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セイコーインスツル株式会社

セイコーインスツル

「より使いやすいミッドレンジ3D-CAD:SolidWorksの利用者が、6年間で180名を超えました。その理由は・・・・・・。」

セイコーインスツル株式会社 ECM推進部 部長 木原弘之氏 主任 木村礼子氏

セイコーインスツル

精密機械大手 セイコーインスツル ECM推進部の木原弘之氏(写真前列左)、木村礼子氏(写真前列右)に、セイコーインスツルのものづくりにおける3次元設計の価値や、その社内普及運動などについて、詳しく聞いた。

セイコーインスツルおよびECM推進部について

― セイコーインスツルとECM推進部について教えてください。

セイコーインスツルは、セイコーの腕時計を製造する会社として、昭和12年に設立されました(※1)。現在は、腕時計のみならず、電子デバイス、メカトロニクス、科学機器などさまざまな製品を設計・製造しています。

ECM推進部(※2)は、社内で3次元CAD、CAE、品質工学、評価技術を効果的に活用し、製品の品質と開発効率の双方をアップさせることを推進する部門です。設計や生産など個別の工程を「部分最適化」するのではなく、企画・設計・生産・サポート・廃棄までのすべての工程をまとめて最適化、つまり「全体最適化」が実現するよう教育活動を行っています。

※1 当時の社名は「第2精工舎」
※2 ECMとはエンジニアリング・チェーン・マネジメントの略

ECM推進部の教育活動について

― 教育活動とは、具体的にどのようなものですか。

現在は、「技術者教育」「事例紹介キャラバン」「出張・出前教育」といった活動を行っています。具体的には、以下の通りです。

1.技術者教育
SYO技塾という若手技術者を対象とした研修と、新入社員を対象とした技術研修とを行っています。SYO技塾では、最新の科学的手法を活用し、若手技術者の技術力アップを図っています。

新入社員向け研修では、ツールの使い方などの学習を通じて、技術者としてのものの考え方、開発設計業務への取り組み方を身につけてもらいます。今年は64名の技術系新入社員を対象に研修を行いました。
2.事例紹介キャラバン
全国の全事業所7カ所を周り、自社内・他社問わず、CAE解析、品質工学、評価技術などの新しい科学的手法を使った事例を紹介しています。
3.出張・出前教育
リクエストがあれば各部署におもむき、科学的手法の活用法など品質向上、開発効率アップのための研修を行っています。

3次元CAD活用の推進も、教育活動の一環です。いつまでも2次元CADを使い続けていては、設計から試作までの期間短縮ができません。自社のモノづくりの総合力を高めるために3次元CADの研修を行い、社内での普及を推進しています。

新人研修後2~3年してから、「SolidWorksを導入したい」と何人もの社員が相談に来るようになりました。

ハイエンドCADからより使いやすいミッドレンジCAD導入・活用へ向けて

― 3次元CADの活用状況は、いかがですか。

セイコーインスツルは、もともとハイエンド3次元CADを販売していた事業部門(※)を抱えており、時計関係の部門を中心に3次元CADを活用していました。また、大型のプロッターやサーマルプリンターを製造している部門でも、ミッドレンジ3次元CADを導入・活用していました。

しかし、2003年当時は、まだ2次元CADで仕事をしていた部門も多くあり、実際に3次元CADを利用している部門の存在や3次元CAD活用の有効性を知らない部門も多くありました。そこで、それらの部門でも容易に使えて、費用的にも低額なSolidWorksの導入を進めました。

特に3次元CAD活用の有効性を知らない事業部門(電子部品関係など)に対しては、事例紹介キャラバンや個別支援などを通じて3Dデータ活用の有用性を紹介したり、身近に感じてもらうために中堅社員の設計担当者を対象とした研修を開いたりしました。設計主担当者を対象にしたのは、第一線に立って活躍している人たちにSolidWorksの使いやすさを感じてもらいたかったからです。

しかし、2次元CADを使用していた部門においては、2Dの作業環境から3Dへの移行に対して抵抗があり、慣れ親しんだ2次元CADを捨てて、3次元CADを新たに覚えることに強い抵抗がありました。

