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アクティブリンク株式会社

アクティブリンク株式会社

アクティブリンク株式会社 室長 小西真氏(左)
技師 谷林宏紀氏(右)

世界初のパワードスーツ量産化に向けSOLIDWORKSを活用、解析機能により開発期間の短縮を実現

アクティブリンク株式会社は重いものを持ち上げる、運ぶといった作業を機械的にサポートするパワードスーツ「パワーローダー」「アシストスーツ」の開発、開発協力を行っています。今回は製品開発時の設計、解析において、どのようにSOLIDWORKSを活用されているかを室長 小西真氏、技師 谷林宏紀氏に詳しくお話を伺いました。

アクティブリンク株式会社について

アクティブリンク株式会社は、2003年、松下電器産業株式会社(当時)社内ベンチャー制度「パナソニック・スピンアップ・ファンド」により設立したロボット開発のベンチャー企業です。パワーアシスト技術で年齢性別に関係なく生活や労働を行える機会を提供し、「パワーバリアフリー社会を実現する」ことをミッションに、パワードスーツ「パワーローダー」「アシストスーツ」の開発とロボット技術を応用した製品の開発を行っています。

創業以来、さまざまな企業、大学や研究機関と連携し、新規事業や試作機の創出を目指しています。応用分野は物流、工場、農業、建設のほか、原子力プラントなど多岐にわたり、主に重いものを持ち上げる、運ぶといった作業を助けるための製品の開発に携わっています。

創業 2003年
本社 奈良県
サイト http://activelink.co.jp/

パワーローダーの開発について

― 現在開発しているパワーローダーについて教えてください。

パワーローダーの開発において、両手合わせて100キログラムの重量物を持ち上げることができる試作機「パワーローダー MS-02」を完成させました。使用用途の一つとして原子力発電所内での作業を想定しています。原子力発電所内で装着する放射線遮蔽スーツはタングステンや鉛で構成されていて、最軽量のもので20キログラム、最も重いもので80キログラムにもおよびます。重い遮蔽スーツを着て、なおかつ短時間で作業を行う必要があります。その作業をアシストするために開発しています。

このパワーローダーは量産化に向けて機能を絞り、「パワーローダーライト」という名称で開発、実証試験を行っており、現在、福井県に準備室という位置づけで支社を設置して、世界初となる量産体制に向けて整備を進めています。量産化にあたり、SOLIDWORKSを活用しています。また、林業、農業向けに開発しているパワーローダーもあります。ハイブリッド型パワードスーツ「パワーローダーライト PLL-4忍者(以下、パワーローダーライト 忍者)」は能動的な歩行をアシストし、重い荷物を背負っての移動や傾斜地での作業効率を実現するために用途開発・実証試験を行っています。この製品の開発、試作機製造においてもSOLIDWORKSを活用しています。

試作機「パワーローダー MS-02」両手合わせて100キログラムの重量物を持ち上げることができる

試作機「パワーローダー MS-02」両手合わせて100キログラムの重量物を持ち上げることができる

3次元設計と強度解析を繰り返し、パワーローダーライト 忍者試作機を製造

― パワーローダーライト 忍者について詳しく教えてください。

林業における作業はチェーンソー、発電機、燃料、水など一人あたり約20キログラムの荷物を持ち、登山道を数キロも登り現場に向かいます。また、経験知が重要ということもあり、林業に従事している方の中には高齢の方も少なくありません。重い荷物を背負っての坂道の上り下りや傾斜地での作業負担を軽減して作業効率化を図ることが目的です。パワーローダーライト 忍者の重量は13キログラム。最高速度は12km/h、使用時間は「走る・歩く・止まる」などの通常使用で約2~3時間です。この製品の開発、試作機製造にあたりSOLIDWORKSを活用しています。

能動的な歩行をアシストするパワーローダーライト PLL-4 忍者

能動的な歩行をアシストするパワーローダーライト PLL-4 忍者

脚部/膝上で固定しモーターで歩行をアシストする

脚部/膝上で固定しモーターで歩行をアシストする

背中/背中にドライバーとコントローラー。腰にギアボックスと電池ボックス

背中/背中にドライバーとコントローラー。腰にギアボックスと電池ボックス

― 小西様が入社されたときは、既にSOLIDWORKSが導入されていたそうですね。

はい。現在弊社にはSOLIDWORKS Premium、SOLIDWORKS Standard、SOLIDWORKS Simulationが導入されています。私は前職の家電系の会社でもSOLIDWORKSを使用していましたし、技師の谷林も大学の講義で習得していましたのですぐに使用できました。もし、新たに3次元CADソフトの導入を検討するならば、やはりSOLIDWORKSを選びます。

