CADに関する資格を8選! 取得するメリットや勉強方法も解説

2024年 6月24日

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CADオペレーターは資格が必要な職業ではありませんが、資格を持っていると就職活動を有利に進められます。本記事では、CADの資格を取得するメリットと共に、CADに関する資格を八つご紹介します。CADのスキルを生かせる業界も合わせてご紹介しますので、最後まで読み進めてください。

CADの資格を取るメリット

CADの資格を取るメリットは以下のとおりです。

  • 専門知識がある証明になる
  • 就職・転職活動で有利になる

それぞれについて解説します。

専門知識がある証明になる

CADの資格を取得すれば、CADに関する専門知識を持っている証明になります。CADの資格取得には、CADソフトの操作方法だけでなく、設計や製図に関する知識も必要とされるからです。

また、資格取得の勉強を通じて、CADの最新情報も学べます。

スキルアップやキャリアアップにつながる

CADの資格を取得することで、CADソフトの知識や設計・製図の知識を増やせます。資格取得に必要となるスキルを身につけることで、自分の市場価値が高まります。

市場価値が高まれば、昇進や転職で年収を高めることもできるため、金銭的にもメリットがあると言えるでしょう。

就職・転職活動で有利になる

CADの資格を取得すれば、転職活動や就職活動でも有利になります。

資格を持っている人は、その資格に関する一定の知識を身につけていると判断されるためです。即戦力として採用してもらえるため、入社直後から活躍できます。

CADの資格

ここからはCADに関する八つの資格について解説します。

  • CAD利用技術者試験
  • 建築CAD検定試験
  • オートデスク認定資格プログラム
  • Vectorworks操作技能認定試験
  • CAD実務キャリア認定制度
  • 3次元設計能力検定試験
  • CADデザインマスター
  • 機械・プラント製図技能士

それぞれについて解説します。

CAD利用技術者試験

CAD利用者技術資格は、CADソフトを利用して設計・製図業務を行うために必要な知識と技能を評価する国家試験です。2次元CADと3次元CADの二つの区分があり、3次元CAD利用技術者試験は1級と準1級と2級の試験が、2次元CAD利用技術者試験は1級と2級の試験があります。

試験範囲は、CADに関する基礎知識、CADソフトの操作方法、図面の作成や編集、設計業務に関する知識などです。

建築CAD検定試験

建設CAD検定試験は、建設業界でのCAD利用に特化した1993年に誕生した日本初の建築CADの資格試験です。建設設計におけるCADの基礎知識と操作技能が試験範囲で、准1級・2級・准2級(2024年10月開始)・3級・4級があります。

なお、4級は高校による団体受験のみ実施となっていますので、高校生以外は3級からのスタートとなります。

建築CAD検定試験

オートデスク認定資格プログラム

オートデスク認定資格プログラムは、オートデスク社のCADソフト(AutoCAD、Autodesk Revit Architecture、Autodesk Fusion 360など)の操作スキルを証明できる試験です。

試験はソフトウェアごとに分かれており、合格すると正式な「AutoCAD ユーザー」「Revit Architecture ユーザー」「Fusion 360 ユーザー」と認定されます。

オートデスク認定資格プログラム

Vectorworks操作技能認定試験

Vectorworks操作技能認定試験はVectorworksソフトウェアの操作スキルを証明できる資格です。Vectorworksは、建築・舞台・イベントデザインなど、さまざまな業界で利用されているCADソフトです。

インターネットに接続したコンピューターを利用したIBT形式の試験となるため、いつでもどこからでも受験できます。また、試験終了と同時に試験結果を確認可能です。

Vectorworks操作技能認定試験

CAD実務キャリア認定制度

CAD実務キャリア認定制度は、日本CAD協会が実施する認定資格制度です。CADオペレーターとして活躍するために必要な実務経験や知識が出題されます。

3次元CADトレーサー、3次元CADアドミニストレーター、CADアドミニストレーターの3種類があり、全て実技試験となっています。3次元CADトレーサーと3次元CADアドミニストレーターを受験する場合には、事前課題の提出が必要です。

CAD実務キャリア認定制度

3次元設計能力検定試験

3次元設計能力検定試験は、3次元CADを使用した設計業務に必要な知識があることを証明できる試験です。3次元設計能力検定試験では、3次元CADの基礎知識、モデリング、アセンブリ、図面作成などが出題されます。

「3次元CAD実技」「JIS製図法」「公差設計」の3科目が準備されており、3科目の全てあるいは1科目・2科目だけを受験できます。今後、試験科目が増える予定となっていますので、まずは公式ウェブサイトを確認してみてください。

CADデザインマスター

CADデザインマスターは、日本商工会議所が実施する資格試験です。CADを利用したデザイン業務に必要な知識が出題されます。この資格を取得すれば、デザイン事務所やメーカーでの就職を有利に進められます。

試験は在宅受験となっており、指定された試験期間の中から自分の好きな日程を選んで受験できます。なお、決められた期限までに解答用紙を送付する必要がありますので、忘れないように注意しましょう。

CADデザインマスター資格認定試験

機械・プラント製図技能士

機械・プラント製図技能士は、厚生労働省が実施する国家検定です。機械設計やプラント設計における製図業務に必要な知識が出題され、特級、1級、2級、3級があります。製図に関する基礎知識、JISに基づく製図規則、CADによる製図実技などが試験で問われるため、機械・プラント関連企業に就職したいと考えている方におすすめです。

なお、2級以上の受験には一定の実務経験が必要です。公式サイトを確認して、自分が受験資格を満たしているか確認するようにしてください。

機械・プラント製図(機械製図手書き作業)中央職業能力開発協会(JAVADA)

CAD初心者におすすめな資格は?

