BIMガイドライン

国土交通省のBIMガイドラインを読んでも分からなかった方のために、BIMガイドラインとは? を簡単に解説

国土交通省「官庁営繕事業におけるBIMモデルの作成及び利用に関するガイドライン」(平成30年改定)とは、次の3部構成になっています。

  1. 総則
  2. BIMガイドライン(設計業務編)
  3. BIMガイドライン(工事編)

出典:国土交通省ホームページ

1.総則を理解する

目的と使いみち

BIMガイドラインは、官庁営繕事業の設計業務または工事業務にてBIMを利用する際のガイドラインです。

特長としては最終成果物は2次元の図面および仕様書となります。BIMの利用が受注者の創意工夫の邪魔にならないよう、「利用範囲を限定」した内容となっています。あくまで提出物は2次元の図面などであり、提出物がBIMモデルのみとなることはありません。

利用するBIMソフトウェアは2次元の図面が出力できるものとし、意匠・構造・設備などのBIMモデルの統合による技術検討を行う際には、異なるソフト間の互換性を確保したものを利用します。IFC形式による入出力可能なソフトなどが該当します。

出典:国土交通省ホームページ

BIMモデル作成に係る共通事項について

BIMモデルの作成については、各オブジェクトの作成にガイドラインを設けています。

空間オブジェクト

空間オブジェクトの作成方法としては、単一の機能を持つ空間ごとに空間オブジェクトを作成します。空間オブジェクトは、室として壁や床、天井に囲まれた空間以外に、玄関ホールなど仕切りのない空間については、機能の境界を設け、機能ごとのオブジェクトを設けます。

建築部材のオブジェクト

建築部材のオブジェクトについては、ソフトウェアの持つ部材オブジェクトを使用します。例えば柱については柱のオブジェクトにて作成し、壁については壁のオブジェクトを使用して作成します。これらはBIMモデルよりコスト管理のための概算数量を算出するのに利用されます。ソフトにない部材オブジェクトについては、専用オブジェクトを設けます。

エネルギー解析

エネルギー解析などを行う場合には、建築部材のオブジェクトが相互にすき間なく連結するようにモデル作成し、気流・温熱環境などのシミュレーションの結果に影響が出ないように作成します。

詳細度

BIMモデルの詳細度は、利用目的に応じて詳細度の目安を設けています。例えば、基本設計で平面計画などを検討する際、内装仕上げの詳細も作成してしまうと、BIMモデルの修正の作業量が増えるため、ラフな詳細度のモデルで行うなどがあります。

属性情報の名称

室名は、原則、設計業務については「企画書」(「営繕事業のプロジェクトマネジメント要領」および「官庁施設の企画書及び設計説明書作成要領」)を工事においては設計図書に基づくものとします。これによりBIMモデルで各室の面積算出が可能となります。

施工計画書、施工図などの確認

施工計画書、施工図などの内容について発注者に確認を受ける場合は、確認を受ける具体的な範囲および手順についてあらかじめ監督職員と協議します。

2.BIMガイドライン設計業務編と工事編をまとめて理解する

BIMガイドライン設計業務編と工事編で異なる点を比較してみましょう。

適用に当たる取り扱いおよび干渉チェックの違い

 BIMガイドライン適用に当たる取り扱い干渉チェック
設計業務編設計委託業務における適用に当たっては「建築設計業務委託契約書」および「公共建築設計業務委託共通仕様書」を適用して設計業務委託が行われていることを前提とする。BIMモデルを利用して干渉チェックを行う場合は、納まりなどの検証が必要な分野および範囲についてBIMモデルを作成・統合してこれを行う。
工事編工事における適用に当たり、標準仕様書を適用し工事が行われていることを前提とする。BIMモデルを利用して干渉チェックを行う場合は、工事の段階において確定した建築部材に係る情報により納まりなどの検証が必要な分野および範囲について、BIMモデルを作成・統合してこれを行う。