理由の一つは導入している企業が多く互換性が高いということ。実際、外部のパートナー企業のうち3次元CADソフトを使用している企業には全てSOLIDWORKSが導入されています。二つ目の理由として、SOLIDWORKSは弊社が求めている3次元設計や解析の機能と使いやすさのバランスがとてもいいことです。あまりハイエンドすぎるソフトでは社内で扱える人が限られてしまいます。弊社は1名の事務を除き代表の藤本までも技師ですので、社内の誰もが扱える製品が望ましいと考えているからです。

― 製品開発において、どのようにSOLIDWORKSを活用したのでしょうか。

SOLIDWORKSを使用して、「3次元設計」と「強度解析」を繰り返して試作機を製造しました。以前は主に2次元CADソフトで設計・開発をしていました。動作が軽く、長年使い慣れていたためです。しかし、量産フェーズに入る段階で限界が見えてきたため、SOLIDWORKSを活用することにしました。

― 2次元CADでの設計・開発の限界とはどういうことでしょうか。

一つは2次元CADで設計すると製品がどうしても四角形の形状になってしまうことです。量産段階で肉抜き作業や意匠性の観点から曲面の形状にするときに2次元CADでは難しいからです。もう一つは量産化にあたり「重量を軽減しながら強度を上げる」という大命題があり、強度解析がすぐにできる3次元CADを活用する必要性が高まったからです。

室長 小西真氏
「量産化にあたり『重量を軽減しながら強度を上げる』という大命題を達成するためSOLIDWORKSを活用することにしました。」

室長 小西真氏
「量産化にあたり『重量を軽減しながら強度を上げる』という大命題を達成するためSOLIDWORKSを活用することにしました。」

全体形状と部品を確認しながら3次元設計が可能

― SOLIDWORKSでの3次元設計機能の利用状況についてお聞かせください。

まずは、頭の中にあるイメージを元に大まかな形状を作成しそれをアセンブリの中でざっと構成して位置関係などの全体形状をつかみます。そこから、アシスト力を出力するモーター、モーターを動かすためのドライバー、コントローラー、電池ボックスなどの細かい部品の設計を行いながらアセンブリ全体でも確認していきます。SOLIDWORKSは寸法の変更などアセンブリファイルと部品ファイルが連動しているので非常に便利です。

さらに、各関節の部品を連結させて動かしたときの干渉チェックを行い、どれくらいのクリアランスが必要かを確認していきます。2次元設計ではミスしやすいところなのですが、SOLIDWORKSでは問題なく確認することができます。

― 設計の際に重視していることはありますか。

パワーローダーライト 忍者は体に装着して使用する製品ですので、人の形状に合わせ効率的にアシスト力を発揮できるように設計することを重視しています。弊社で独自に作成した3次元の人間モデルには若年層女子、高年齢女子、若年層男子の3パターンがありますので、それぞれSOLIDWORKSに取り込んでコンフィギュレーション分けをして設計しています。

また、体に装着するということで製品には曲面を多用しています。理由としては角があると危険だということと、見た目にも角張っているといやでも恐怖心をあおいでしまうからです。一部、2次元CADを使用していますが基本的にはSOLIDWORKSで曲面設計を行っています。現在は用途開発・実証試験の段階ですが、量産段階ではさらにブラッシュアップする予定です。

技師 谷林宏紀氏
「SOLIDWORKSは頭の中のイメージ通りに設計していける、3次元設計のいいところですね。」

技師 谷林宏紀氏
「SOLIDWORKSは頭の中のイメージ通りに設計していける、3次元設計のいいところですね。」

パワーローダーライト PLL-4忍者 設計図1

パワーローダーライト PLL-4忍者 設計図1

パワーローダーライト PLL-4忍者 設計図2

パワーローダーライト PLL-4忍者 設計図2

解析機能は重量を軽減しながら強度を上げるためにはなくてはならない機能

― SOLIDWORKSでの解析機能の利用状況についてお聞かせください。

現状のパワーローダーライト 忍者はモーターによってアシスト力が垂直に働き、下半身の能力として40キログラムの重量を上げることができます。そのときモーターの力が各部品にかかりますが、最も大きいところでは2~3トンの力がかかってきます。さらに駆動部分のギアにもかなりの負荷がかかります。SOLIDWORKSの解析機能を利用すれば、画面上で何度も解析を繰り返しながら設計を煮詰めていけますので、実際に部品を試作し検証する工程が省け開発期間の短縮ができます。

