3D設計を基盤にヒット製品の開発 ~ものづくりのデジタル化への取り組み~

2022年 2月10日

製造業

「飯盛り達人3」(左)と「ソフトむすび成形機GKS」(右)

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は日本経済を大きく衰退させ、製造業界にも少なからぬ打撃をもたらした。だが、その状況を打開して挑戦を続け、新市場を切り開いたメーカーも少なくない。福岡県福岡市に本社を置く不二精機株式会社(以下、不二精機)もそんな1社である。

今回はものづくりのデジタル化と3D CADの活用について探るべく、インタビューにご協力いただいた。

コロナ禍の飲食業界で新たな市場を開拓

不二精機は、おにぎり・すしなどの自動成形機やご飯盛り付け機、製麺機など食品に関わる各種機械を開発・製造・販売し、メンテナンスまで行う大手食品機械メーカー。特にコンビニチェーンやスーパーが工場で使うおにぎり成型機の分野では、国内シェア8割強を誇るトップメーカーでもある。

しかし、コロナ禍の影響でコンビニやスーパーでのおにぎりの売り上げは減少傾向にあった。そこでもう一つの柱となる製品が必要となったのである。それが、中小企業優秀新技術・新製品賞を受賞した「飯盛り達人3」である。

飯盛り達人3は、ご飯の保温機能と盛り付け機能を合わせ持ち、フタを開けずに残量も確認できるご飯盛り付けロボットだが、設定した量のご飯を衛生的に盛り付けられることもあり、コロナ禍での飲食チェーンのニーズに大いに応えることができた。このように時代に合った顧客ニーズに素早く対応した舞台裏ではものづくりのデジタル化とAutodesk Inventorの活用が影響をしていたのである。

3D CADの導入

同社では、3次元CADの導入は比較的早い段階から始めていたが、大型機械グループではハイエンドCAD、小型機械グループではミッドレンジCADと異なる環境が存在していた。それぞれ運用は軌道に乗っていたが2009年に部署再編があり、さらなる開発効率アップを進めたが、実際のところは「使用できるCADで人選が決まる」という本来有るべきではない姿となってしまった。そこでCAD再考という流れになったのであった。

大型機ラインの3Dモデル

Autodesk Inventorが選ばれた理由

選定の際のキーワードとしては「軽快」「データ管理」「簡単」の三つであった。

ハイエンドCAD、ミッドレンジCAD、ノンヒストリー系CADと検証を行ったが、何よりCADは設計者の筆記用具的なものであって、書くコマンドに悩むぐらいなら中身に知恵を絞ってほしいという思いもあり、ハイエンドは除外、ノンヒストリーは最低限の設計意図を伝えるためにも当社の運用には合わないと判断し除外。結果的にデータ管理ソフトのVaultもパッケージ化されているInventorの導入を決定した。

Autodesk Inventor 製品情報

3D化がもたらした大きなメリット

同社は、設計の3D化への取り組みと同時にVaultでのデータ管理にも取り組んだ。これによりアセンブリ内での置換であったり、コンポーネント保存と置換のコマンドを使った類似品への変更であったり、図面参照モデルの柔軟な置換が可能になり、作業効率を大きく向上させた。

また、各種データの命名規則を「図番―部品名」にすることで、Vault内での検索において類似品検索の対象がヒットしやすくなり、流用率の向上に大きくつながったのである。

Autodesk Vault 製品情報

DXの実現に向けて

このようにイノベーションを続ける同社だが、まだまだ進化を止めるつもりはない。

「シリーズの進化には3Dデータの一層の活用が不可欠。解析ツールInventor Nastranで品質保証やコスト削減を図り、CGツールでビジュアライゼーション強化なども行いたいですね。設計データの活用がさらなるDX実現の重要なカギだと思います」と設計者は語った。DXの実現へ向けて次の一歩を踏み出す。

Autodesk Inventor Nastran 製品情報

インタビュー全編はPDFでご確認ください

インタビュー内容をより詳しくまとめたPDFをご用意しています。お気軽にご覧ください。

不二精機株式会社 導入事例詳細(PDF)