AutoCADで面積を計測する
2024年 9月30日
共通
AutoCADで計測するには? Vol.3
前回の記事では「長さ」に特化して、より実務に役立つ計測方法をご紹介させていただきました。キーワードは「ポリライン」でしたね。今回は計測する内容を「面積」に特化して、より実務に役立つ計測方法をお伝えしたいと思います。
計測コマンド(MEASUREGEOM)
AutoCADには「計測コマンド(MEASUREGEOM)」があり、オプション「面積」を使用することで面積の計測ができることを前回の記事で解説しました。今回の記事では詳細な手順について確認しておきたいと思います。
マウスでクリックする
1.「計測コマンド(MEASUREGEOM)_面積」を実行します。
2.マウスで面積を計測するエリアの境界を、オブジェクトスナップを使用して順番にクリックします。
3.オプション「円弧」を選択します。
4.円弧の境界を指定できる条件をオプションから選択します。今回は「中心」を選択、円の中心を指示します。
5.終点をマウスで選択し、Enterします。下図のように緑色の範囲の面積を計測できます。
6.「F2」キーでコマンドウィンドウの履歴から、計測結果をテキストデータとして取得することもできます。
オブジェクト単位で加算/減算する
事前に加算/減算するオブジェクトとして、長方形、円、閉じたポリラインなどが必要です。
1.「計測コマンド(MEASUREGEOM)_面積」を実行します。
2.オプション「面積を加算」を選択します。
3.次にオプション「オブジェクト」を選択します。
4.加算の対象オブジェクトを選択しEnterします。
5.次にオプション「面積を減算」を選択します。
6.次にオプション「オブジェクト」を選択します。
7.減算の対象オブジェクトを選択しEnterします。今回は円三つです。下図のように緑色のエリアの面積が計測されます。
8.「F2」キーでコマンドウィンドウの履歴から、計測結果をテキストデータとして取得することもできます。
オブジェクト単位で加算/減算する場合の注意
オブジェクト単位で加算/減算する場合、減算する対象オブジェクトが加算する対象オブジェクトのエリアを超える部分があると意図しない結果となります。
下の図形を「オブジェクトの加算/減算」で計測すると、以下の結果となります。本来ほしい計測結果は「6421.4602」ですが、「6185.8407」となり差異があります。
これは左上に配置された「円」に原因があります。加算対象オブジェクトの長方形のエリア外に減算オブジェクトの3 / 4円があるため余分に減算されてしまいます。ご理解のうえオペレーションを行っていただくと、正しい計測が可能だと思います。
もっと効率よく面積を計測するには
さて、前項でご紹介した「計測コマンド(MEASUREGEOM)」ですが、手数が多く使いづらい印象をお持ちではないでしょうか? 効率よく面積を計測するには別の方法があります。
ハッチングオブジェクトを利用する
ハッチングオブジェクトを利用すると、メカ系では部品の断面積、土木系では土工の面積の計測にとても有用です。
1.計測したいエリアに事前にハッチングを作成します。
2.「オブジェクトプロパティ管理」で面積を確認します。電卓ボタンを押して「クイック計算」ダイアログから値をテキストとして取得することができます。
3.「LIST」コマンドを使用しても面積を確認し、値をテキストとして取得することができます。
ポリラインを利用する
ハッチングオブジェクトを作成するのが難しい場合は、閉じたポリラインを作成します。下図のようにオフィスのパーティションで区切られたエリアの面積を測定したい場合です。
1.「ポリライン(PLINE)」コマンドで下図のようにポリラインを作成します。
2.「オブジェクトプロパティ管理」・「LIST」でポリラインを選択することで面積を確認できます。
3.さらにハッチングが必要な場合はハッチング作成時に「境界オブジェクトを選択」でポリラインを選択すると簡単に作成できます。
いかがですか? 皆さま、AutoCADで面積を計測する場合は「ハッチング・ポリライン」がキーワードになることをご確認いただけたでしょうか? 次回は、「計測にフィールドを使用する方法」についてご案内します。