仮にモーターで40キログラムのアシスト力を達成していても製品の自重が15キログラムであれば、実際のアシスト力は自重を差し引いた25キログラムになります。軽量化するほど同じモーターを使用していてもアシスト力は上がることになります。軽量化のために安全性を確保しながら限界まで部品を削っていきます。解析機能は「重量を軽減しながら強度を上げる」ためにはなくてはならない機能です。

― どれくらいの軽量化を実現しようと考えていますか。

製品の重量は現在13キログラム。これは当初目標としていた15キログラムをクリアしましたが、もっと軽量化する予定です。目標は10キログラム以下です。カーボンを使用しないで実現したいと思います。製品の材質は骨組みはほぼアルミニウム、カバー類の材質は樹脂です。骨組みの加工、カバーの製造はパートナー企業にお願いしています。アルミニウムの部品のうち、曲げ加工や溶接をしない削り出しの部品であれば、SOLIDWORKSで作成したデータを2次元図面に展開せずに3Dデータを渡すだけで済みますし、樹脂は全て3Dデータをそのまま利用できますので非常に便利です。

試作回数が減少し開発期間の短縮を実現

― SOLIDWORKSを活用してどのような効果がありましたか。

一番のメリットは試作回数が減少したことです。強度解析を十分に行ってから試作を開始しますので、無駄がなくなるとともに、開発期間の短縮が実現できました。また、モデルをある程度作りこんでおけば、2次元図面の作成時間が短縮できるのも大きなメリットです。パワーローダーライト 忍者の場合、50~60枚の2次元の部品図が必要ですが、2日もあれば全て作成できます。

開発期間は約1年。試作機は現状のものが2機目となりますが、従来使用していた2次元CADで開発していたら、ここまで持ってくるのにもっと時間がかかっていたはずですし、これほど曲面を多用した製品にはなっていなかったと思います。

― 開発期間の短縮はやはり大きなメリットなのでしょうか。

10年前の弊社設立以前にもロボット技術ブームがありましたが、今の状況はロボットの商品化、量産化に対する期待もとても大きく一過性のものではないと認識しています。開発依頼元の企業からの要望もありますが、この時流に乗れるように開発期間は少しでも短くして商品化に結び付けたいと考えています。

SOLIDWORKSの解析機能を使い、画面上で繰り返し検証。開発期間の短縮に貢献

SOLIDWORKSの解析機能を使い、画面上で繰り返し検証。開発期間の短縮に貢献

大塚商会のサポートについて

― 現在、大塚商会の各種サポートは利用されていますか。

各ライセンスのバージョンアップサポートは利用していますが、保守サポート「たよれーる」、テクニカルサポート「QQ-Web」は現在は利用していません。前職のときはコンフィギュレーションの作成、設計テーブル・フォーマットの書式のほか、基本的な操作のことまで問い合わせしていました。多いときは週に2回ほど電話で問い合わせしていましたが、ほぼ当日のうちに返答がありとても助かりました。

実はSOLIDWORKSに詳しい社員がいない場合に備えて、保守サポートを利用することを考えていたところです。実施されているセミナーなどの情報と合わせて、ぜひ提案をお待ちしています。

新商品開発と今後の展望について

― 現在、商品化に向けて開発している製品はありますか。

現在、ロボット技術を応用した医療用の鉗子の開発を行っています。現在の手術用の鉗子は人が使用するものですので、思わぬところで力が入りすぎてしまうなどどうしても使用する人のスキルに依存してしまいます。それをロボット技術で制御してあげる。

また、つねに力を入れて鉗子をつまんでおかなければならない場合に、手を離せるようにするなどより安全な製品の開発を進めています。モーターではなく特殊なアクチュエーターで制御する仕組みを考えています。グリップの部分はエゴノミクスに基づいた形状にするため、SOLIDWORKSで曲面設計を行っています。設計データを利用して3Dプリンターで試作を重ねているところです。

― 今後の展望についてお聞かせください。

弊社の装着型ロボット「アシストスーツ」「パワーローダー」を必要としている作業現場はまだまだあると考えています。高齢化社会において定年を過ぎても作業をアシストすることで十分に働くことができる、また、力作業が必要な現場でも女性の方が感性を生かして働ける社会、そんな「パワーバリアフリー社会」を実現するためにサポートしていきたいと思います。

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