Revitファイルの同時編集とは? ~BIM 360 Designで共同設計~

2020年10月28日

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これまでの建築設計では「PDFにしてメールに添付して関係者に送る。担当者が確認し、とりまとめを行い、図面を仕上げてから紙に出力して最終チェックする」という流れで設計を進めてきました。

しかし、BIMプロジェクトになると、一つのBIMファイルの共有や共同作業のプロセスが加わってきます。協力会社のメンバーと効率的に共同設計を進める、複数のメンバーでRevitファイルを同時編集する方法をご紹介します。

最新情報にアップデートしました

本記事を2023年7月時点の最新情報にアップデートし、公開しています。

Revitファイルの同時編集とは? ~BIM Collaborate Proで共同設計~

Autodesk BIM 360は、新しいプラットフォームに進化しました

建設業向けプロジェクト管理のクラウドサービスとして登場したBIM 360は、新しいプラットフォームAutodesk Construction Cloudとして新展開します。既にBIM 360をご利用中の方には注意が必要な事項もありますので、ぜひ次のリンクよりご一読ください。

BIM 360に関する変更点と新しいプラットフォーム

Revitのコラボレーション環境は三つ

RevitにはBIMプロジェクトを推進するためのコラボレーション環境が3タイプ用意されています。目的やプロジェクトメンバーのかかわり方によって選択できます。

Work Sharing同一環境下(LAN環境)で同時に一つのプロジェクトファイルで作業する
Revit ServerWAN経由でパフォーマンスを維持しながらサーバーベースのワークシェアリングを実現
BIM 360 DesignRevitの中央モデルをクラウド上に配置し、社内外の関係者と同時編集(Work Sharing)を行う

Work Sharing

例えば、同じ会社のメンバーでRevitファイルを共同で作業する場合は、既にある社内のネットワークの中で「中央モデル」という共有のRevitファイルと、それぞれの担当者(例:意匠担当者、構造担当者、設備担当者など)が作業しているローカルのRevitファイルを同期する方式です。

Revit Server

インターネットを介したWAN環境でRevitファイルを共同で作業する場合の方式です。海外の協力設計事務所との共同作業の場合などはそれぞれにアクセラレーターという役割のサーバーを用意します。

BIM 360 Design

これまでのRevitでの同時編集機能(ワークシェアリング)を、BIM 360 Designにて提供。

BIM360 Designでテレワーク

BIM 360 Designは、建築設計者の効率アップへと仕事の流れを変える機能を備えたBIM 360のモジュールです。BIM 360には基本モジュールのBIM 360 Docsのほかに、BIM 360 Coordinateもあり、目的に応じて選択いただけます。

BIM 360 Designのポイント

  • 一つのBIMモデルを複数人で共同作業できる。
  • 異なるBIMモデルの進捗を一つの画面で一元管理できる。
  • Revitファイルを管理するServerが不要なため、サーバー管理コストが軽減。
  • 社内外のメンバーがアクセス可能。権限設定によるアクセス制限で安心した運用
  • * BIM 360で表示するには、保存だけでなく「パブリッシュ」をする必要がある。

ターゲット

  • Worksharing Monitorを利用してRevitのワークシェアリング機能を既に利用しているお客様。
  • 意匠・構造・設備といった複数分野の共同作業をしているお客様。

メリット

  • 効率が上がるだけでなく、在宅ワークなど働き方改革につながる。
  • 進捗を一元管理することで、変更の見落としなど手戻りを防げる。

BIM 360で何ができるの?

Revitコラボレーション環境比較

それぞれのコラボレーション環境を簡単に整理した比較表です。目的や環境構築を進める際の目安となります。

 ワークシェアリングRevit ServerRevitクラウド
ワークシェアリング
クラウドモデル for Revit
Revitファイルの同時編集
ブラウザーやモバイルデバイスで閲覧
パブリッシュするビュー/シートの選択
Worksharing Monitorツール
Revit Server Administratorツール
社内共有サーバーが必要
WANサーバー環境構築/管理が必要
サービスの購入不要不要必要
(BIM 360 Design)
必要
(BIM 360 Docs)

あなたがお使いのRevitはどのバージョンですか?

Revitのコラボレーション環境は以前から、Collaboration for Revit(C4R)やBIM 360 Teamといった物が用意されていましたが、Revitのバージョンによって対応状況が異なりますので事前確認も重要です。

Revit 2018.2以前C4R / BIM 360 Team
Revit 2018.3C4R / BIM 360 Team、BIM 360 Design
Revit 2019~BIM 360 Design
  • Revit 2018.2以前

  • Revit 2018.3

  • Revit 2019~

詳細情報はオリジナル資料をご覧ください

「クラウドとは何か?」という基本情報から、BIM 360のエディション説明・どのようなことができるのかまでを資料にまとめています。

コラボレーションツール BIM 360 概要説明