設計の自由度を高めるFusionのモデリング機能
公開 2026年 9月30日
製造業

前回の記事では、Autodesk Fusionというのはどのような製品なのか、その全体像についてご紹介しました。第2回目では、Fusionのモデリング機能を詳しくご紹介します。
Autodesk Fusionとは? 特長・拡張機能・製品ラインアップを分かりやすく解説
Autodesk Fusionのモデリング手法
Fusionでは、一般的な機械設計向け3D CADと同様に、パラメトリックソリッドモデリングとサーフェスモデリングを主に使用します。加えて、四角メッシュでモデリングするフォームモデリング(T-Splinesテクノロジーを使用)や、メッシュモデルの編集機能も備えており、これらを組み合わせてモデリングすることが可能です。
その結果、直線的な機械要素部品からコンシューマ製品のような自由曲面形状を持つ部品まで、さまざまな形状をモデリングできます。

図1:Fusionのモデリングの種類
以下では、一般にはあまりなじみのないモデリング手法について説明します。
フォームモデリング
面を作成するという意味ではサーフェスモデリングに近いですが、四角メッシュで自由曲面を作成するもので、操作としては粘土をこねるようなイメージでモデリングをします。
非常に直感的に操作できるため、試行錯誤が必要なデザイナーの皆さまに好評のモデリング手法です。

図2:フォームモデリングの例
メッシュデータの編集・再利用
3D スキャナーで取得したデータやSTL形式のデータなどをFusionに読み込んで、設計時の参照データとして使用したり、既存データを修正したりできます。
メッシュデータをインポートできるソフトウェアは多々ありますが、インポート時に部分的な欠損が生じることが多く、その修復に手間がかかります。
Fusionでは、インポートしたメッシュデータを修復し、さらにソリッド化して、Fusion上での設計に利用することも可能です。

図3:メッシュデータの編集
Fusionのモデリングの特長:パラメトリックモデリングとダイレクトモデリングを共存させることが可能
昨今、パラメトリックモデリングメインの3D CADでもダイレクトモデリングの要素が取り入れられています。「少しだけ位置を移動したい」「大きさを変えたい」という場合に、対象のフィーチャーを探さなくても、直感的に形状を変更できる便利な機能です。
Fusionも同様にダイレクトモデリングの機能がありますが、さらにパラメトリックモデリングとダイレクトモデリングを共存できるという点が革新的です。パラメトリックモデリングとダイレクトモデリングは、必要に応じていつでも自由に切り替えることができます。

図4:パラメトリックモデリングとダイレクトモデリングの切り替え
さらに、履歴内のある特定のフィーチャーに対して[DM フィーチャに変換]コマンドを実行すると、該当フィーチャーおよびそれ以前に作成したフィーチャーを一つにまとめた状態(基準フィーチャーと呼ぶ)にできます。通常、パーツの基準となる形状は履歴の初期段階で作成するため、そのフィーチャーを設計の後半で修正することはまれです。
従って、設計変更が生じないであろう複数のフィーチャーを基準フィーチャー化することで、そのパーツ自体のデータ容量を減らし、快適に扱えるようになることが最大のメリットです。

図5:[DM フィーチャに変換]の実行前と実行後
注意:一度「基準フィーチャー」にした形状は、元のフィーチャー状態には戻せないため、使用する際にはこの点に注意が必要です。
このように、Fusionには、さまざまな形状を柔軟にモデリングできる便利な機能が満載です。
次回以降も本コラムでは、引き続きさまざまな機能をご紹介します。ぜひお楽しみに!