Fusionから3Dプリンターへデータを送る方法
公開 2026年10月16日
製造業

前回の記事では、Fusionのモデリング機能を詳しくご紹介しました。
今回は、Fusionで作成した3Dモデルを実際に活用する方法として、3Dプリントの手順をご紹介します。3Dモデルのエクスポート方法からプリント設定、出力データの作成まで、基本的な流れを順を追って解説します。
一般的な3Dプリント方法
一般的には、作成した3Dモデルをスライサーが読み込めるファイル形式でエクスポートします。その後、使用するプリンターのメーカーが提供するスライサーソフトでファイルを読み込み、プリント設定を行います。
よく使用されるファイル形式は以下のとおりです。
| STL | 古くから広く使われている、一般的な3Dプリント向けのファイル形式です。ほぼ全ての3Dプリンターおよびスライサーソフトが対応しており、ほぼ全ての3D CADからエクスポートできます。 |
|---|---|
| OBJ | 色や素材の情報などを含めて保存できるファイル形式で、3D CGソフトからのエクスポートによく使用されます |
| 3MF | 積層造形(アディティブ・マニュファクチャリング)専用に設計されたXMLベースのファイル形式です。形状けでなく、製造時の各種パラメーター(特徴)を全て一つのファイル内に埋め込むことができる、次世代のファイル形式 |
もちろん、Fusionでもこれらのファイル形式でエクスポートできます。[ファイル]>[エクスポート…]を選択した後、ファイル形式、ファイル名、保存先を指定して保存します。この方法では、ファイルをローカルに直接保存します。

図1:ファイルのエクスポート

図2:エクスポートの画面
Tips
Fusionでは、さまざまな場面で右クリックすると表示される「マーキングメニュー」を利用できます。何も選択していないときと、モデルの面などを選択しているときでは、表示されるコマンドの一覧が異なります。
ファイルをエクスポートする場合は、ブラウザー上のファイル名を右クリックし、マーキングメニューから[エクスポート…]を選択します。ここからでも同様に操作できます。

図3:右クリックでのマーキングメニューからアクセスする[エクスポート]
Fusion独自の方法
Fusionは、主要な3Dプリンターのライブラリを持っています。
通常は、3Dプリンター付属のスライサーソフトなどを使用してプリント設定を行います。一方、Fusionでは、使用する3Dプリンターを指定してプリント設定を行えます。設定後に3Dモデルを修正した場合も、データを再変換してスライサーソフトに渡し直す必要はなく、更新ボタンを押すだけで修正内容をプリント設定に反映できます。これにより、非常に効率よくプリント作業を進めることができます。
3Dプリント手順の例
1.ワークスペースを[デザイン]から[製造]に切り替えます。(図4)

図4:ワークスペースの切り替え
2.[積層造形]タブの[設定]コマンドを選択します。(図5)

図5:積層造形の設定を作成開始
3.[設定]ウィンドウ内にあるマシンの[選択]をクリックし、使用する3Dプリンターを指定します。
この例では、大塚商会でも取り扱いのあるUltiMaker S7を使用します。リスト内のUltiMaker S7をクリックし、画面右下の[選択]ボタンをクリックします。(図6)

図6:マシンを選択する
4.画面上にUltiMaker S7が表示されたら、プリント対象の3Dモデルをクリックした後、[OK]をクリックします。(図7)

図7:マシン選択を完了する
5.使用する材料をリストから指定し、画面右下の[選択]ボタンをクリックします。(図8)

図8:材料の選択
6.この時点で3Dモデルが配置されますが、多くの場合、造形スペース内の適切な位置には配置されていません。
そこで、位置を調整します。[プラットフォーム上に配置]コマンドをクリックし、[OK]をクリックすると、3Dモデルがプラットフォーム上に配置されます。(図9:3Dモデルをプラットフォーム上に配置)

図9:3Dモデルをプラットフォーム上に配置
7.図9:3Dモデルをプラットフォーム上に配置右の3Dモデルがプラットフォームから外れた位置にあるため、警告のために赤く表示されています。(図10)
そこで、3Dモデルをプラットフォーム内に収まる位置へ移動します。

図10:プリント対象物がプラットフォームから外れている
[コンポーネントを移動]コマンドを選択し、マニピュレーター(モデル中央に表示される矢印ツール)を使用して、3Dモデルをプリントに適した位置へ移動します。(矢印だけでなく、四角形や円形のツールを使用して移動することもできます)
位置を決めたら、[OK]をクリックして移動を完了します。(図11)

図11:プラットフォーム上の位置を決める
8.3Dプリントが可能な状態かどうかを確認するには、[積層ツールパスをシミュレート]を実行します。
シミュレーション計算が実行されます。計算が完了したら、メインウィンドウ中央下部にある再生ボタンをクリックすると、積層の進行状況をシミュレーション画面で確認できます。(図12)

図12:積層のシミュレーション
9.シミュレーションで適切な結果が得られなければ、3Dモデルまたはプリント設定を修正し、適切な結果が得られるまでシミュレーションを繰り返します。
適切な結果が得られたら、[ポスト処理]をクリックし、表示されたウィンドウの内容を確認します。その後、[ポスト]を選択してポストデータの作成を開始します。(図13)

図13:ポスト処理
10.作成したポストデータをプリンターに転送して、プリントを実行します。
この方法を使用すると、特に設計変更後にプリント設定をやり直す手間を大幅に削減できるため、ぜひお試しください。サポートが必要な場合は、[サポート]コマンドを使用し、対象の面を選択して追加できます。
なお、手順3で使用したい3Dプリンターが見つからない場合はMachine Libraryで見つかる場合がありますので、そちらもご確認ください。