推進活動を始めた当初は、設計品質や開発速度がアップできるので、「3次元CADがすぐに広まるだろう」と思っていました。しかし、予想に反してなかなか広まらなかったので、悩みは深くなりました。

より広く3次元CADを活用して業務の効率アップと設計品質向上に繋げるためには、会社に入社したての若い人達に知ってもらうのが一番良いと考えました。2005年より、3次元CADを業務の中で使って欲しいとの願いをこめて、技術系新入社員への研修を始めました。

※ 現在は別会社となっています。

新入社員向け研修で好転 ~周囲も興味を持ち始める

― 研修対象を中堅社員から新入社員に切り替えて、反応は何か変わりましたか。

新入社員たちの反応は、中堅社員とは180度違っていました。驚いたことに、「SolidWorksが難しい」という反応がまったくありませんでした。

今の若い人たちは3Dのゲームで遊んでいます。学校でSolidWorksを実際に触ったことがある人もいました。彼らは日常で3Dイメージに触れているので、当たり前のものとして受け入れていたようです。初めてSolidWorksに触れるときも抵抗なく操作するし、操作上の試行錯誤を楽しんでいる姿さえ見受けられました。

半日のSolidWorksの研修で、新入社員が初めて設計した木箱。若い世代は、抵抗なく3次元CADを使いこなす。

半日のSolidWorksの研修で、新入社員が初めて設計した木箱。若い世代は、抵抗なく3次元CADを使いこなす。

とはいっても、新入社員ですから設計はできませんし、即戦力にはなりません。しかし、あとで「設計をするならSolidWorksで」と思ってもらうことが大切だと考えました。後々の利用を期待しているので時間はかかりますが、そのほうが設計主担当者を研修対象とするよりもSolidWorksを普及できると考えました。新入社員向け研修を始めて5年が経ちましたが、確かな効果が出てきていると実感しています。

― 新入社員向け研修は、どのような効果がありましたか。

3次元CADの有用性を実感した若手技術者が各事業部に配属され、少しづつSolidWorksを使い出し、それを見て周囲も興味を持つようになりました。草の根的にSolidWorksの利用が社内に広がってきています。

具体的には、新入社員研修に参加した社員が、数年後に「SolidWorksを導入したいのだけど、どうしたらいいですか」と導入の依頼に来ることが多くなりました。 また、「このようなモノをSolidWorksで設計するときに、何に注意すればいいですか?」と、何人もが相談に来るようになりました。

従来、2次元CADを使用して設計していた事業部門でも3次元CADへの移行を検討し、いくつかの候補の中からSolidWorksを選定し、活用を行っています。精機事業部の工作機械部門は、SolidWorksで製品開発が進んだ一例です。

左図はSolidWorksによる3D設計データ。右は、実製品の写真。設計段階で、実物がほぼ再現できていることが分かる。

左図はSolidWorksによる3D設計データ。右は、実製品の写真。設計段階で、実物がほぼ再現できていることが分かる。

機械の外見だけでなく、内部もリアルに設計できる。

機械の外見だけでなく、内部もリアルに設計できる。

また最近では、これまで3次元CADを使用していなかった各部門からのSolidWorksの活用トレー二ングの依頼が多くなりました。半導体部門の依頼で、技術者のみならず営業も含めた14人に対してトレーニングを行いました。半導体部門も3次元CADを使用していなかった部門の1つですが、現在は、活用が進んでいます。

このように、草の根的な普及推進活動は確実に効果をあげています。

現場社員が感じている3次元設計の利点

― 現在、社内でSolidWorksはどのぐらい普及していますか。

先程お話したように社内でハイエンドの3次元CADを導入活用している部門がありましたが、2次元CADを使っている部門も多くありました。2003年、3次元CADをさらに幅広く展開するにあたり、もっと使いやすい3次元CADをということで、SolidWorksを選定しました。 その後の普及活動の結果、SolidWorksでの3次元設計の便利さが社内に浸透し、今では約180名の設計者がSolidWorksを使うようになりました。

