BIMと3D CADとの違い

BIMと3D CADとの違いや普及率などを解説します

BIMとは、Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略称です。コンピューター上に現実と同じ建物の立体モデル(BIMモデル)を再現して、よりよい建物づくりに活用していく仕組みです。

BIMモデルとは

BIMモデルは、オブジェクトの集合体であるため、建材パーツには幅や奥行き、高さに加え、素材や組み立てる工程(時間)なども盛り込め、図面以外の多くのデータを引き出せます。構造体の入力、設備機器も再現可能です。設備機器には品番、メーカー、価格なども詳しく入れられるため、メンテナンスや資材管理にも使えます。

数年前より、世界主要市場でのBIM使用状況や導入効果について調査したレポートも発表されており、日本の技術向上のため、導入される企業も多くなってきています。

つまり、BIMとは、BIMツールで3次元モデルを作成し、設計から施工、維持管理に至るまでの建築ライフサイクル全体で蓄積された情報を活用し、業務効率化や建築デザインのイノベーションを起こす画期的なワークフローです。

BIMと建築設計

BIMモデルは、一つのモデルを構成する全てのデータが連動します。修正を行えば、平面図、立面図、断面図、屋根伏図、パース、面積表、数量表など全てが自動修正され、手戻りに費やす時間を圧倒的に削減できます。

線だけで書かれた図面からでは、毎日設計図面に触れることのない方でなければ、建物の完成予想がイメージできません。設計の段階から完成イメージを共有できることで、早期の合意形成だけでなく、関係部門と円滑に共通認識を保てます。

まずはFormIt Webアプリで3Dモデリングをしてみよう

無償で提供されているFormIt Webアプリでは、インターネット環境さえあれば、Webブラウザーで3Dモデリングに取り組めます(Webブラウザーは、ChromeまたはFirefoxをご利用ください)。内観パースを作成するチュートリアルをご用意しましたので、ダウンロードしてご利用ください(2021年9月時点のFormIt Webアプリ環境で作成)。

まずは、簡単な操作から慣れてみましょう。

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転換期にある建設業界

建設業界は現在、デジタルトランスフォーメーションのどの段階にあるのでしょうか。そしてBIMは、その変革にどのような価値をもたらすのでしょうか。その調査のために、大小さまざまな規模の企業に属する843名にオンラインアンケートを実施。そのレポートを無料でダウンロードいただけます。

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動画で分かるBIM

BIMでは、データベースから各図面に必要な情報を取り出すため、全ての図面が整合性を保ったまま3Dから図面を切り出せるイメージです。そのため「Single Source of Truth(信頼できる唯一の情報源)」とよばれています。

RevitによるBIM概要(オートデスク株式会社 林弘倫様講演)

オートデスクにおいてBIMで中核をなすRevitは、意匠・構造・設備の各分野を統合するツールです。オートデスクのBIM=Revitと共に、建設業に到来している二つのICT技術の波(BIMのモデリング手法、整合性チェックの不要=スピードアップ、日本仕様標準化の体制など)を動画でご紹介します。

【動画】RevitによるBIM概要

  • * 2021年10月に開催したオンラインイベント建設業実践Web講座2021秋の「構造図作成もRevitで効率化!」より抜粋しています。

2021~2022年の取り組み(Zaha Hadid Architects 吉川勉様講演)

Zaha Hadid Architectsの吉川勉氏を講師にお迎えし、2021~2022年の間に完成・進行しているものを公開できる範囲でご紹介いただきました。

コロナ禍でより活用しているBIMモデルを利用したビジュアライゼーションツール「Twinmotion」や若手メンバーが制作したメタバースについて説明しています。

【動画】BIMモデルを利用したビジュアライゼーションツール:Twinmotionとメタバースの活用

従来の3D CADとの違い

これまでの3次元モデルは、2次元の図面を作ってから3次元の形状を組み立て、CGでシミュレーションするという流れが主流でした。修正が入ってしまうと関連する2次元の図面を全て修正してから、やり直す必要があり、大変手間がかかっていました。