CAD初心者におすすめの資格は以下の三つです。

  • AutoCAD認定ユーザー
  • CAD利用者技術者試験2級
  • 建築CAD検定試験3級

上記の三つの資格は、CADの基本知識やCADの基本操作を学べる初心者でも比較的取得しやすい資格です。これらの資格取得を目標に勉強を進めることで、体系的にCADを学べるでしょう。

CADの資格を取る方法

CADの資格を取る方法は以下のとおりです。

  • 独学
  • 実務経験を積みながら勉強する
  • スクールに通う

それぞれについて解説します。

独学

CADの資格を独学で取得する場合には、自分のペースで学習を進められます。

各試験の公式サイトから試験範囲や出題傾向を確認し、学習を進めましょう。CADに関する基礎知識は、書籍やYouTubeなどの動画を活用してみてください。

実務経験を積みながら勉強する

業務で使用するCADソフトに関する資格を取る場合には、実務経験を積みながら資格取得を目指せます。社内で走っているプロジェクトや案件に参加することで、実践的なCADスキルを身につけられるでしょう。

ただし、実務経験を積みながら資格取得を目指す場合には、業務と勉強のバランスを取る必要があります。学習時間を確保できる計画を立てるようにしてください。

スクールに通う

CADの資格を取得するためにスクールに通う場合には、体系的なカリキュラムに沿って効率的に学習を進められます。スクールで学習する場合には、経験や知識が豊富な講師のもとでCADソフトの操作方法や関連知識を学びます。

分からないことがあれば講師に質問もできるため、独学と比べても効率よく学習を進められるでしょう。また、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨(せっさたくま)することもできますので、モチベーションを維持できるというメリットもあります。

オートデスク AutoCADスクールのご案内

CADの資格が生かせる業種

CADの資格が生かせる業種は以下のとおりです。

  • アパレル業界
  • 建築業界
  • 製造業(自動車業界)
  • 製造業(インテリア・家具業界)
  • 製造業(福祉業界)
  • 製造業(機械業界)

それぞれについて解説します。

アパレル業界

アパレル業界では、CADを使用して衣服のデザインや型紙作成、グレーディングなどを行います。CADの資格を持っていると、パターンメーカーやデザイナーとして活躍できます。

アパレル業界はトレンドの変化が早いため、CADを利用して迅速に商品を企画・生産する必要があります。CADデータを活用するスキルがあれば、デザインの修正や変更も簡単にできるため、迅速に商品を企画・生産することができます。

建築業界

建築業界では、CADを使用して建築物の設計や図面作成を行います。CADの資格を持っていると、設計事務所や建設会社で設計者やCADオペレーターとして活躍できます。2次元CADだけでなく、3次元CADを使用することで、建築物のイメージを立体的に把握し、設計の精度が高まります。

製造業(自動車業界)

自動車業界では、CADを使用して自動車の設計や部品の設計を行います。CADの資格を持っていると、自動車メーカーや部品メーカーで設計者やCADエンジニアとして活躍できます。

自動車の設計では、エンジンや車体など、さまざまな部品の設計が必要です。3次元CADを活用することで、部品の干渉チェックや強度計算を行うことができ、設計の精度が高まります。

製造業(インテリア・家具業界)

インテリア・家具業界では、CADを使用して家具やインテリア製品のデザインや設計を行います。CADの資格を持っていると、家具メーカーやインテリア設計事務所でデザイナーや設計者として活躍できます。家具やインテリア製品の設計では、機能性だけでなく、デザイン性も非常に重要です。

3次元CADを活用することで、デザイン的にも優れた製品を作成できます。インテリア・家具業界では、ユーザーの趣味や生活スタイルに合わせた製品作成が必要となるため、さまざまなデザインの製品を設計する経験を積めるでしょう。

製造業(福祉業界)

福祉業界では、CADを使用して福祉用具や設備のデザイン、設計を行います。CADの資格を持っていると、福祉用具メーカーや福祉施設で設計者やCADオペレーターとして活躍できます。福祉用具の設計では、使用者に合わせた設計が必要です。

福祉業界では高齢者の状況に合わせた福祉用具や設備が必要になります。CADを活用して、使用者のニーズに合わせた設計を行いましょう。

製造業(機械業界)

機械業界では、CADを使用して製品の設計や生産工程の管理を行います。CADの資格を持っていると、製造メーカーや設計事務所で設計者やCADエンジニアとして活躍できます。製品の設計をする場合には、機能性や生産効率、コストなどを考慮する必要があります。

また、CADデータを活用することで、生産工程の自動化や品質管理も行えます。CADを活用して生産工程の最適化を行うスキルも身につくため、設計以外のスキルも身につけられます。

まとめ

本記事では、CADの資格を取得するメリットと共に、CADに関する資格を八つご紹介しました。今回紹介したCADの資格は以下のとおりです。

  • CAD利用技術者試験
  • 建築CAD検定試験
  • オートデスク認定資格プログラム
  • Vectorworks操作技能認定試験
  • CAD実務キャリア認定制度
  • 3次元設計能力検定試験
  • CADデザインマスター
  • 機械・プラント製図技能士

本記事を参考に、どの資格の取得を目指すか検討してみてください。