― 現場社員は、3次元設計に対し、どのような利点を感じているのでしょうか。

設計現場では、次の3点に効果を感じているようです。

効果1 開発設計初期段階での情報の共有化

電子部品関係を含め開発設計の初期段階で複数部門のメンバーが集まってDRなどを行う時に3次元のイメージは非常に分かりやすく、より密度の高い議論が行われようになり、上流でのアイデア創出に繋がっています。

試作品を作る前に、リアルな3D設計画像をユーザに見せることができる

試作品を作る前に、リアルな3D設計画像をユーザに見せることができる

効果2 仕様確定の作業が簡単になった

受注生産品の場合、製品仕様は、お客様との綿密な打ち合わせを通じて確定させなければなりません。しかし2次元設計では、2次元イメージから3次元イメージへと頭の中で変換する必要がありました。そのため、仕様確定に時間がかかりました。一方、3次元では、実物に近いイメージをお客様に見せながら打ち合わせが進められます。仕様が直感的に理解できるので、打ち合わせがスムーズになります。

効果3 失敗コストが減った

動きのある設備装置などを設計する時には、実際に開発製品が出来上がってから干渉問題が発生することが多々ありました。しかし、3次元CADの干渉チェック機能活用することによりこの問題を解決することが出来ました。また、3Dデータから解析ソフトを使うことにより試作前に構造や機能をかなり検討することが出来るようになり、Fコスト(Failure Cost:失敗コスト)が削減できます。

これらの効果によって、ECM推進部が目標としていた設計品質アップや開発スピードアップ、さらにコストダウンなどが進むようになりました。

なぜSolidWorksを選んだか

― そもそも、SolidWorksを選んだのはなぜですか。

3次元CADの導入にあたっては、「操作が簡単であること」、「データ閲覧機能があること」、「データ互換性に優れていること」、「PDM機能があること」の4つを要件として検討しました。SolidWorksはこれらの機能を満たし、機能的に最も優れていたので、SolidWorksの採用を決めました。

要件1
「操作が簡単であること」について。3次元CADを使ったことがない素人でも操作できるくらいの製品がよいと考えました。
要件2
「データ閲覧機能があること」について。設計や解析の過程では、様々な関係者の意見を聞く必要があります。作成した3次元CADデータを、ライセンスなしで閲覧できる機能が必要でした。
要件3
「データ互換性に優れていること」について。外注先では、さまざまな3次元CADソフトウエアが使われています。それらのCADと円滑にデータ受け渡しができるよう、データ互換性の高い仕様が必要でした。
要件4
「PDM構築機能があること」について。設計データを個人が個別に管理していると、変更の情報の伝達などで間違いが起こりやすくなります。多くの設計者が作成した、すべての設計情報をまとめて管理するPDM(製品情報管理)の機能が付属していることを求めました。

SolidWorksの操作が初めての社員でも、簡単に3次元モデルを設計できました。

SolidWorksの操作が初めての社員でも、簡単に3次元モデルを設計できました。

大塚商会への評価と今後の期待

― 大塚商会のサポートへの評価をお聞かせください。

大塚商会のサポートは、SolidWorksやパソコン本体のみならず、周辺機器の設定・調整まで踏みこんで、総合的に支援してもらえます。その点をありがたく感じています。サーバ設定まで踏み込んで、問題を解決してもらったこともありました。

営業担当者も、わたしたちの立場に立った対応をしてくれるので助かっています。単に製品を売ろうとするのではなく、セイコーインスツルの業務内容を理解して最適の提案をしてくれます。「何かあったら、すぐ営業担当者に連絡」という状態です。

― 大塚商会への今後の期待

ECM推進部では、今後も、セイコーインスツルのものづくり総合力を高めるべく、3次元CADのみならず、CAE解析、品質工学などさまざまな施策を推進していきます。大塚商会およびSolidWorksには、今後も高い技術と優れたユーザ目線での継続的サポートを提供してもらえることを希望します。今後ともよろしくお願いいたします。

セイコーインスツル様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

セイコーインスツルのWebサイト

※ 取材日時 2009年8月
※ 取材制作:カスタマワイズ

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