AutoCADで集計結果を表にする方法(COUNTLIST)

2025年 3月24日

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AutoCADで集計するVol.2

AutoCADをご使用の皆さま、またこれからAutoCADを使いたいと思っている皆さま、前回の記事ではAutoCADのよく知るツールを使用して、オブジェクトの個数をざっくり集計する方法をご紹介しました。どちらかというと、検索や選択の役割が多く、集計結果は目視で確認しました。

AutoCADで集計した結果を確認するだけの方法

今回の記事では、AutoCADで集計する方法でも集計結果を表にする方法をご紹介します。表にするツールも幾つかありますが、仕組みが簡単なものから順にご案内します。

集計結果を表として作成する方法

集計するオブジェクトタイプで最も多いのは「ブロック」だと思います。今回はシンプルにブロックだけを集計して結果を表にするツール、カウントをご紹介します。

カウント(COUNTLIST)

「カウント」は、AutoCAD 2022以降のバージョンから導入されたツールです。ここ最近追加されたツールはカウントに限らず、知らないままAutoCADをご使用になっているユーザー様が多いのです。

その中でもこのカウントは、すぐに使っていただける便利ツールです。シンプルに同じ名前のブロックを集計して表にし、ブロックの個数に変化があると再集計もしてくれます。

「カウント(COUNTLIST)」を使用して表を作成する

1.表示タブ/パレット/カウントを実行します。

2.「カウントパレット」が表示されます。上記コマンドを実行した時の集計範囲はファイル全体です。全てのブロックについて、ブロック名ごとに集計結果が表示されます。

  • * カウントされる対象は、ファイルに配置されているブロックです。
  • * 配置されていても非表示・フリーズされているブロックは対象外です。
  • * ロック画層のブロックは対象になります。

3.リストの名前をクリックすることで、画面上で対象ブロックを確認できます。

4.リストの一覧を検索できます。

5.集計表を作成します。カウントパレット下部の「表を作成」ボタンを押します。

6.リストから表にしたいブロック名にチェックをします。

7.カウントパレット下部の「挿入」ボタンを押します。表の挿入位置を画面上でクリックします。

  • * 集計結果を単独の文字として配置したい場合は、リストからブロック名を選択し、右クリックのメニューより「カウントフィールドを挿入」で配置できます。

8.カウントの機能がアクティブになっている場合は、画面の枠表示が青く縁どられ、上部に「カウントツールバー」が表示されます。非アクティブにし、通常の作業に戻る場合は「カウント終了」ボタンを押します。

9.配置された表を確認します。数値の背景がグレーになっているのはAutoCADの「フィールド」という機能を活用しているからです。

フィールドの機能については、次のページを参考にしてください。

AutoCAD 計測結果をオブジェクトにリンクさせる

表をクリックし、表示されたアイコンよりカウント対象のオブジェクトを画面上で確認できます。

表を更新する

カウント領域内のブロックの増減にリンクして表を更新できます。今回は「002」のブロックを二つ増やし、「005」のブロックを二つ減らします。「再作図(REGEN)」または「フィールドを更新(UPDATEFIELD)」を実行すると、表が更新されます。

「カウント領域」の指定

カウント領域は、ファイル全体以外に領域を指定できます。

1.カウントパレットを表示し、右上のボタンで「指定した領域内をカウント」ボタンを押します。

2.窓選択で領域を指定します。集計範囲がファイル全体から下図の青枠内に変更されました。

  • * 領域は窓選択以外にポリゴンやモデル空間全体などでも指定できます。

3.カウントパレットの集計も領域内になったことが分かります。

4.カウント領域は新たに作成される画層「0-カウント領域」で目視確認できます。

属性付きブロックとダイナミックブロック

AutoCADのブロック機能を使いこなしているユーザーには「属性付きブロック」・「ダイナミックブロック」についてはどのように集計されるかが気になるところだと思います。

属性付きブロックについては、次のページを参考にしてください。

AutoCADブロックの作成方法2

1.属性付きブロックについては集計することが可能です。属性名称が複数ある場合はユーザーのイメージどおりに集計できない場合もあります。下図のような属性付きブロックをカウントの機能を使用して集計してみます。

2.カウントの機能を実行すると下図のようになります。属性付きのブロックはいったん名前で集計され、アイコンの違いで属性付きブロックと確認できます。

3.リストの上で右クリックし、集計のキーワードとなる属性名称を選択します。今回は「NO」と「チェック日」を選択します。

4.表を挿入すると、下図のようになります。

5.ダイナミックブロックについては、パラメーターの一部について集計できます。下図のようなダイナミックブロックをカウントの機能を使用して集計してみます。一つのダイナミックブロックに複数の「可視性」が登録されている場合です。

ダイナミックブロックについては、次のページを参考にしてください。

【AutoCAD LT操作】その他のブロック活用

6.カウントの機能を実行すると下図のようになります。ダイナミックブロックはいったん名前で集計され、アイコンの違いでダイナミックブロックと確認できます。

7.リストの上で右クリックし、集計のキーワードとして「可視性1」を選択します

8.表を挿入すると、下図のようになります。

BYBLOCK・BYLAYERで作成したブロックの集計

AutoCADのブロックでは、同じ形状で色や線種を変更したい場合、作成画層「0」を使用してBYBLOCK・BYLAYERでブロックを作成する手法があります。メリットとしては一つのブロックで色や線種の違いを表現できます。

BYBLOCK・BYLAYERでのブロック作成方法については、次のページを参考にしてください。

AutoCADブロックの作成方法1

1.カウントでは画層の違いでブロックを集計することが可能です。下図のようなブロックをカウントの機能を使用して集計してみます。「0」画層、BYLAYERで「test」という名前のブロックを作成後、複数の画層に挿入した状態です。

  • * 画層1~3に挿入

2.カウントの機能を実行すると下図のようになります。

3.リストの上で右クリックし、集計のキーワードとして「画層」を選択します。

4.表を挿入すると、下図のようになります。ブロック名「test」の後ろは画層名です。

いかがですか? 皆さま、ブロックを使用した集計作業はカウントの機能を活用すれば、簡単に解決できます。またカウントで挿入した集計表は配置されたブロックの数と常にリンクし、とても便利ですね。

次回は「AutoCADで集計結果を表にする方法(データ書き出し1)」をご案内します。

AutoCADで集計結果を表にする方法(データ書き出し1)