

全く違う形状に修正する、ブロックの挿入位置を変更する、属性付きブロックの修正を行うのに適しています。

図12

ブロック形状の一部を修正する

ブロック以外の形状を確認しながら、ブロックの修正をするのに適しています。ネストされた(構造的に階層ある)ブロックの編集に使用します。

1.修正するブロックを選択し、右クリックのメニューからインプレイスブロック編集(REFEDIT)を実行します。

図13

2.ダイアログより編集するブロックを選択し、OKします。ネストされたブロックの場合、下の階層のブロックも選択できます。

図14

3.形状を修正します。

図15

4.参照編集パネル/変更を保存を実行します。参照編集パネルは、インプレイスブロック編集(REFEDIT)実行中のみ表示されます。

図16

5.メッセージダイアログをOKで終了します。

図17

6.下図のようにブロックが更新されます。

図18

ブロックをダブルクリックして修正する

AutoCADの既定値では、ブロックをダブルクリックすると、ブロックエディター(BEDIT)が動作します。このコマンドは通常ダイナミックブロックを修正するときに使用します。一般のブロックの修正、例えば部品と部品の位置関係を確認しながら修正したいような場合はインプレイスブロック編集(REFEDIT)をお勧めします。

ダブルクリックで起動するコマンドの変更はカスタマイズダイアログ/ダブルクリックアクションで変更可能です。

図19

ブロックの名前を変更する

ファイル内のブロック名を変更できます。以下のような場合に名前の変更をします。

  • ほかのファイルからブロックを含むオブジェクトをコピー/貼り付けを実行した場合、貼り付け先のファイルに同じ名前のブロックが存在する(ファイル内に同じ名前のブロックは存在できません)。
  • 分かりやすい名前に変更する必要がある。コピー/基点コピー/切り取り/基点切り取り後、ブロックとして貼り付けを実行すると、AutoCADが一意性のブロック名を自動的に命名します。

図20

1.コマンドラインに直接RENAMEと入力し、Enterします。

図21

2.名前変更ダイアログでブロックを選択します。

図22

3.名前を変更したいブロックを選択すると、元の名前に表示されます。

図23

4.新しい名前に変更後のブロック名を入力し、OKします。

図24

名前が変更されたのが確認できます。

図25

属性付きブロックの属性のプロパティを変更する

1.属性付きブロックをダブルクリックします。拡張属性編集ダイアログが開きます。

図26

2.属性タブで編集する属性名称を選択します。

値→属性タブで変更

文字のプロパティ→文字オプションタブで変更

図27

そのほかのプロパティ→プロパティタブで変更

図28

下図のように変更できます。

図29

AutoCADでブロックを使いこなすには? の記事は今回で最終です。皆さま、いかがでしたでしょうか? お仕事の作業効率アップに少しでもつながれば幸いです。