やり方で変わる 効率を上げるロボットティーチング

ティーチングソフトを活用して生産性向上

製造業において産業用ロボットの導入が進んでいますが、ロボットの動作登録には時間や手間がかかっていました。ティーチングソフトを活用することで登録作業が効率化できます。

ロボットティーチングとは

ロボットティーチングとは、産業用ロボットに組み立てや塗装、溶接などで行う動作を設定する登録作業のことです。産業用ロボットは、設定されたプログラムがないと動作しません。ロボットティーチングを行うことで、ロボットは初めて設定された指示通りに動作することができます。

ロボットティーチングは、細かな指示を幾つも設定しなければならないため、その作業には多くの手間と時間がかかります。また、80Wを超えるロボットのティーチングを行うには、専門の資格が必要になるため、だれでも行える作業ではありません。産業用ロボットの導入は、このロボットティーチングをいかに効率的に行えるかが重要なポイントになります。

オフラインティーチングとは

ロボットティーチングの方法として、ロボットを実際に操作しながら動きを設定していく作業を「オンラインティーチング」と呼びます。オンラインティーチングは、実際の動作を目で見て確認しながら設定できるので、分かりやすく正確にロボットティーチングを行えます。

しかし、既に現場で稼働しているロボットであれば、ロボットティーチングの作業中は生産ラインを止めなければならず、ロボットティーチングの時間はそのまま損失に直結します。

そのため現在では、パソコン上でプログラムを作成して、そのプログラムをロボットに転送する「オフラインティーチング」が多くの現場で採用されています。オフラインティーチングは、ロボットの動作をパソコン上で設定してシミュレーションし、問題点を事前に把握・改善することができます。実際のロボットには事前に用意したプログラムを設定するだけになりますので、現場での作業時間削減を実現します。

オフラインティーチングソフト「OCTOPUZ」

オフラインでロボットティーチングを行うには、ソフトウェアが必要になります。

産業用ロボットのオフラインティーチングソフト「OCTOPUZ(オクトパス)」は、ロボットシステムをPC上で再現してプログラムを作成し、シミュレーション機能での確認を経て最適なティーチングデータを短時間で組み上げます。OCTOPUZはロボットメーカー50社以上のロボットに対応しています。

レイアウト設計

OCTOPUZでは、ロボットや各種コンポーネントの3Dモデルを「eカタログ」から引き出して使用できるため、3D CADで描かなくても、すぐにレイアウト設計ができ作業時間を飛躍的に短縮できます。

また、各種CADファイルをインポートする機能がありますので、既にお持ちのデータや各社が提供するデータをOCTOPUZにて活用することが可能です。

シミュレーション

シミュレーションでは、実際にロボットを動かさずに、PC上でロボットコードの開始から終了まで問題なく動作するかどうか確認ができます。

さらにロボット本体の問題だけでなく、周辺設備や周りの環境も再現することで起こりえる干渉やエラーなどを把握できます。事前にPC上で改善・修正を行うと現場での修正を減らすことができ、作業時間が大幅に短縮します。

ティーチングデータ出力

出力したティーチングデータをロボットに登録し、現場で実際に動作確認をします。動作確認時にはオンラインティーチングで行っていたような大掛かりな設定や修正は必要なく、また現場で起こるリスクがあった操作ミスによるロボットの破損といった事故も減らせます。

オフラインティーチングデータの登録でも現場での細かい調整は必要になりますが、オンラインティーチングに比べ、現場での作業時間を大幅削減でき、ラインの停止時間を短縮することで生産性向上につながります。