設計業務編 各設計フェーズでの詳細度

 成果物詳細度
基本設計方針-基本設計方針の作成にあたって、建築可能範囲の検討、建築物へのアプローチの検討および平面計画の検討、各種シミュレーションを行うために必要な詳細度とする。
基本設計図書「配置図」(敷地求積図を含む)、「平面図」(面積表および求積図を含む)、「立面図」、「断面図」および「仕上概要表」この時点では、詳細図、展開図で表現する建物部材(例:幅木、天井見切縁など)のBIMモデルは、原則として作成する必要はない。
実施設計方針-実施設計方針の策定にあたっては、告示第15号に定められる「基本設計の段階以降に検討された事項のうち、建築主と協議して合意に達しておく必要のあるもの及び検討作業の結果、基本設計の内容に修正を加える必要のあるもの」について、必要に応じて基本設計方針の策定のためのBIMモデルまたは基本設計図書の作成のためのBIMモデルを修正することとし、この場合の詳細度は修正前のBIMモデルの詳細度に応じたものとする。
実施設計図書建築一般図に加え、矩計図、展開図、天井伏図、平面詳細図、部分詳細図などを作成する。部分詳細図の作成にあたって、全て建物部材の形状情報を部分詳細レベルで作成してしまうと、BIMモデルの容量が大きくなり、操作性が低下するとともに、プランの変更などに伴うBIMモデル修正の作業量が多くなる場合があるため留意する必要がある。2次元の図面などを作成することが目的である場合、例えばBIMモデルから2次元の詳細図などを作成する範囲、納まりの検討や干渉チェックを行う場合に必要となる範囲などに限定して実施設計図書での詳細度のモデルを作成する。
技術的な検討-BIMモデルを利用して、各種技術的な検討を行う場合のBIMモデルの詳細度は、検討を行う時点および目的に応じたものとする。各種技術的な検討を行うにあたって、詳細度を高くした場合には、シミュレーションの計算時間が長くなる場合がある。
  • * 詳細度と図面についてはそれぞれ、次のページより詳細をご確認ください。

工事編 作図および設計検討での詳細度

 成果物詳細度
完成図など工事における完成図は2次元の図面などであり、その詳細度は設計業務における建築一般図程度で、各室の面積なども必要である。目安は概ね基本設計図と同等であるが、属性情報については各製品の製造所(製造者)名および製品番号(製品の種類が分かる程度の情報)を入力することが考えられる。
技術的な検討-詳細度の決定にあたり、次の資料を参照することが考えられる*1。
  • * 詳細は「施工図のLODとBIM施工図への展開(一般社団法人日本建設業連合会ホームページより)」をご覧ください。

施工図のLODとBIM施工図への展開

設計業務編の技術的な検討内容

技術的な検討の内容は一般業務(2Dでの設計業務にあたり通常行うもの)と追加業務に分け、業務範囲を明確にしています。

一般業務

建築可能範囲の検討、建築物へのアプローチの検討、平面計画の検討、設計内容の説明などに用いる資料の作成、自動算出機能の利用、干渉チェック。

追加業務

建築物の環境性能の総合的な評価、建築物の防災に関する計画の作成など、周辺敷地の建築物の詳細なモデル作成、内観の可視化に係る彩色・素材感(テクスチャー)のモデル作成、家具・什器などの詳細なモデル作成、風環境シミュレーション、ヒートアイランドシミュレーションなどの周辺環境のシミュレーション。

  • * 風環境シミュレーション、ヒートアイランドシミュレーションのシミュレーション製品は次よりご確認ください。
  • * 自然採光シミュレーションのシミュレーション製品は次よりご確認ください。

Lumicept 製品情報

工事編の技術的な検討内容

施工計画、施工手順などの検討、デジタルモックアップ、施工図などの作成、数量算出、各種技術資料の作成、干渉チェック。

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