BIMモデルは、BIM対応の3次元CADで作成します。最初から3次元で設計し、3次元から2次元図面を切り出して作成することで、モデルの編集に追従した設計図書の管理が可能です。BIMモデルを部分的に修正しても、関係する部分は全て自動反映され、図面間の整合性を常に保てます。

過半数がBIMを導入済み

単なるCGやパース作成の道具ではなく、経営戦略的にBIMを導入する企業が増えているといえそうな調査レポートデータを基に、BIMツールの導入状況について解説します。

出典:BIM活用実態調査レポート 2020年版

全回答者480人のうち、56%が「勤務先でBIMを導入している」と答えています(図1)。BIMの導入率については、調査を行う団体や調査対象の企業によって大きく数値が異なるので議論となることがあります。例えば、大手企業が中心の団体では過半数を大きく上回り、中小の設計事務所が多い団体では半数を下回るといった具合です。

一方、今回の調査対象は日経BPクロステックの読者やソフトベンダーのユーザー会、FacebookやツイッターなどのSNSのメンバーなど、大小さまざまな企業や団体に所属する回答者が含まれているので、比較的平均値的な傾向を示していると思われます。

BIMを導入した時期については「日本のBIM元年」といわれる2009年以降が圧倒的に多い結果です。導入企業の中では、5年以上のBIM歴を持つ企業が約半数あり、活用レベルも高度化していることが予想されます。一方、3~4年以内に導入した企業も約半数となっており、BIMを導入する企業がますます増えていることもうかがえます。

2010年に行った同様の前回調査では、BIM導入率が33%だったようです。今回、半数を超えたことは、「日本のBIM元年」から10年以上経過した今、これからの建築業界でBIMの活用が本流になることを示しているといえそうです。

BIM活用実態調査レポート 2020年度版

BIMの導入とソフトウェア

BIMモデルは、属性情報と呼ばれる数量、仕様、色などの活用可能な情報を持ち、関連ソフトウェア(BIMツール)で利用できます。BIM対応3次元CADで作成したBIMモデルなら、設計段階からさまざまな形でシミュレーションできます。

次のように、用途に応じた代表的なソフトウェア(ツール)が用意されています。

Autodesk RevitAutodesk Revitは3次元モデルを作成し、そこから平・立・断面図や仕上・求積・建具表といった建築図書を作成していきます。集計機能を利用して、法規チェックや数量集計などにも活用できます。BIMの概念に基づいて開発されたBIM対応建築3次元CADで、日本国内のみならず、海外でもポピュラーなソフトウェアです
ArchicadArchicadは企画設計の段階から3次元でデザインを検討し、基本設計・実施設計までをカバーするBIM対応建築3次元CADです。デザインの自由度を高める機能はもとより、確認申請を支援する実務的な機能も充実。スピード・自由度・クオリティを兼ね備え、設計者を強力にバックアップします
RebroRebroは3次元設備モデルが作成できるため、平・断面が常に連動しており、1カ所に加えられた修正は瞬時に関連データに反映されます。また、BIM総合図からは必要に応じて、スリーブ図、見積図、2次元設計図、施工図など図面情報を取り出せます

BIM人気ソフトウェアを比較

仮想の建物データを活用していこう! それがBIM

「3次元CADは使ってるよ、パースでしょ!」
いえいえ、BIMはこれまでの建築3Dとはちょっと違うといったところが少し理解できましたでしょうか?

これまで設計はまず2次元で行って、そこから3次元を立ち上げる利用が多くありました。BIMでは、3次元の形だけではなく、その形が壁なのか建具なのか、その壁はどんな構造なのか、といった情報まで持っているのです。(形状情報と属性情報)設計が完成すれば、仮想の建物も完成します。この仮想の建物データをいろいろな場面で活用していこうという動きが既に始まっています!

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